私の婚約者の苦手なもの 番外編

jun

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新婚旅行編

ハンス視点

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若から至急の呼び出しがあり、行ってみればワソニック家の領地に行けと言われた。

何でもドラゴンらしきモノが出現したらしい。
ドラゴンって…と最初は笑いそうになったけど、マジらしい。

ワソニックと言えばリリーナちゃんの実家だ。
リリーナちゃんにバレたらヤバいんじゃないの?と思ったら、もうバレてるらしい。
だから急いでいるんだとか。

だよね、喜んで行きそうだもの、あの子。

で、長官も若も行けないからジュリア様が出張ると…。
ドラゴン相手だものね…。


あの魔王と呼ばれたお方は一度引退したのに、未だ鬼強い。

長官で互角、若はたまに勝てる位。

俺はまだまだですけど…。

で、今イーガー家にいるわけですが、

長官とジュリア様が揉めています。

若が勝手に決めちゃったから、長官が怒っています。

ジュリア様は行く気満々だから、ずっと平行線を辿っています。

「ジュリア、お前はもう引退したんだ!
行かせる訳には行かない!」

「何度同じ事を言うの!アラン様は私のお友達なのよ、困ってるなら助けるのが当たり前だわ!」

「それとこれとは関係ないだろ!
お前が行くなら俺も行く!」

「あなたは陛下を守らなきゃダメでしょ!
陛下は誰が守るのよ!」

「サイモンがいるだろ!」

「サイモンは殿下もヘンリー様もみるのよ!陛下まで手回らないわよ!」

「父上、俺が勝手に決めた事は謝ります。
ですが、早急に調査を終わらせないとリリーナちゃんが待ちきれず領地に行く可能性が高いんだから、今回は精鋭をつれていかないとダメなんだって何回言わせんの!」

「だが…得体の知れないものだ…何かあったらどうする!」

「だから行くんでしょ!他の騎士には出来ないから俺らが行くんでしょ!」

「分かってる!」

「ハロルド、戦いに行く訳ではないのよ、調べに行くだけよ。
リリーナちゃんにあんなに助けてもらったのに何も返さないの、あなたは?
あの子はあんなに可愛らしくて細くて非力なのにカトリーヌと殿下の為に先頭に立って二人を守ったのよ。
今度は私がその恩をほんの少し返す事が出来るの、だから行かせて、お願い、ハロルド。」

「・・・ハア~分かった。」

「ありがとう、ハロルド!」

「ありがとうございます、父上。」



おお、終わったみたいです。
長官も奥さんが鬼強くてもやっぱり心配なんだね。


「ハンス。済まないが、ジュリアと二人でワソニック領に行くことになった。
よろしく頼む。」

「了解しました。早急に片付けられるよう尽力致します。」

「ハンス、母上は大丈夫だとして、アラン様、チャールズ様、トーマスを守ってくれ。」

「若、任せて下さい。
ちなみに、トーマス殿はどんな方なんですか?俺、あまり知らないので。リリーナちゃんのお兄さんって事くらいしか知りません。」

「トーマスはリリーナちゃんと同じであり、アラン様と同じだ。」

「は?」

「リリーナちゃんと同じ人種だと思え。
能力もほぼ同じだ。」

「リリーナちゃんの男性版って事ですね。
了解しました。」

「サイモンはトーマスとは学年が違ったよな?」

「トーマスは一つ下です。でも、同級生のように接していましたよ、トーマスは。
さすがにヘンリー様にはちゃんと…してた…かも。」

「あーなんとなく想像つきました。リリーナちゃんなんですね。わかりました。」

「そんな感じなら楽しそうね。」

「ジュリア、気を引き締めろよ!」

「分かってる分かってる。」

「しかし、キース様といい、チャールズ様といい、シュバイン家は本当になんと言っていいか…。」

「よくあの中でオスカー様はああなりましたね、不思議です。」

「オスカーはローズ様に似たんだろ。」

「陛下が最後の方は、シュバイン家は精霊に愛されてるのか、だからこんなに愛らしいのかーって叫んでましたよ。
キース様は心が汚れてるから竜に嫌われたんだって言ってたよ、笑いそうになった。」

「あり得る。特にワソニック家の可愛らしさは神がかってる。
私はこんなだから誰も寄り付かなかったが、アランだけは何も考えずに寄ってきては俺を笑わしてた。
息子のトーマスも懐いてくれた。」

「そうよね、ハロルドは顔がいかついから子供には泣かれるのに、あの子はケラケラ笑ってた。
父親のアラン様は私にビビってたのにね。
リリーナちゃんが生まれる頃は私もカトリーヌがいたから、あまり付き合いがなくなったのよね…」

「竜に選ばれたのもある意味納得だ。」

「あのう、ワソニック領に行く理由は知ってるんですけど、竜に選ばれたってどういう意味ですか?精霊って何すか?」

「あーハンスには言ってなかったな。
竜の卵をオーランドで聞いて話しをばら撒いたのはキース様、その卵を買って持ち込んだのはチャールズ様、それをワソニック領に持って行ったのがアラン様。
そして、その卵は竜に選ばれないと持ち上げられない。
持って帰ったチャールズ様と持てたアラン様は選ばれたって事。
そして、おそらく最近その卵は孵ったんだよ。」

「へ?何それ?卵喋ったんですか?何でそんな事分かるんすか?」

「竜使いって人が言ってたんだとさ。」

「竜使い?」

「大昔、オーランドには竜がいたんだと。
それで竜使いってのがいたが、今はほとんどいなくなって、その卵がおそらく最後の竜って事だろうな。」

「マジすか…」

「凄いだろ、シュバインの血が精霊に愛されてるっ言いたくなった陛下の気持ちが分かるだろ?引きが凄いわ、あの家系。」

「ですね…なんか納得しました。
イマイチ、信じて無かったんですけど、これで理解出来ました。」

「そういうわけだから、ハンス、大変だろうけど、頑張れ!」

「ハンス、頼むぞ、ほぼ人外と言っていい集まりだ。お前にかかっているぞ!」

「いや、そんな力ないですから、俺普通の事しか出来ないですから!」

「普通が一番なんだ!この中で普通なのがいる事が大切なんだ!」

「なんだろう…自信がどんどん無くなっていってる…」

「ハンス、大丈夫よ、貴方は実質No.3なのよ、自信もちなさい!」

「え?俺ってそんなに上何すか?真ん中辺だと思ってました。」

「お前の能力はかなり高いぞ。その上に行くにはまだまだだが。」

「なんか自信を取り戻しました!頑張ります!」


「じゃあ、明日から言ってくれ。」

「はや!了解しました。」



ワソニック領、初めて行くけど、若に追い付く為にも頑張りますよ、俺!
では、いってきます!









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