【R18】きみを抱く理由

さくら蒼

文字の大きさ
上 下
73 / 81
番外編:お風呂できみを抱く理由

しおりを挟む
「……っ、ん」

 自分から足を開いて豊さんを受け入れる。
 お湯とは違う確かな水気がその指にまとわりついたのがわかった。

「……ちょっとだけ? これが?」
「さっ……き……」

 敏感な場所をいじられながら、豊さんに訴える。

「写真……撮られてるって思ったら……んっ……見られてるわけじゃない、のに……身体……熱くて……」
「へえ」
「んっ……」

 泡で身体は隠れていた。
 見えていたらきっとわかっただろう。どれだけ私が豊さんの視線に反応して、火照っていたのか。

「たまには……じゃないですから……」
「…………」
「……いつも、してほしいです」
「そういうのを殺し文句って言うんだからな」

 腰を掴まれて、軽く身体を浮かされる。
 あてがわれたそれが私の一番触れてほしい場所に重なった。

「ん……んっ……」

 突き入れられる前に自分から腰を落とす。
 ゆっくり滑るように中へ潜り込んだそれを、他の誰にも触れさせたことのない場所まで導いた。

「ん、ぁっ……」

 揺さぶられてパシャパシャと水音が響く。
 さっきまでしていた撮影のようだとどこか遠いところで思った。

「っ……あっ……んあっ……あ……っ……」

 満たされていく思いに声が漏れる。
 浴室に反響するのが、これ以上ないほど恥ずかしい。
 それに気付いたのか、豊さんが背後で笑う。

「声、抑えた方がいいんじゃないのか」
「じゃ、あ……動くの……やめて……ぅ、あっ」
「じゃあ君も煽るのをやめてくれ。興奮する」

 より深く、さっきよりも硬くなったものが突き進んでは引き抜かれる。
 興奮している、というのが嘘ではないと私に知らしめるようだった。

「あっ……あ、んっ……あっ……!」
「志保」

 かすれた声に呼ばれて振り返る。
 そんな不自由な体勢のまま、顎を掴まれて口付けられた。

「んん……ん、んーっ……んっ……」

 律動は止まない。
 声を封じたまま、豊さんは私を責め続ける。

「っ……は……ん、ぅ……んっ……」

 舌を絡められて眩暈がした。
 上も、下も、豊さんで満たされていっぱいにされてしまう。

「……気持ちいい?」

 知っているくせに、わざわざ聞いてくる。
 けれど、それに文句を言っている余裕はなかった。
 こくこくと頷いて、豊さんに与えられるすべてを全身で感じようとする。

「俺も、いい」

 短い返答のあと、一度引き抜かれる。
 あっと声を上げる前に身体の向きを変えられ、今度は向かい合った状態で貫かれた。

「あっ……」

 座った豊さんの上に座るなんて、ここがベッドなら重いのではないかと心配になるところだった。
 それもあっていつも少し集中できずにいる――とはいえ、やっぱり頭の中も溶かされる結果に終わる――けれど、今日はそれがない。
 だから遠慮なく抱き締めさせてもらった。

「っ……なんだ」

 それが予想外だったらしく、驚いた反応を見せられる。
 ときどき、そういう予想もしていなかったかわいい反応を見せてくれるところが、あまりにも好きすぎた。

「今日……いっぱい……抱き締めて、も……重くないですよね……?」

 既にこんなにも密着しているのに、まだ足りなくて豊さんに腰を押し付ける。
 ぐり、と私の中で豊さんが更に深くを抉った。

「くっつき……たくて……好き……んっ……」
「……俺の方がのぼせそうだ」

 私が望んでいたことを叶えるように、豊さんが唇を塞いでくれる。
 隙間なく重なり合って、多幸感に包まれた。

「ゆた……か……さっ……あっ……んっ……」
「好き、は?」
「好き……好き、です……好き……」

 たくさん伝えた分だけ、豊さんは私に甘い快感を与えてくれる。
 それが欲しくて、もっと愛情を感じたくて、何度もうわごとのように囁いた。
 なぜか、ふ、と苦笑される。
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる

Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。 でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。 彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。

月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~

真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。

元彼にハメ婚させられちゃいました

鳴宮鶉子
恋愛
元彼にハメ婚させられちゃいました

粗暴で優しい幼馴染彼氏はおっとり系彼女を好きすぎる

春音優月
恋愛
おっとりふわふわ大学生の一色のどかは、中学生の時から付き合っている幼馴染彼氏の黒瀬逸希と同棲中。態度や口は荒っぽい逸希だけど、のどかへの愛は大きすぎるほど。 幸せいっぱいなはずなのに、逸希から一度も「好き」と言われてないことに気がついてしまって……? 幼馴染大学生の糖度高めなショートストーリー。 2024.03.06 イラスト:雪緒さま

ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~

菱沼あゆ
恋愛
念願のランプのショップを開いた鞠宮あかり。 だが、開店早々、植え込みに猫とおばあさんを避けた車が突っ込んでくる。 車に乗っていたイケメン、木南青葉はインテリアや雑貨などを輸入している会社の社長で、あかりの店に出入りするようになるが。 あかりには実は、年の離れた弟ということになっている息子がいて――。

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。 そこで私は一人の男の人と出会う。 「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」 そんな言葉をかけてきた彼。 でも私には秘密があった。 「キミ・・・目が・・?」 「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」 ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。 「お願いだから俺を好きになって・・・。」 その言葉を聞いてお付き合いが始まる。 「やぁぁっ・・!」 「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」 激しくなっていく夜の生活。 私の身はもつの!? ※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 では、お楽しみください。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

処理中です...