Words of love 〜αとΩ番の誓い〜

浅葱

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蜜月の終わり

発情の落ち着き

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ーside 真琴ー

発情ヒートが始まって、3日目まではほとんど訳が分からなかった僕…。
意識はしっかりしていたけど、体は自分の物じゃないといった感じで、酷く乱れていたと思う…。
憧れていた理先生に抱かれて、夢見心地な気分を味わった気がする。

僕には、Ωであること以外にキャロライン教授以外の人には知られていない秘密がある…。

それを知られてしまう前に、僕は理先生達の前から消えなきゃいけない…。

だから、深入りはしないって決めたのに…、グズグズのなし崩しで、理先生の好意に甘えてしまった自分が情けなくてしょうがない。

そんなダメダメな僕なのに、理先生も奏先生も優しくしてくれるから、つい甘えてしまったのがいけなかったんだ…

時が来たら…

僕はみんなの前から消える…

その時までは、グズグズに甘えさせてもらおう…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーside 理ー

真琴の発情ヒートが始まって3日目までは、食事をすることも忘れるほどお互いに体を貪りあっていた。
αの性欲は強いと思っていたが、Ωが開花するとここまでになるとは正直思っても見なかった…。
だったから…というのが正しいのかも知れない。

真琴の容姿なら、今まで喰われていなかったこと自体が不思議でならない程だ…。

イケメンと言えばイケメンだが、今時のアイドル並みに可愛い容姿で、純粋培養なのだから尚更だ。
おまけに、高学歴とくれば寄って来ないαは居ないだろう…。

誰の手にも堕ちていなかったことに感謝したい…。
それが、3日目になり急激に発情ヒートの状態が落ち着き出した。

「真琴…、朝御飯できたよ」

ソファーでノートパソコンと向き合っている真琴に声を掛けた。
発情ヒートが落ち着いて来て、普通に過ごせる時間が増えて来てから、急にノートパソコンに向かう時間が増えて来ていた真琴。
何やら真剣な表情で画面を食い入る様に見入り、時たま両手をオぺの手技の様に動かしている。
俺の声など全く耳に入っていない様な様子だ。
側に行きソファーの背面から画面を覗き込めば、弁置換と弁形成のオペの術野の動画だった。

「真琴?」

背後から声をかけると、瞬間的にビクッと体をさせて振り返った真琴。

「びっくりした!急に声かけないで下さいよ…」

と言う。

「何度か、キッチンから声かけたけど全然耳に入ってないからここまで来たんだ。てか、それ、永瀬くんのオペをシュミレートしてか?」

と声をかければ、

「4、5日現場から離れてますから、感覚が鈍っちゃって…。発情ヒートの後は、感覚戻すのにいつも大変なんで、落ち着いてる時間や空いてる時間は色んなオペの動画を見て、手技確認と感覚を戻すシュミレートしてるんですよ…。自宅にいる時は、結構普段からやってるんですけどね…。今回は、ちょっとイレギュラーな感じのシュミレートになっちゃってますけど…」

と苦笑いをして返して来た。
この努力で、キャロライン教授の下で学ぶチャンスを手にしたのだろう…
そう思うと、自分の現場に対する不甲斐なさを痛感した俺…。

「朝御飯できたから、先に食べてそれから続きにしないか?特殊な物はないが、ある程度練習に必要な物品はうちに揃ってるから一緒にシュミレートしよう。その方が、今度のオペにはいいだろう?俺も、弁置換と弁形成はほとんど経験がないからそうして貰えると有り難い。」

と伝えると、

「せっかくの出来立ての食事が勿体無いですもんね。先に頂きます。」

と言い、流れていた動画をマウス操作で停止させ、立ち上がった真琴。
ダイニングテーブルに移動し、トーストにスクランブルエッグ、ベーコン、サラダが並べられている席についた。
俺はコーヒー、真琴には好きだと言っていたムースフォームのキャラメルマキアートを見よう見まねで作って見た。

「うわっ!ムースフォームのキャラメルマキアートだ!おさむさん、ホント何でもできる天才ですね!」

喜んでくれた真琴に微笑んで

「見よう見まねで作った割には上手くいったと思うけど、味はわからないよ。さ、暖かいうちに早く食べよう。」

と伝え、食事を始めた。

お互い3日振りにまともな食事を摂り終え、片付けを一緒にしてソファーでホッと一息付いた。
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