34 / 102
Ωの性
結果
しおりを挟む
ーside 真琴ー
あれっ?何だかふわふわしてして夢見てるみたいだ…
そう感じていたが、徐々に目が覚めて来た。
左腕を見ると、留置針が刺さっていて点滴をされている。
足元の方でガサガサ、ガチャガチャと金属音がしている。
「あのぁ~、舞先生?」
恐る恐る声を出せば、
「あ、真琴先生目が覚めた?ちょっと待ってて、洗浄済ませちゃいたいから…」
と返事があり、流水の音が聞こえた。
暫くして、カーテンが開き舞先生がやって来た。
「気分悪く無い?」
と聞かれ
「大丈夫です。痛みとかも無いし…」
と返事をした。
「点滴、もう抜いても良さそうね。針抜いたら、検査着脱いで暫く診察室のベッドで休んでて。検査結果を伝えるけど、司馬先生達には同席してもらう?」
確認をされたので、
「そうですね。同席してもらってた方が今後の事もありますし良いでしょうね。」
と返した。舞先生は、留置針を抜きながら、
「解ったわ。司馬先生には私からここに戻って来る様に連絡を入れるから、真琴先生は休んでて。」
と言ってくれた。
舞先生がカーテンの向こうに行ったのを確認して、ベッド状態になった内診台から立ち上がりボクサーパンツを履いて検査着を脱いだ。ズボンを履くと、足元にしっかり布地がある幸せを感じた。
ドアを開けて診察室のベッドに横になって休ませてもらっていると、舞先生がやって来た。
「真琴先生、理先生の論文の共同研究者に参加したんだって?あの論文、私も共同研究者なのよねぇ~。これから顔を合わす事が増えると思うから宜しくね。」
と、言われた。聞けば、共同研究者入りを承諾して直ぐに同じ共同研究者達にグループLI○Eで連絡をしていたそうだ。麻酔自体は30分程経てばほぼ覚醒するそうだが、まだ何処と無くぼーっとした感じが残っている。
理先生達は、センター長を勤めているお兄さんの所に行っていたらしく、もう少し話にキリが付かないそうで戻るには少し時間がかかると言われたそうだ。舞先生が、
「司馬先生達が帰って来たら起こすから、少し休んだら良いわ。私は、隣の診察室で論文読ませてもらうから何かあったら声かけて。」
と、言い診察室のカーテンを閉めて行った。
どのくらい眠っていただろうか…、気付くと目の前には理先生が心配そうな表情で僕の顔を見ていた。
「あ、真琴先生目が覚めたみたいね。」
舞先生がデスクから振り返って言う。時計を見れば、30分程眠っていた様だった。
「すいません。」
と僕が言うと、
「大丈夫よ。理先生達もついさっき戻って来たばっかりだし。真琴先生は、悪く無いわよ。」
と舞先生が悪態をつく。
「じゃ、検査結果を伝えるわね。」
と医師の顔付きになった。
僕は、ベッドから起き上がり、椅子に座る。
「簡易の血液検査データだから正確な値は後日聖心に届く様に手配するけど、ホルモンの数値はやはり若干低めね。抑制剤の影響もあるかも知れないから、抑制剤を変えて服用方法も変えてみようと思うの。このままだと、突然の発情を繰り返す恐れがあるわ。そうね、月曜日には薬を揃えて奏に渡しておくわ。飲み方も、奏に伝えておくから間違えない様に飲んで見て。それと、今服用している薬は、今日から休薬しておいて。もしもの時のために、緊急抑制剤を渡しておくから自分で打って。即効性を求めるなら静脈注射が好ましいけど、皮下注射でも効果はあるわ。多少、効果が出るまで時間は掛かるけども、内服よりは断然早いから。」
と言い、箱に入った緊急抑制剤の注射キットを2箱引き出しから取り出しデスクの上に置いた。
「分かりました。」
と返すと、今度はパソコンを操作し、モニターの画面に超音波と内視鏡の画像を出した舞先生。
「ちょ、舞、お前超音波と内視鏡の検査までやったのかよ!」
