67 / 143
新婚旅行編
トーマス視点
しおりを挟むいやあ、お昼は楽しかったね~。
ハンスも面白い奴だし、リリーとロイの話しは盛り上がった。
おじさんに竜の卵の話を詳しく聞いたり、
父さんに去年の学院の出来事を聞いたり、
気付けば夕方だった。
お店には迷惑かけちゃったけど、丁度宿屋もやってたのでそこに泊まることになった。
なので、みんなでゆっくりしてるわけ。
ハンスと街に出て二人でワイワイと楽しかった。
ハンスにルイジェルド殿下とカトリーヌちゃんの話しを詳しく聞いた。
実は父さん達は知らないけど、かなりヤバかったようだ。
媚薬を盛られる所だったとか。
リリーとロイはそれを心配してすぐなんとかしないとと踏ん張ったらしい。
やるな、二人共。
リリーもロイも凄く優しい。
ロイは見た目冷たそうなのに本当は凄く優しいのは子供の頃から知ってる。
だからロイの事は大好きだ。
妹も大事にしてくれてる。
その二人を味方につけた殿下は心強かっただろう。
俺はサイモンも好きだ。
サイモンはあんな仕事してるから、あんまり自分を出さないようにしてるけど、実は涙脆いのだ。
子猫が馬車に轢かれて倒れてるのを拾い、怪我の処置をしても助けられなかった時、ポロポロ泣いていた。
子犬が捨てられていた時も、連れて帰れないと涙を溜めていた。
ヘンリー…様…めんどくさい…
ヘンリーが孤児院に慰問に行った時、
子供が親を恋しがって泣いてる時も一緒になって泣きそうなっていた。
サイモンは小型のものに弱いらしい。
ヘンリーも涙脆いのを知ってるのは内緒だ。
ルイジェルド殿下とはあまり接触はなかったので、知らなかったが、話しを聞いて、勝手に友達とした。
宿屋に戻り、俺は一人部屋、父さんとおじさんが同室、そして、ハンス、ジュリアおばさんが一部屋ずつとなった。
一番奥が父さん達、隣りが俺だ。
向かいの部屋に、おばさん、ハンスの部屋がある。
夕食もワイワイ食べた後、各自部屋に戻り解散となった。
疲れたのかその夜は速攻で寝た。
明け方、何か呼ばれたような気がして目が覚めた。
なんだろう…
窓を開けると、隣りの部屋の父さんとチャールズおじさんも窓を開けていた。
「父さん、おじさん、何か聞こえた?」
「ああ、呼ばれたような気がした。」
「俺も。この街に知り合い、いないよね?」
「いないなぁ…」
段々その声は大きくなってきた。
え?なんて言ってる?
耳を澄ませる。
「・・・・シテタ」
え?
父さん達も聞こえてるようだ。
「・・・・カッタ」
してた?かった?
「・・・サガシテタ」
探してた?
「・・ミツケタ」
見つけた?誰を?
「トーマス、ミツケタ」
え?俺?
と思ったら暗くなった。
空を見上げたら、真っ黒なドラゴンがいた。
「トーマス、トーマス、逃げろ!」
隣りの部屋から父さんとおじさんが叫んでる。
その時、ドラゴンが鳴き声をあげた。
動けなくなり、ドラゴンを見つめてた。
父さんの声が遠くで聞こえてた。
気付くと、
空高くにいた。
やべ、捕まった。
その後、意識を無くした。
34
お気に入りに追加
459
あなたにおすすめの小説

私が、良いと言ってくれるので結婚します
あべ鈴峰
恋愛
幼馴染のクリスと比較されて悲しい思いをしていたロアンヌだったが、突然現れたレグール様のプロポーズに 初対面なのに結婚を決意する。
しかし、その事を良く思わないクリスが・・。

人質王女の恋
小ろく
恋愛
先の戦争で傷を負った王女ミシェルは顔に大きな痣が残ってしまい、ベールで隠し人目から隠れて過ごしていた。
数年後、隣国の裏切りで亡国の危機が訪れる。
それを救ったのは、今まで国交のなかった強大国ヒューブレイン。
両国の国交正常化まで、ミシェルを人質としてヒューブレインで預かることになる。
聡明で清楚なミシェルに、国王アスランは惹かれていく。ミシェルも誠実で美しいアスランに惹かれていくが、顔の痣がアスランへの想いを止める。
傷を持つ王女と一途な国王の恋の話。



【完結】あなたを忘れたい
やまぐちこはる
恋愛
子爵令嬢ナミリアは愛し合う婚約者ディルーストと結婚する日を待ち侘びていた。
そんな時、不幸が訪れる。
■□■
【毎日更新】毎日8時と18時更新です。
【完結保証】最終話まで書き終えています。
最後までお付き合い頂けたらうれしいです(_ _)

皆さん、覚悟してくださいね?
柚木ゆず
恋愛
わたしをイジメて、泣く姿を愉しんでいた皆さんへ。
さきほど偶然前世の記憶が蘇り、何もできずに怯えているわたしは居なくなったんですよ。
……覚悟してね? これから『あたし』がたっぷり、お礼をさせてもらうから。
※体調不良の影響でお返事ができないため、日曜日ごろ(24日ごろ)まで感想欄を閉じております。

忙しい男
菅井群青
恋愛
付き合っていた彼氏に別れを告げた。忙しいという彼を信じていたけれど、私から別れを告げる前に……きっと私は半分捨てられていたんだ。
「私のことなんてもうなんとも思ってないくせに」
「お前は一体俺の何を見て言ってる──お前は、俺を知らな過ぎる」
すれ違う想いはどうしてこうも上手くいかないのか。いつだって思うことはただ一つ、愛おしいという気持ちだ。
※ハッピーエンドです
かなりやきもきさせてしまうと思います。
どうか温かい目でみてやってくださいね。
※本編完結しました(2019/07/15)
スピンオフ &番外編
【泣く背中】 菊田夫妻のストーリーを追加しました(2019/08/19)
改稿 (2020/01/01)
本編のみカクヨムさんでも公開しました。

何年も相手にしてくれなかったのに…今更迫られても困ります
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢のアンジュは、子供の頃から大好きだった幼馴染のデイビッドに5度目の婚約を申し込むものの、断られてしまう。さすがに5度目という事もあり、父親からも諦める様言われてしまった。
自分でも分かっている、もう潮時なのだと。そんな中父親から、留学の話を持ち掛けられた。環境を変えれば、気持ちも落ち着くのではないかと。
彼のいない場所に行けば、彼を忘れられるかもしれない。でも、王都から出た事のない自分が、誰も知らない異国でうまくやっていけるのか…そんな不安から、返事をする事が出来なかった。
そんな中、侯爵令嬢のラミネスから、自分とデイビッドは愛し合っている。彼が騎士団長になる事が決まった暁には、自分と婚約をする事が決まっていると聞かされたのだ。
大きなショックを受けたアンジュは、ついに留学をする事を決意。専属メイドのカリアを連れ、1人留学の先のミラージュ王国に向かったのだが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる