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帰国
泥酔からの思わぬ告白
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店主が、升にコップが入った日本酒と琥珀色の液体の入ったグラスにノンアルコールのビールが入ったグラスが乗ったトレーを手にして戻って来た。
傍らには、今日の食材と小さな瓶を持った男性を従えていた。
「はい、お待ちどうさま。」
注文した品を置きながら、
「あ、こいつは俺の息子で今、修行させてる所なんです。」
ペコリと頭を下げる息子さん。
息子さんが手にしていた瓶を受け取ると、僕の前にドンッと置き、
「これは、私からのお祝いです。真琴先生、お帰りなさいませ。」
と言われる。瓶には獺祭梅酒とラベルが貼られていた。
「さ、今日は腕によりをかけて調理させて頂きますので、堪能して行ってください。」
と言う店主の声。
理先生がビールのグラスを手にしたので慌てて僕もグラスを手にする。
「真琴先生、ようこそ聖心大学付属病院へ。」
と、グラスを合わせて来る。横から、升ごとグラスを掲げる奏先生ともグラスを合わせる。
「宜しくお願いします。」
と言い、グラスに注がれている琥珀色の液体を喉に流し込んだ…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そのあとは、店主が揚げる美味しい旬の山菜や魚介類、野菜の天ぷらを堪能した僕…。最初に来た時に魅入られた、さつまいもの天ぷらも堪能した。
奏先生に勧められるままに、色々な日本酒を何杯目になるか分からない程呑んでしまった僕。
緊急事態や急な発情も関係して疲れていたのだろうか、酔っ払ってしまった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーside 理ー
「かなでしぇんしぇい、きいてましゅかぁ~?」
呂律が回らず、舌ったらずな甘え口調で奏に絡んでいく真琴先生。絡んでいく…というよりは、本来の姿を解放しているようにも見えて愛おしい。
「雅塚さん、チェイサーをお願いしても良いですか?それとチェックをお願いします。」
流石にこれ以上飲ませるのは、危険と思い注文しながらカードを渡す俺。
それに反し、
「はいはい、聞いてますよ。真琴先生…」
駄々っ子を扱う様に、スルリと躱す奏。そして、
「真琴センセ、これでも飲んで落ち着いて…」
置かれた氷入りの水を奏がさりげなく勧めると、グラスを傾けて中に入っている水を飲もうとして口の端から幾ばくか溢れ出る…。
「あぁ~あぁ~、子供じゃないんだから溢さない!」
奏が呟いているうちに溢れた水は、顎を伝って首から胸元にかけて垂れていく。妖艶な姿だ。
奏がおしぼりを持って口元を拭いてやっている。
「ちゅんたい…」
「真琴先生、ちょっと酔っ払い過ぎちゃいましたね。首元拭きますよ。」
先に断りを入れてから、オシボリで拭くと、目があった。
「おしゃむしぇんしぇいだ…。いままで…だれにみょ…いっちゃこと…にゃいでしゅけど…ぼくねぇ~あなたにしゅっごくあこがれてたんでしゅ…。しぇんしぇいが…じゅんかんきのみちに…しゅしゅまれた…ってきいたから…ぼくは…しんじょうけっかんげかのみちに…しゅしゅんだ…んでしゅ…」
思いがけない突然の告白に、唯々驚いて真っ赤になったのは俺だった。
「コレ、きっと酔いが覚めたら酔ってた間の事はぜ~んぶ忘れてるパターンの典型っぽいね…。」
奏が深い溜め息と共に呟く。
「あぁ…。多分な…。」
そう答えるのが精一杯だった。
傍らには、今日の食材と小さな瓶を持った男性を従えていた。
「はい、お待ちどうさま。」
注文した品を置きながら、
「あ、こいつは俺の息子で今、修行させてる所なんです。」
ペコリと頭を下げる息子さん。
息子さんが手にしていた瓶を受け取ると、僕の前にドンッと置き、
「これは、私からのお祝いです。真琴先生、お帰りなさいませ。」
と言われる。瓶には獺祭梅酒とラベルが貼られていた。
「さ、今日は腕によりをかけて調理させて頂きますので、堪能して行ってください。」
と言う店主の声。
理先生がビールのグラスを手にしたので慌てて僕もグラスを手にする。
「真琴先生、ようこそ聖心大学付属病院へ。」
と、グラスを合わせて来る。横から、升ごとグラスを掲げる奏先生ともグラスを合わせる。
「宜しくお願いします。」
と言い、グラスに注がれている琥珀色の液体を喉に流し込んだ…
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そのあとは、店主が揚げる美味しい旬の山菜や魚介類、野菜の天ぷらを堪能した僕…。最初に来た時に魅入られた、さつまいもの天ぷらも堪能した。
奏先生に勧められるままに、色々な日本酒を何杯目になるか分からない程呑んでしまった僕。
緊急事態や急な発情も関係して疲れていたのだろうか、酔っ払ってしまった。
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ーside 理ー
「かなでしぇんしぇい、きいてましゅかぁ~?」
呂律が回らず、舌ったらずな甘え口調で奏に絡んでいく真琴先生。絡んでいく…というよりは、本来の姿を解放しているようにも見えて愛おしい。
「雅塚さん、チェイサーをお願いしても良いですか?それとチェックをお願いします。」
流石にこれ以上飲ませるのは、危険と思い注文しながらカードを渡す俺。
それに反し、
「はいはい、聞いてますよ。真琴先生…」
駄々っ子を扱う様に、スルリと躱す奏。そして、
「真琴センセ、これでも飲んで落ち着いて…」
置かれた氷入りの水を奏がさりげなく勧めると、グラスを傾けて中に入っている水を飲もうとして口の端から幾ばくか溢れ出る…。
「あぁ~あぁ~、子供じゃないんだから溢さない!」
奏が呟いているうちに溢れた水は、顎を伝って首から胸元にかけて垂れていく。妖艶な姿だ。
奏がおしぼりを持って口元を拭いてやっている。
「ちゅんたい…」
「真琴先生、ちょっと酔っ払い過ぎちゃいましたね。首元拭きますよ。」
先に断りを入れてから、オシボリで拭くと、目があった。
「おしゃむしぇんしぇいだ…。いままで…だれにみょ…いっちゃこと…にゃいでしゅけど…ぼくねぇ~あなたにしゅっごくあこがれてたんでしゅ…。しぇんしぇいが…じゅんかんきのみちに…しゅしゅまれた…ってきいたから…ぼくは…しんじょうけっかんげかのみちに…しゅしゅんだ…んでしゅ…」
思いがけない突然の告白に、唯々驚いて真っ赤になったのは俺だった。
「コレ、きっと酔いが覚めたら酔ってた間の事はぜ~んぶ忘れてるパターンの典型っぽいね…。」
奏が深い溜め息と共に呟く。
「あぁ…。多分な…。」
そう答えるのが精一杯だった。
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