ちょっと怒り気味に奏先生が食ってかかった。舞先生は、
「奏先生、真琴先生は今まで検査っていう検査を受けてなかったの。発情後の緊急抑制剤投与後48時間がΩの子宮が降りて来ているリミット。必要な検査を受けてもらって、問題があれば適切な治療をするのが医師の務めですもの。これから先、もし真琴先生に『番』が出来たとして、子供が出来なかったらどうするの?まぁ、子供が出来なくても問題なければそれは番同士の自由だけど、きっと自分の子供を抱きたいと思うはずだわ。だから、それが叶う様に治療をするために必要と判断したの。真琴先生も、了承の上で検査は行っているから問題はないわ。」
と答えると、奏先生は、
「そうか…」
と言い押し黙ってしまった。
「超音波と内視鏡検査の結果は、ホルモン値が低い事も関連してるかも知れないけど、少し未熟な感じね。これは、ホルモン剤の服用で改善できると思うから心配いらないわ。ただ、ホルモン剤の服用でさらに発情の周期が乱れる事があるから気をつけてね。他は、特に問題はなかったわ。」
と説明をしてくれた。
「舞先生、ありがとうございました。」
頭を下げると、
「いえいえ、何度か今後も検査をする必要があるから、主治医として経過は見させてね。」
と言われ、僕は頷いた。
「今日は、これでおしまいよ。静脈麻酔してるから今日は念のため車の運転と飲酒は控えてね。」
と言われ、机に置かれた緊急抑制剤を手にした。
「あ、理先生はちょっと残って。少し、論文のことで聞きたい事があるの。」
と舞先生は理先生を呼び止めた。
あれっ?何だかふわふわしてして夢見てるみたいだ…
そう感じていたが、徐々に目が覚めて来た。
左腕を見ると、留置針が刺さっていて点滴をされている。
足元の方でガサガサ、ガチャガチャと金属音がしている。
「あのぁ~、舞先生?」
恐る恐る声を出せば、
「あ、真琴先生目が覚めた?ちょっと待ってて、洗浄済ませちゃいたいから…」
と返事があり、流水の音が聞こえた。
暫くして、カーテンが開き舞先生がやって来た。
「気分悪く無い?」
と聞かれ
「大丈夫です。痛みとかも無いし…」
と返事をした。
「点滴、もう抜いても良さそうね。針抜いたら、検査着脱いで暫く診察室のベッドで休んでて。検査結果を伝えるけど、司馬先生達には同席してもらう?」
確認をされたので、
「そうですね。同席してもらってた方が今後の事もありますし良いでしょうね。」
と返した。舞先生は、留置針を抜きながら、
「解ったわ。司馬先生には私からここに戻って来る様に連絡を入れるから、真琴先生は休んでて。」
と言ってくれた。
舞先生がカーテンの向こうに行ったのを確認して、ベッド状態になった内診台から立ち上がりボクサーパンツを履いて検査着を脱いだ。ズボンを履くと、足元にしっかり布地がある幸せを感じた。
ドアを開けて診察室のベッドに横になって休ませてもらっていると、舞先生がやって来た。
「真琴先生、理先生の論文の共同研究者に参加したんだって?あの論文、私も共同研究者なのよねぇ~。これから顔を合わす事が増えると思うから宜しくね。」
と、言われた。聞けば、共同研究者入りを承諾して直ぐに同じ共同研究者達にグループLI○Eで連絡をしていたそうだ。麻酔自体は30分程経てばほぼ覚醒するそうだが、まだ何処と無くぼーっとした感じが残っている。
理先生達は、センター長を勤めているお兄さんの所に行っていたらしく、もう少し話にキリが付かないそうで戻るには少し時間がかかると言われたそうだ。舞先生が、
「司馬先生達が帰って来たら起こすから、少し休んだら良いわ。私は、隣の診察室で論文読ませてもらうから何かあったら声かけて。」
と、言い診察室のカーテンを閉めて行った。
