Words of love 〜αとΩ番の誓い〜

浅葱

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Ωの性

Ω外来

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やっと自分が置かれている自体が把握できた僕は、

「舞先生、お手数かけてすみません。」

と頭を下げる。舞先生は、そんな僕に優しく笑って患者用の椅子を勧めてくれた。
僕の背後にいる奏先生と理先生には、

「しっしっつ!ヤロー共はセンター長室だろうがカフェだろうが何処でもいいから出て行きやがれ!」

って、追っ払う仕草をしながら診察室から2人を追い出した。
僕がΩ外来という場所に来るのはこれで2回目…。
初めては、学校で行われた性個体の判別検査で僕がΩと分かって直ぐの10歳の時。
それ以降は、Saegusaの検査機器でホルモン値を含め確認して懇意にしているΩ専門医の先生から薬を貰っていた。キャロライン教授の下で働いていた時は、唯一家族以外で僕がΩであることを知っているキャロライン教授自らが検査や抑制剤の処方をしてくれていた。
だから、本格的なΩ外来と言うのは、実際の所初めてに等しいのだ…。

「真琴先生、先生のデータって、ひょっとしてブロックかけてますか?」

舞先生に聞かれる。

この世界では、ΩのみΩと判別されて以降の検査についてのデータは、Ωを管轄する厚生省のΩ管理部署のデータバンクで厳重に管理されている。僕の場合は、Saegusaのデモ機で個人的に検査をしていたり、キャロライン教授が秘密裏に検査をしてくれていたお陰でそのデータバンクには最初のデータしかないハズだ。

舞先生に、正直に事の真相を話すと、

「経過が解らないから、出来ればロック解除するかデータを見せてもらえると助かる。抑制剤の服用って、成人してからの方が微量の調整とかが必要になってくるのよ。年々薬も進化して来てるし、抑制作用は高くて副作用が低い薬も結構あるのよ。」

と言われ、データ自体個人管理していたので、スマホでデータを舞先生に見せた。

「最近は検査してないんだ…。昨日、発情ヒートが起こって以降は今の所症状はないかしら?」

と尋ねられた。
僕は、

「そうですね、ありませんね。」

と答えた。

「最初の発情ヒートって、何歳くらいの頃に来たか覚えてますか?」

聞かれると思っていた質問が飛んで来た。

「あ~、大学3年の時だから19か20歳の頃かな?」

と答えると、

「Kallmann症候群の一種か、単なる性的未成熟なのか判別しにくい所だった感じね…。発情ヒートの周期は順調かしら?」

と返される。

「不順ですね。定期的に3ヶ月間隔でくる事もあれば、半年以上ない事もあります。」

と返した。
すると、舞先生は少し考えて口を開いた。

「真琴先生、もしよかったらなんだけど一度内診してみない?Ωは発情ヒートの時には子宮が出来ておりてくるのは知ってるわよね?突然起こった発情ヒートで降りて来た子宮の場合、緊急抑制剤の投与後48時間程度は降りて来たままと言われているわ。昨日、発情ヒートが起こっている真琴先生の子宮はまだ降りた状態であると思われるの…。エコー検査と併せて内診で子宮の発育状態を確認した方が今後のことも考えるといいと思うから、検査を勧めるけどどうする?内診の検査は静脈麻酔をして行うわ。その方が、先生も恥ずかしくなくっていいでしょ?」

と言われた。

きっといつかは受けなければならないであろう検査…、タイミングも良さそうなので僕は検査を受けることに承諾をした。
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