自衛官、異世界に墜落する

139 日米訓練

「いつもより早い回収、褒めて遣わす！では次に日本国自衛隊の番だ！」
「“各部隊、戦闘配置“」

スレスティアの声で暁が戦闘配置を命令する。すると見えない場所から戦艦大和が顔を出す

「なんなのだ…アレは…」

周りにいるスレスティアの部下は巨大で恐ろしい程完成されている戦艦を見て体を震わせていた

「“こちら大和、戦闘開始の合図を待つ“」
「“こちら本部、目標浜辺近くの魔物、砲撃開始“」
「“了解、砲撃を開始する“」

次の瞬間、勢いよく9つの砲弾が上り、後に爆音。浜辺の魔物軍団に弾着した。この大和は近代化改修をしており、砲弾は昭和よりも正確に着弾するようになっている。辺りは爆風でふっ飛ばされる魔物と、損傷している魔物と、死体すら残らない消えた魔物がいた

「“次、戦闘機発艦。残党の討伐を開始“」

F35が空母から12機発艦する。残った魔物を片付けることが目的だ。戦闘機はミサイルを魔物に発射してすぐに帰投する。残党はほぼいなくなった

「“上陸部隊発進“」

AAV7が隊員や兵士を入れて城方面へ海から前進していく。こちらに接近してくる敵は排除していく。全てM2機関銃で対応可能だった

「GOGOGO！！！」

後部扉が開き全て下車すると、横に間隔を空けて銃を構えながら膝射の体制になる

「GUOOOOOOOOOOO!!!!!」

オーガが棍棒を持ちこちらに迫ってくるが、AVV7の銃撃を食らって1秒も持たずに即死した

「“こちらウルフ1、配置よし！“」
「“こちらウルフ2、配置よし！“」
「“こちら本部。戦車到着まで待機“」

一分すると、戦車がホバークラフトにて運ばれた。今回運ばれたのは10式戦車だ。10式は陸に上がると配置につく

「“こちら本部。戦車が到着した。これより、攻城を開始する。全体前進！“」
「「“了！！“」」

戦車の後ろに隠れながら隊員は接近していく。高速で近づくゴブリンや巨大な岩を投げてくるオークもいたが、攻撃される前に撃ち殺していった。城の目の前まで前進すると、突入部隊が入って行き、室内をクリアリングしていく。その速度はブラット軍の1/2のスピードだった

「"こちらウルフ部隊、城の奪還完了。オクレ"」
「"こちら本部、ご苦労。訓練終了だ。本部に戻ってきてくれ"」
「“了解“」

突入部隊は静かに城を出てきて本部に行く。戦車は回収が済むまで待機になった。ブラッド帝国側のお偉いさんを見て見ると、口と目が明きっぱなしになったままだった。そこから20分頃、スレスティアは口を開く

「これで戦力の理解はできただろうか。異世界からやってきた軍は我々の遙か先の未来の技術を持っている。一歩間違えば我が帝国は滅亡となっていたであろう。どうだろう、改めて安保条約を締結しようではないか！」

少し高い位置に設置されている赤黒の王の椅子から手を伸ばし、握手を求められた。暁は段に上り握手を交わした