Words of love 〜αとΩ番の誓い〜

浅葱

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蜜月の終わり

酔っ払い⭐︎

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帰宅し、夕食に奏が買い置きしてくれた材料を使って真琴のリクエストしたカルボナーラを作った。
今日のシュミレーションの慰労を兼ねて、ワインセラーからワインを1本取り出し、ワイングラスと共にダイニングテーブルに置いた。

カルボナーラを食べる前に、ワインで乾杯をする。
白ワインとカルボナーラでの慰労に、喜ぶ真琴…。あっという間にワイングラスが空になる。
2杯目をワイングラスに注げば、仄かに顔が赤らんでいる。

「空きっ腹に飲んだから、ちょっと酔っちゃったかも~」

と言いながら、2杯目のワインをあおる。

「飲みすぎたら、後がしんどいぞ…。」

と言っても、グラスから口を離す事なくジュースを飲むかの様にゴクゴクと飲んで行く。
俺なりに口当たりが良い物を選んだつもりだが、まさかの飲みっぷりで驚いていると空になったグラスに自分でワインを注ごうとする真琴を見て流石にボトルを死守した。

「なんれ~、おしゃむしゃん、ワインのぼろる、しょんなにしっしにもっれるんでしゅかぁ~?」

完全に、酔っ払って呂律が回っていない。
ダイニングテーブルからワインボトルを持って立ち上がり、ワインボトルを冷蔵庫の側に置いてからミネラルウォーターのペットボトルを1本取り出し、新しいグラスに注ぎ手渡してやる。

「おみじゅじゃなくれ~、ワイン~!」

駄々をこね始めた真琴。
仕方無なく、口移しでミネラルウォーターを飲ませればぶつくさ言いいながらも何とか飲んでくれた。
数回繰り返し、最後の一口を飲ませて少し深い口づけをすれば、

「ぷふぁっ……ひしゃびしゃに、おしゃむしゃんと、ちゅ~した♡」

とにへらと笑って、俺に抱きついて来た。
おまけに、俺の胸におでこをスリスリと押し付けて甘えてくる。
発情ヒートの時の、バニラの甘い香りは漂ってこない…、単なる甘えた?なのか⁈
真琴が上目つかいで

「しよっ?」

何て言いだす…。
酔った勢いで、シタい…なんてどうしたんだ?

「一応、発情ヒートはきてない感じがするけど、完全に大丈夫とは言い切れないよな?薬持ってないから、寝室に行こうか?」

片ずけもそこそこに、寝室へ誘えば真琴は首に腕を絡めてきた。
そのまま抱っこ状態にして寝室に移動を始めれば、更に俺にギュッと抱きついてきた。
階段を上がるには少し苦しい締め付けに

「真琴、ちょっと腕の力緩めろ。そんな締め付けてたら苦しくてお前を落としかねない。しっかり支えてやるから、少し腕の力抜いてくれ…」

と呟けば、フッと俺の首にかかる腕の力が緩んだ。
代わりに俺の腕に真琴の体重が感じられた。
しっかり、真琴の尻の下にある腕に力を込めて、

「いい子…。」

と返せば、ニッコリ微笑み返す愛しい番の顔が見えた。

寝室のベッドに真琴を降ろせば、トロンとした上目使いで俺を見上げる。
膝を折り、目線を下ろしてやれば真琴は丁寧に俺のシャツのボタンを一つづつ外しにかかる。
顔が近ずいたと思えば、チュッと啄ばむ様なキスを繰り返してきた。
真琴の後頭に手を添え、グッと唇を押し付けてぬるりとしたを滑り込ませば、それに応えるかの様に舌を絡めてくる。
ボタンを外し終えていた真琴の手が、スッと肩に触れ俺のシャツを脱がせにかかる。

クチュッと音をさせ、唇を離し真琴が着ていたパーカーを裾から引き上げて脱がせた。
両腕が抜けない程度に脱がせて、性急にベッドに押し倒した。

「んっ…、袖が抜けてないよっ…」

「可愛いお強請りしてきたから、ちょっとしたイタズラ。袖、抜いちゃダメだよ。」

ベッドサイドのボードの引き出しから殺精剤を一つ取り出しボードの上にそっと置いた。
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