どのくらい眠っていただろうか…、気付くと目の前には理先生が心配そうな表情で僕の顔を見ていた。
「あ、真琴先生目が覚めたみたいね。」
舞先生がデスクから振り返って言う。時計を見れば、30分程眠っていた様だった。
「すいません。」
と僕が言うと、
「大丈夫よ。理先生達もついさっき戻って来たばっかりだし。真琴先生は、悪く無いわよ。」
と舞先生が悪態をつく。
「じゃ、検査結果を伝えるわね。」
と医師の顔付きになった。
僕は、ベッドから起き上がり、椅子に座る。
「簡易の血液検査データだから正確な値は後日聖心に届く様に手配するけど、ホルモンの数値はやはり若干低めね。抑制剤の影響もあるかも知れないから、抑制剤を変えて服用方法も変えてみようと思うの。このままだと、突然の発情を繰り返す恐れがあるわ。そうね、月曜日には薬を揃えて奏に渡しておくわ。飲み方も、奏に伝えておくから間違えない様に飲んで見て。それと、今服用している薬は、今日から休薬しておいて。もしもの時のために、緊急抑制剤を渡しておくから自分で打って。即効性を求めるなら静脈注射が好ましいけど、皮下注射でも効果はあるわ。多少、効果が出るまで時間は掛かるけども、内服よりは断然早いから。」
と言い、箱に入った緊急抑制剤の注射キットを2箱引き出しから取り出しデスクの上に置いた。
「分かりました。」
と返すと、今度はパソコンを操作し、モニターの画面に超音波と内視鏡の画像を出した舞先生。
「ちょ、舞、お前超音波と内視鏡の検査までやったのかよ!」
ちょっと怒り気味に奏先生が食ってかかった。舞先生は、
「奏先生、真琴先生は今まで検査っていう検査を受けてなかったの。発情後の緊急抑制剤投与後48時間がΩの子宮が降りて来ているリミット。必要な検査を受けてもらって、問題があれば適切な治療をするのが医師の務めですもの。これから先、もし真琴先生に『番』が出来たとして、子供が出来なかったらどうするの?まぁ、子供が出来なくても問題なければそれは番同士の自由だけど、きっと自分の子供を抱きたいと思うはずだわ。だから、それが叶う様に治療をするために必要と判断したの。真琴先生も、了承の上で検査は行っているから問題はないわ。」
と答えると、奏先生は、
「そうか…」
と言い押し黙ってしまった。
「超音波と内視鏡検査の結果は、ホルモン値が低い事も関連してるかも知れないけど、少し未熟な感じね。これは、ホルモン剤の服用で改善できると思うから心配いらないわ。ただ、ホルモン剤の服用でさらに発情の周期が乱れる事があるから気をつけてね。他は、特に問題はなかったわ。」
と説明をしてくれた。
「舞先生、ありがとうございました。」
頭を下げると、
「いえいえ、何度か今後も検査をする必要があるから、主治医として経過は見させてね。」
と言われ、僕は頷いた。
「今日は、これでおしまいよ。静脈麻酔してるから今日は念のため車の運転と飲酒は控えてね。」
と言われ、机に置かれた緊急抑制剤を手にした。
「あ、理先生はちょっと残って。少し、論文のことで聞きたい事があるの。」
と舞先生は理先生を呼び止めた。
2
お気に入りに追加
719
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
お兄ちゃんはお医者さん!?
すず。
恋愛
持病持ちの高校1年生の女の子。
如月 陽菜(きさらぎ ひな)
病院が苦手。
如月 陽菜の主治医。25歳。
高橋 翔平(たかはし しょうへい)
内科医の医師。
※このお話に出てくるものは
現実とは何の関係もございません。
※治療法、病名など
ほぼ知識なしで書かせて頂きました。
お楽しみください♪♪
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる