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新婚旅行編
アラン視点
しおりを挟むいつも遠くで誰かが呼んでる…
でも、眠くて、よく聞こえない…
ずっと呼んでる…
アラン、アラン、って…
クロかな…
また呼んでる…
今度はいつもと違う声…
誰…あれ?
イアン?
イアン⁉︎
なんで?
「あれ?イアン?」
「アラン?アランか?何処にいる?」
「イアンなんでここにいるの?ここって夢じゃないの?イアン死んじゃったの?俺も死んじゃった?」
「死んでねえよ、アラン、俺のこと見えてるのか?」
「なんとなく…見えるような見えないような…」
「近くまでこい!早く!」
「待って、身体が上手く動かないから」
「少しでもいいから、近くにきてくれ、頼むアラン!俺からは何も見えない!」
「待って、身体重い…」
「今アランはずっと寝たままだ。俺はワソニックの屋敷に来てるんだ、クロに会いに来た。だから、もう起きろ、一緒に帰ろう。」
「あ、少し動いたよ、そっち行くから。」
「俺がそっち行きたいけど、ダメだ俺はここから動けない。アラン、頑張れ、こっちまで来い、俺が連れて行く!」
「こんなとこまでイアン、来てくれたんだね、ありがとう。泣いてるんじゃないかって心配してたんだよ。」
「人の心配なんかしてないで、自分の事考えろ!みんな、アランを心配してる。お前が目覚めるのを待ってる!だから、早く俺んとこまで来い!」
「近くにイアンいるっぽいけど、何処だろ、この辺ぽいけど、分からないなぁ」
「近くにいるのか?手ぇ伸ばせ、アラン!」
「待って、もう少し近くに行くから。」
そこからイアンの声は聞こえなくなった…
心配してたな…
こんな所まで来てくれて…
でもどうやって来たんだろ…
凄いな…イアン…
みんなに会いたいな…
マリアに会いたいな…
どうやったら起きるんだろう…
身体も動き辛いし…
運動?運動すれば良い?
寝てるのに意味あるかな…
眠いの我慢すればいいのかな…
あ、また呼んでる、クロ?
クロなの?
『アラン!ずっと呼んでた』
ずっと呼んでたのはクロだったんだね、
呼んでたのは分かったんだけど、眠くて起きられなかったよ、ごめんね。
『アラン、イアンと話したでしょ?』
話した!どうして、イアンがここにいたの?
イアンも怪我したの?
『違うよ、イアンは怪我はしてないよ。僕と話したくて来たんだって。アランに会いたいなぁって何回も言ってたから、イアンにアラン会わせたいなって思ったの。
そしたら、イアン、ここに来れた。』
うーーん、難しいね、でもイアンの声聞けて嬉しかったよ、ありがとう、クロ。
『今夜はカイルが行くって言ってた。』
え?カイルも来てるの?
『僕とお話し出来るようになりたいからって、ルイとロイとハンスも来た。
後、護衛の人。』
そうなんだね、ロイも殿下も来たんだね。
ロイはリリーに会えて嬉しがってるね、きっと。
『うん、くっついてた。』
アハハハ、やっぱりくっついてるんだね。
みんなに会いたいなぁ~。
ねえ、クロ、どうしたら起きるのかな?
どうして起きないの?
『う~ん、すごく、アラン、奥ーーの方にいる感じなの。だから、呼んでもなかなか気付いてもらえない。でも、今日はいっぱいお話ししてるから、もう少しで起きるのかも。』
そっか、じゃあ、カイルが来るのを待ってようかな。
また、寝ちゃうとカイルと話せないから。
寝ちゃってたらクロ、呼んでね。
『うん、分かった、またね』
またね、クローー。
カイルと話せるのかあ、嬉しいなぁ。
ほんの少しだけ、寝ても大丈夫かな…
なんだか疲れた…
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