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ラブストーリーは始まったばかり

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私は、都心にあるオシャレだと云われている大学に通う、浅田リサ

大学生になって付き合い始めた彼はK 大に通う、田辺真一。うちの大学よりレベルのランクが高いから、かなり頭が良いと思う。

知り合ったのは、友達のつてで集まった、つまりは、合コン。付き合ってもう半年になる。


私は、ツンデレ彼の事がどうしようもなく好きだったの。音楽、ゲーム、アニメ、本色んな事を知っているから、一緒にいてとても楽しかったし、沢山デートもした。
でも、実際彼が好きなのは、私なのかそれとも彼の所属するK大文芸サークルで一緒のトモコさんなのか、良くわからなかった。



私達は、些細な勘違いから良く喧嘩 をしたけど、喧嘩するといつも決まって、彼はトモコさんと2人だけで会っていたのだ。相談してた?それはないはず。人に相談するタイプではないから。やっぱりおかしい。絶対トモコさんに気があるとしか思えない。

「ただのサークル仲間だよ」って言うけど。



それに、私、この前の喧嘩以来、Twitterブロックされてるんだ、あり得ないんだけど……

私に見られたら困る様なtweetしてるんだと思うのよね、きっと。そうじゃなきゃ、そんな事普通する?トモコさんは、どうだかわかんないけど、彼は多分好きなんだと思うんだ。


「焼きもち妬きすぎだろ、めんどくせーな」


なんていつも誤魔化しちゃてさ。
どっちがめんどくさいのかな。
私がその事を気にしているのわかってるくせに……


だから、もう辞めにするって決めた。

だって、私はずっと一途だったのに、何度もこんな状況が続いて、精神的に辛くなったから。


彼に比べたら、絶対私の方がモテたはずだし、みんなが憧れるあの先輩に告白されてもきっぱりと断わったのに、なんで、彼を選んじゃたのかなって今更後悔してる。楽しかった思い出が無かった訳でもないんだけど……


でも、もう、いいや。そう思ったらどうでも良くなった。ホント馬鹿みたい。だから今更真相が分からなくても……

気になるは、気になるかも────

白黒した方がスッキリ出来たかもしれないし……






今隣にいるのは、同じ大学のクラスメイト。篠崎蓮くん。入学した時からずっと私の事だけを想ってくれた優しい彼。

薄々は、彼の気持ちに気付いていたんだけど、その時は、元彼に夢中だったから、気付かない振りをしてた。それに、彼の方から何か言うはずがないと、勝手に思い込んでいたから。そんな事、絶対言わないって人だと。

それに甘えて過ごしていた事には、なんか後ろめたさを感じていた。騙していたつもりもないし、彼はすべてを把握していたから、

でも、澄んだ瞳で見つめられる時は、いつも胸がぎゅっとなった。

そして、元彼との話をじっと訊いてくれていた。申し訳なかったと思う。気持ちを知ってたのに。意地悪だったよね……ごめんね。




そう、それでね、元彼と別れてから、前より仲良くなって、本当に優しい彼の事が好きになったから、私から、告白しちゃたの。

多分そうしないと、絶対言いそうもないから。
だって、今時、信じられないくらいシャイなんだもん。



「あのね……わたし……ね、蓮くんの事、大好きだよ……」って言ったら

「あっ、ありがとう。気持ちだけ受け取っておくね」なんて訳分からないこと言って

俯いちゃったの。

「えっ?それだけ?」って驚いた。

あれっ?もしかして私の勘違いだった?

そんなはずは……と

その時、彼が私の手をそっと繋いでくれたの。

だから、まぁいっか、と思えた。

今まで、私がしてきたことを考えたらそれで充分かな。



シャイで、おとなしめの彼だけど、困った時には、すぐに飛んできてくれる頼れる人なんだ。エヘヘ、こんな事言うのは恥ずかしいけどね。

だから、いつか、ちゃんと気持ちを伝えてくれるのを待ってるの。

いつかね。

本当に言ってもらえるのかなー

ちょっと不安だったりする。

でも、幸せだよ。あちこちよそ見なんかしないから。凄く安心出来るんだ。

やっぱり、恋愛はこうでなきゃね。



元彼は、今となっては黒歴史そのもの。

もっと、早くに別れてれば良かった……

時間を無駄に過ごしちゃったかなと思う。


でも、私の歴史は塗り変えられるんだよね。

そう思わない?



まぁ、そういう経験があったからこそ

色々気付けたのだから、

お礼を言った方がいいのかもね。



ありがとう、お陰で私は、本物の恋を見つける事が出来ました、ってね。
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