Words of love 〜αとΩ番の誓い〜

新たな生活

ネックガードーside 理ー

真琴は約束の時間よりも随分と早くに出勤して来た。
約束してたネックガード届いていることを伝えた俺は、序でに舞が薬を持って来てくれた事と、まだ検査データが全て揃っていないらしいので、ホルモンの調節をする為にホルモン剤の服用から始めることを伝えた。
舞曰く、真琴の場合は、本人には詳しく言っていないがホルモン値がかなり低いので、２種類の薬剤の併用をする事にしたそうだ。今日から服用を開始する様に言っていたが、ホルモン値が急激に改善をした場合、近い未来に真琴は確実に発情ヒート状態を起こす、と舞に言われている。

いつもと違う様子を見逃さない様にしてやらなければ…

と内心で思った俺は、ベルベッド素材で出来た箱を手にして真琴の方へ歩みを進めた。
それは、プロポーズをするみたいな気持ちでだった…

真琴の側に行き、恭しくケースを開いた。
ケースには、Saegusa medicalと司波総合医療センターの英知を結集した初の共同開発製品のプロト版で黒のチョーカーの様にも見えるデザインのネックガードを準備していた。


トップにはプラチナで出来たプレートに【Te tuebor from O】と記しておいた。

真琴には言わないが【君を守るのは俺だ】の意味を込めてプレートに刻印して貰った。


頸部分にあたる場所の厚みのある金属のプレートは、一度つけたら、番か若しくは私か奏以外の人間には外す事が出来ない様な特殊な加工がされていることを説明した。

すると真琴は意を決した様に、ネクタイを抜き取りYシャツのボタンを３つ外し、俺に背を向けて来た。
Ωである事を隠しきれない状況に、苦しんだのだろう…
その想いを汲んでやれないが、『運命の番』として、一生お前だけを思っていると伝えれない俺の思いをトップのプレートにそっと口ずけて込めた。

俺は無言で、

カチャカチャ

と無機質な金属音をさせて、真琴はオメガの象徴であるネックガードを初めて身につけたのだった。

そして、頸部分の厚みのある金属プレートには、特殊な装置が埋め込まれており、指紋認証で解錠できる様になっている事と、皮の様に見える素材は皮では無い通気性、耐久性に優れている新素材である事を伝えた。

今日は、外科のカンファレンスとざっと院内のオリエンテーションをしようと思い、スクラブへの更衣について説明し仮眠室へと案内した。