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新婚旅行編
カトリーヌ視点
しおりを挟む結婚式前のリリー様主催『本物を探せ!僕、今度こそ一人でできるもん!待ってて、カトリーヌ!』のお陰で緊張する事もなく、結婚式を終えられました。
そして今、結婚披露パーティーです。
陛下の、
「先程、ルイジェルドとカトリーヌの結婚式が滞りなく執り行われた。
ルイジェルドはこれからも王族としてヘンリーの片腕となり、重責を担う執務が増えていく事になる。
苦悩する事もあるだろう。
辛い決断をする事もあるだろう。
そんな時、支えていくのがカトリーヌだ。
だが、まだ若い二人にはお互いを支えきれない時もあるだろう。
その時は我らも助けるが、皆も二人を支えてやってくれ。
今日は慶事だ、皆、大いに食べて、飲んで
楽しんで、二人を祝ってくれ。
ルイジェルド、カトリーヌ、結婚おめでとうーーー!」
おめでとうと、皆様が個々にお祝いの言葉を言って下さっています。
今日の最初のダンスは私達です。
何度も練習しましたが、これほど注目されて踊るのは緊張します。
ですが、ルイ様に恥をかかせてはいけません。頑張ります。
ルイ様とフロアに立ち、曲に合わせて踊り始めます。
「カトリーヌ、緊張してるのか?力が入っているぞ。大丈夫だ、俺だけ見ていろ。」
「はい、ルイ様。」
「そうだ、明日は結婚祝いのプレゼントを開けよう、きっと、普通の物はないだろうが。」
「ルイ様、後でではないのですか?」
「この後はする事があるだろう、一番大事な事だ。プレゼントは明日も無理かもしれんがな。」
「え?・・・・・・あ・・もうールイ様、こんな時にそんな事を仰らないで下さいませ!」
「だって本当の事だ。」
「もう!ルイ様!」
「アハハハ」
なんとか一曲を踊り終え、壇上に戻った。
それからはひたすらお祝いの言葉にお礼の言葉を返す、の繰り返しで喉がカラカラだ。
だが、先程もお祝いの言葉をくれた同級生や卒業してから会えなかった学院の後輩、先生方からの心のこもったお祝いの言葉に励まされ、なんとか乗り切りました。
オーランドからは、王太子のエドワード様とマルガリータ様が来て下さいました。
エドワード様には初めてお会いしましたが、気さくに声をかけて下さいました。
マルガリータ様にはおめでとうと言ってもらいましたし、今気になる方がいると嬉しい報告も聞けました。
ですが、やはりルイ様は人気がおありです。粉をかけてくる方がたくさんおられます。
ルイ様は見事にいなしておりますが、気分の良いものではありませんね。
でも、私はルイ様の妻となった身、もう何事にも動じません!
あっちの巨乳にも、こっちの美脚にも、そっちの美女にも負けません!
挨拶もひと段落し、軽く飲み物を口にした後、何かをルイ様が凝視している事に気付きました。
何でしょう?
ルイ様が見ている先を見ましたら、その先には、ピンクの髪でピンクの小さな瞳をウルウルとさせたどこか愛らしい女の子がいました。
え?何故?結婚式当日に一目惚れ?ハア?
その時、後ろから陛下が、
「挨拶も終わっただろう、そろそろお前達は下がって良いぞ。」
とお声をかけて頂き、皆さんに挨拶をしてルイ様と下がりました。
朝早くからずっとバタバタしっぱなしで、さすがに疲れました。
ルイ様と別れてドレスを脱ぎ、お風呂で磨かれ、以前頂いたとてもセクシーな下着をつけてとても布とは思えないスケスケの夜着を来てからガウンを羽織りました。
夫婦の寝室に入るとルイ様はもういらっしゃいました。
さっきのピンクの方の事を問い詰めねばなりません!
「どうした?カトリーヌ、何故そんなに険しい顔をしている。」
「ルイ様は一人の女性をじっと見ていました。あれは何ですか?一目惚れですか?浮気ですか?結婚式当日に浮気ですか?離婚ですか?」
「待て待て、何の事だ!」
「挨拶がひと段落した時に、ピンクの髪の方をじっと見つめていました!」
「あ~~~あのピンクの人!」
「そうです、その人です。お知り合いですか?好きなんですか?何なんですか?」
「落ち着け、カトリーヌ、あのピンクの人、何かに似てるなぁって思って見てしまったんだ!」
「一体誰に似ているというのです、初恋の方ですか?」
「初恋はお前だ!誰かではない、何かだ!」
「何か?」
「そうだ、カトリーヌも見覚えないか?何か身近にないか?俺はちょくちょく見ている気がする。」
「身近にあんなピンクの方なんてありません!」
「俺はあるんだよなぁ~何だったかなぁ…」
「とにかく、分かりました。思い出したら教えて下さい。」
そして、
灯りを消し、いざ初夜へとなった時に、
「あ!思い出した!ネズミだ!あのシンシアの所のネズミのぬいぐるみだ!」
と叫んで、雰囲気が一気に無くなった…。
「プレゼント、開けましょうか?」
二人で結婚祝いのプレゼントを開けていくことにした。
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