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新婚旅行編
トーマス視点
しおりを挟むいやあ、お昼は楽しかったね~。
ハンスも面白い奴だし、リリーとロイの話しは盛り上がった。
おじさんに竜の卵の話を詳しく聞いたり、
父さんに去年の学院の出来事を聞いたり、
気付けば夕方だった。
お店には迷惑かけちゃったけど、丁度宿屋もやってたのでそこに泊まることになった。
なので、みんなでゆっくりしてるわけ。
ハンスと街に出て二人でワイワイと楽しかった。
ハンスにルイジェルド殿下とカトリーヌちゃんの話しを詳しく聞いた。
実は父さん達は知らないけど、かなりヤバかったようだ。
媚薬を盛られる所だったとか。
リリーとロイはそれを心配してすぐなんとかしないとと踏ん張ったらしい。
やるな、二人共。
リリーもロイも凄く優しい。
ロイは見た目冷たそうなのに本当は凄く優しいのは子供の頃から知ってる。
だからロイの事は大好きだ。
妹も大事にしてくれてる。
その二人を味方につけた殿下は心強かっただろう。
俺はサイモンも好きだ。
サイモンはあんな仕事してるから、あんまり自分を出さないようにしてるけど、実は涙脆いのだ。
子猫が馬車に轢かれて倒れてるのを拾い、怪我の処置をしても助けられなかった時、ポロポロ泣いていた。
子犬が捨てられていた時も、連れて帰れないと涙を溜めていた。
ヘンリー…様…めんどくさい…
ヘンリーが孤児院に慰問に行った時、
子供が親を恋しがって泣いてる時も一緒になって泣きそうなっていた。
サイモンは小型のものに弱いらしい。
ヘンリーも涙脆いのを知ってるのは内緒だ。
ルイジェルド殿下とはあまり接触はなかったので、知らなかったが、話しを聞いて、勝手に友達とした。
宿屋に戻り、俺は一人部屋、父さんとおじさんが同室、そして、ハンス、ジュリアおばさんが一部屋ずつとなった。
一番奥が父さん達、隣りが俺だ。
向かいの部屋に、おばさん、ハンスの部屋がある。
夕食もワイワイ食べた後、各自部屋に戻り解散となった。
疲れたのかその夜は速攻で寝た。
明け方、何か呼ばれたような気がして目が覚めた。
なんだろう…
窓を開けると、隣りの部屋の父さんとチャールズおじさんも窓を開けていた。
「父さん、おじさん、何か聞こえた?」
「ああ、呼ばれたような気がした。」
「俺も。この街に知り合い、いないよね?」
「いないなぁ…」
段々その声は大きくなってきた。
え?なんて言ってる?
耳を澄ませる。
「・・・・シテタ」
え?
父さん達も聞こえてるようだ。
「・・・・カッタ」
してた?かった?
「・・・サガシテタ」
探してた?
「・・ミツケタ」
見つけた?誰を?
「トーマス、ミツケタ」
え?俺?
と思ったら暗くなった。
空を見上げたら、真っ黒なドラゴンがいた。
「トーマス、トーマス、逃げろ!」
隣りの部屋から父さんとおじさんが叫んでる。
その時、ドラゴンが鳴き声をあげた。
動けなくなり、ドラゴンを見つめてた。
父さんの声が遠くで聞こえてた。
気付くと、
空高くにいた。
やべ、捕まった。
その後、意識を無くした。
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