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新たな生活
ネックガード
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「あぁ、そうそう、約束してたネックガード届いてますよ。それに、舞が薬を持って来てくれましたよ。まだ、検査データが全て揃っていないらしいので、取り敢えず、ホルモンの調節をする為にホルモン剤の服用から始めるそうです。真琴先生の場合は、ホルモン値がかなり低いので、2種類の薬剤の併用をするそうだ。今日から毎日朝、必ず2錠と1錠服用する様にと言っていた。何か体調にいつもと違うことがあれば、早めに言って欲しいと舞が言っていた。副作用の可能性もあるそうだからな…。」
と言って、ベルベッド素材のジュエリーで出来たネックレスでも入っているかの様な箱を手にして僕の方へやって来た。
まるで、プロポーズを受けるみたいな気分だ…
理先生は側に来ると、恭しくケースを開いた。
ケースには、厚めの皮?で出来た黒のチョーカーの様にも見えるデザインのネックガードが入っていた。
チョーカーの様な…とイメージは、トップにシルバーに輝くプレートの様な物が付いていたからだ。
そのプレートには、【Te tuebor from O】と記されていた。
頸部分にあたる場所にも厚みのある金属のプレートの様なものがあった。
「一度つけたら、番か若しくは私か奏以外の人間には外す事が出来ない様な特殊な加工がされている。」
と説明を受けた。
僕は意を決して、ネクタイを抜き取りYシャツのボタンを3つ外しネックガードを着けやすい様にし理先生に背を向けた。
意図した事を読んでくれたのだろう…、理先生は無言で優しい手付きでネックガードを装着してくれた。
カチャカチャ
と無機質な金属音がし、僕はオメガの象徴であるネックガードを初めて身につけたのだった。
理先生曰く、Saegusa medicalと司波総合医療センターの英知を結集した初の共同開発製品のプロト版だそうだ。
頸部分の厚みのある金属プレートには、特殊な装置が埋め込まれており、指紋認証で解錠できる様になっているそうだ。皮の様に見える素材は皮では無い通気性、耐久性に優れている新素材だそうだ。
「着替える場所なんだが、生憎外科医局内にはオメガ専用のロッカールームは無いので、この部屋の続きにある仮眠室にロッカーを準備したからそこで着替えると良い。救命に勤務する日は、奏の医長室にも同じ様に仮眠室が併設されているから、そこにロッカーを準備すると言っていたからそこを使って。一応、ドクターコートも用意しておいたけど使用は自由にしてくれたら良い。着替えが済んだら、外科カンファレンスが始まるから行こう。」
と言われ、仮眠室へと誘導された。
きちんと鍵がセットされた1人用のロッカーが設置されていた。
ロッカーを開け、奏先生から渡された紙袋からスクラブを一組出し、背負っていたリュックから持って来たハイネックのシャツを一枚取り出した。スーツのジャケットとYシャツを脱ぎ、ロッカーの中に掛かっていたハンガーに重ねてかけた。スラックスを脱ぎ、別のハンガーに掛けズボンを履く。ハイネックのシャツを着てズボンのウエストの紐をしっかり締めて括った。スクラブをその上に羽織り、少し肌寒いので、準備されていたドクターコートを羽織った。リュックの中から、準備していた聴診器や筆記用具をスクラブの左右にあるポケットに納めた。胸ポケットには、ペンライトとボールペンを2本納め準備を終えた。
ハイネックのシャツの襟元とドクターコートの襟のお陰で、ネックガードは殆ど目立たない状態になっていた。
と言って、ベルベッド素材のジュエリーで出来たネックレスでも入っているかの様な箱を手にして僕の方へやって来た。
まるで、プロポーズを受けるみたいな気分だ…
理先生は側に来ると、恭しくケースを開いた。
ケースには、厚めの皮?で出来た黒のチョーカーの様にも見えるデザインのネックガードが入っていた。
チョーカーの様な…とイメージは、トップにシルバーに輝くプレートの様な物が付いていたからだ。
そのプレートには、【Te tuebor from O】と記されていた。
頸部分にあたる場所にも厚みのある金属のプレートの様なものがあった。
「一度つけたら、番か若しくは私か奏以外の人間には外す事が出来ない様な特殊な加工がされている。」
と説明を受けた。
僕は意を決して、ネクタイを抜き取りYシャツのボタンを3つ外しネックガードを着けやすい様にし理先生に背を向けた。
意図した事を読んでくれたのだろう…、理先生は無言で優しい手付きでネックガードを装着してくれた。
カチャカチャ
と無機質な金属音がし、僕はオメガの象徴であるネックガードを初めて身につけたのだった。
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頸部分の厚みのある金属プレートには、特殊な装置が埋め込まれており、指紋認証で解錠できる様になっているそうだ。皮の様に見える素材は皮では無い通気性、耐久性に優れている新素材だそうだ。
「着替える場所なんだが、生憎外科医局内にはオメガ専用のロッカールームは無いので、この部屋の続きにある仮眠室にロッカーを準備したからそこで着替えると良い。救命に勤務する日は、奏の医長室にも同じ様に仮眠室が併設されているから、そこにロッカーを準備すると言っていたからそこを使って。一応、ドクターコートも用意しておいたけど使用は自由にしてくれたら良い。着替えが済んだら、外科カンファレンスが始まるから行こう。」
と言われ、仮眠室へと誘導された。
きちんと鍵がセットされた1人用のロッカーが設置されていた。
ロッカーを開け、奏先生から渡された紙袋からスクラブを一組出し、背負っていたリュックから持って来たハイネックのシャツを一枚取り出した。スーツのジャケットとYシャツを脱ぎ、ロッカーの中に掛かっていたハンガーに重ねてかけた。スラックスを脱ぎ、別のハンガーに掛けズボンを履く。ハイネックのシャツを着てズボンのウエストの紐をしっかり締めて括った。スクラブをその上に羽織り、少し肌寒いので、準備されていたドクターコートを羽織った。リュックの中から、準備していた聴診器や筆記用具をスクラブの左右にあるポケットに納めた。胸ポケットには、ペンライトとボールペンを2本納め準備を終えた。
ハイネックのシャツの襟元とドクターコートの襟のお陰で、ネックガードは殆ど目立たない状態になっていた。
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