Words of love 〜αとΩ番の誓い〜

浅葱

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帰国

心強い助っ人

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ーside 理ー

この何週間も疲労困憊になる程に探し続けていた論文が今目の前にある…。
しかも、それを提示したのは愛しい番…

画面をスクロールして内容を読んで行く。
答えあわせの様に、パーツが揃って行く感覚だ…

クルリと振り返り、ガバッと力強く真琴を抱きしめた。

「ちょ、ちょ、ちょっと……理先生っ…」

顔を真っ赤にしながら慌てふためく真琴。

「真琴先生っ、やっぱり君は凄いよ…。」

耳元で囁くと、途端に真っ赤になる真琴。
俺の抱きしめている腕の拘束を振りほどき

「で、でも…、この論文は学会の倫理審査中なのであくまでも参考程度にしか使えないんです。それに、共同研究者のキャロライン教授に使用許可も取らなくてはならない。きっと、キャロライン先生は許可をくださると思いますが、学会の審査が通らない限り引用参考文献としては使用が出来ない…。なので…」

と言い、今度はUSBケースから一つのUSBを取り出しノートパソコンに接続させた。
画面に映るファイルには、膨大な量の文献のタイトルが表示された。
真琴から

「論文を書くために集めた文献です。これらは、既に倫理審査も通っているので問題なく使えると思うのでデータをコピーされますか?」

と聞かれる。

「あぁ、ぜひ頼む…、それとこの論文の共同研究者に入ってくれないだろうか?他の診療領域のスタッフとの共同研究でもあるんだが、そのメンバーには奏も入っている。論文を完成させるまでに、もし君とキャロライン教授の論文が審査を通った場合はキャロライン教授ともコンタクトを取りたいことも出てくる。それに、その論文を完成した人間が側に居るのにメンバー入りしていないなんて有り得ない事だ!win-winの関係とまでは行かないと思うが、お互いのメリットもある。もっぱら、私達の方に有益が大きいが…。」

と投げかける。
昨夜の真琴からの熱い告白を聞いている。贖えないはずだ…

「良いですよ。」

真琴は、俺のノートパソコンにUSBをつなげ直しながら、素直な返事を返してきた。更に、

「取り敢えず、理先生達でこの文献を読んで頂いて、使える物かそうでない物かの仕分けをして下さい。僕の方でも、キャロライン教授にコンタクトを取って論文の審査状況や新たな論文、研究が進められていないかの情報を集めます。頑張って、読み込んで下さいね。300は有りますから、当分は英語漬けになると思いますけど…」

と爆弾を落としていった。
 abstract要旨だけ読んでも300はかなりの数になる…。
ましてや、論文の引用参考にするならば内容を読み込むことは必要不可欠な事だ。

「し、死ぬわ…」

奏がゲッソリとしていた。
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