私の婚約者の苦手なもの 番外編

jun

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新婚旅行編

アラン視点

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久しぶりに息子のトーマスが帰って来たが、
何やら領地が大変な事になってるらしい。

巨大生物って熊以外にいるの?
ドラゴンって…ドラゴン?あれ?ドラゴンって何?そして、なんでウチ?何で我が領地に出るの?
山はあるけど、もっと大きな快適な山あるでしょ?

ハア~、イアンに報告するしかないなぁ~

なんて考えてたら、あのバカ!
リリーに言いやがった!
何で言うかなぁ~

聞いたらあの子行くよ、絶対!

ハア~頭は悪くないのにどうしてあんな感じになっちゃったんだろう…ウチの息子…。
そして…娘。


で、今イアンに、

「ハア?トーマス大丈夫か⁉︎
お前がトーマスの事、放ったらかしにし過ぎたから構ってちゃんになっちゃっただろ!
もっとトーマス大事にしろよ!
もう婚約者、俺が探してやるから少し休ませてあげろ!」

と怒られている。

「お前が知らないだけで、俺だってあっちに行ってるよ!マリアだって行ってるし!
でも去年は色々あり過ぎたから回数は少なくなってたけど、ちゃんと俺はトーマスが好きだ!」

「んな事分かってるよ!トーマスがドラゴンなんて言っちゃうくらい寂しがってるって言ってんだよ!」

「だーかーらー、何回も言ってるだろ!
幻覚でも幻でもないの!
いーーっぱい目撃者いるの!
だから調査しなくちゃならないからどうする?って聞いてるの!」

「んな生き物見た事ないわ!」

「俺だってないよ!だから騒いでるんでしょ!で、誰か向こうに行かせてくれんの?くれないの?」

「オスカー…ちょっとヘンリー呼んで…あの冷静沈着男を呼んで。」

「・・・ご自分で考えて下さいよ!貴方何回同じ話しさせてるんですか?
アランがヘロヘロになってるじゃないですか!」

「だってお前、ドラゴンって・・ドラゴンって本の中で生きてる気高きモノだよ?
それもアランの領地だぞ!なんで依にもよってアランの領地?何、精霊でもいるの?だからワソニック家はこんなに愛らしいの?」

「イアン…精霊はいないよ。イアンの方が大丈夫?」

「ハアーーーーー、とにかく何かはいるんだな?」

「そうらしい。」

「じゃあ・・・・誰送ればいい?オスカー。」

「とりあえず“影”の誰かに調べてもらってから決めればいいのでは?」

「そうだな?ハロルドは今日登城してないのか?」

「貴方の後ろにいないんだから来てませんよ。呼びますか?」

「サイモンは?」

「どちらかはいるはずですから、ルイジェルド様の所かと。」

「じゃあ、サイモン呼んでくれ。」



そしてサイモン登場。
で、

「ハア?アラン様…とうとう嘘をついてまで皆の気を引こうとするなんて…お疲れなんでしょう、少しお休み下さい、ね?」

「サイモン、お前、シンシアちゃんにある事ある事言うぞ!
お前の恥ずかしい昔話を俺は何個持ってるか知らんだろ!
そういう態度は良くないぞ!」

「そうだぞ、サイモン、アランはほら、結婚式やらなんやらあったから「貴方達!
いい加減にしなさい!アランはトーマスの話しを報告してるだけでしょうが!
それを寄ってたかって!真面目に聞きなさいよ!」」

「「すみません…」」

「兄上、ありがとう。」

「アラン、後で陛下を叱っておくから気にするな。」

「あんまり叱らないでね。」

「話しは分かりました。ワソニック領地の未確認の巨大生物の調査をすれば良いんですね。何名くらいいればいいですか?」

「とりあえず二人くらいでいいと思うよ。
討伐するかはその後の話しだから。
イアン、それでいい?」

「ああ、それくらいでいいだろう。
サイモン、誰が行くかはお前とハロルドで決めてくれ。日数はとりあえず一週間。それで見つからなければ人員交代して引き続き調査。討伐対象ならまたその時に決める。」

「はい、承知しました。」

「サイモン、決まったら教えて。決まり次第、出発するから。」

「アラン様も行くんですか?」

「行くよ、俺の領地の事だからね…」

「あれ?元気ないですね、それ以外に心配事でも?」

「トーマスがリリーに言っちゃった…」

「「「ハア⁉︎」」」

「それってヤバくないか!行くぞ、あの子は行くぞ!」

「ヤバいですよ、絶対行きますよ!」

「アラン!阻止しなさい!断固、私は許しません!」

「みんな、そんな事出来ると思ってる?」

「「「・・・・・・」」」

「そうでしょ?それにトーマスは新婚旅行で来いって言っちゃった。」

「「「あのバカ!」」」

「だもの、何が何でも行ってさっさと終わらせないと!」

「アラン、協力は惜しまない!」

「わたくしも至急、精鋭を選抜します!」

「私は円滑に進める為、仕事の調節をする!」

「ありがとう、よろしくお願いします…」

「アラン、頑張れ!」

とイアンから応援され、家に帰ると




「父さん、リリー達行くって!」

と言われた…。













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