私の婚約者の苦手なもの 番外編

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新婚編

カトリーヌ視点

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あれから、お父様やお兄様にルイ様やリリー様、ロナルド様の話しを聞きました。
リリー様とロナルド様の私達への想いを知り、何度涙した事でしょう。

陛下やお父様、周りの大人達をルイ様の為に怒り、ルイ様と私を一緒にさせたいのだと二人が必死にお父様達に訴えてくれた話しは、
涙が止まりませんでした。
今も私をルイ様の元へ戻す為に『カトリーヌ奪還作戦』を遂行しているそうです。
陛下もお父様もお母様も、お兄様も加わっているのだとか…お仕事は大丈夫なのかしらと心配してしまいますが、有難いことです。
でも、私はここで普通に生活しているのに、何だか申し訳ない限りです…。


でもリリー様達に会いたいです…。
そして…ルイ様に会いたくて…
少し寂しくなっております…。

シンシアさんが遊びに来てくれたり、お母様も私を気遣ってくれますが、
やはり、会いたいです…。


そういえば、シンシアさんもお兄様に会えないからか元気がないような感じでした。
私だけが会えないのではないのだと気力が湧きました。

そんな時、お兄様が物凄い勢いで部屋に飛び込んできました。

「カトリーヌ、行くぞ!」

「え?どこに?」

「殿下の所だ。全て終わった、行くぞ、支度しろ。」

「え?え?」

と言ってる間に支度され、猛スピードで城へ向かっています。

「お兄様、終わったとは?マルガリータ様がいらっしゃるのでは?」

お兄様が今日の事をお話ししてくれました。

今、ルイ様とマルガリータ様がロナルド様も交えて“兄妹”を終わらせ、王子、王女に戻る為の話しをいている所なのだそうです。
マルガリータ様はルイ様や皆さんに謝罪したそうです。
帰国の前に、最後だからとリリー様が二人に話し合いを勧めたそうです。

本当は私も交えた方が良かったと思ったからお兄様は私を迎えに来た、という事らしいです。

リリー様が大丈夫と思うなら、もうあのお二人は以前の様に見せつける事もないのでしょう。
まだ怖いですが、ルイ様が頑張っているのです、私も頑張ります!

胸の鼓動が激しいです…
お兄様が手を握って下さりました。

「カトリーヌ、大丈夫か?」

「少し怖いですが、大丈夫です。お兄様もリリー様達、そしてルイ様がいてくれますから。」

「みんないる。安心しろ。そして今日からでも殿下の隣りに立て。」

隣りに立つ…
これまで普通だった事が出来なくなって、
会えていたのが会えなくなって、
もう隣りに立つ事も出来なくなるのではと不安で不安で堪らなかった。

また隣りに立つ事が出来るのですね…
嬉しいです…とても嬉しい…
ルイ様…

「カトリーヌ、久しぶりに会う殿下にそんな泣き顔見せたら殿下も泣くぞ!」

「すみません…嬉しくて…」




城に着き、マルガリータ様のお部屋へ向かいました。


「お待たせ致しました。」

と声を掛けたら皆さんこちらを向いて固まっています。


「トリーーーーーーーーー!」
とリリー様が駆けてきます。

「リリー様、お兄様が迎えに来て下さいました。」

「サイモン様、さすがです!仕事の出来る男は違いますね!」

「カトリーヌ!」

「ルイ様…」
ルイ様が走ってきて私を抱きしめました。

「カトリーヌ、会いたかった…ごめん、ごめんな…いっぱい泣かせてごめん…。」

「ルイ様にもたくさん泣かせてしまいました…お会いしたかった…」

「会いたかった…俺も会いたかった…」

しばらくそんな会話を繰り返していたら、

「んっんーん、そろそろ終われ、ルイ!」

とヘンリー様に声をかけられ、離れました。
でも、ルイ様は私の手を握って下さいました。ギュッと力強く握って下さいました。

「カトリーヌ様!」

とマルガリータ様が立ち上がっております。

一瞬ビクッとしてしまいました。

ルイ様がもう一度手をギュッとしてくれました。
大丈夫です。

「マルガリータ様、ご挨拶が遅れてしまい、申しわ「ごめんなさい、カトリーヌ様!私、貴方に意地悪してたの…本当にごめんなさい、嫌な事たくさんしてごめんなさい…
ルイジェルド様との婚約も、無くなる寸前までにしてしまって、本当にごめんなさい…すみませんでした…。」」

「マルガリータ様…」

「カトリーヌ様、本当に申し訳ございませんでした。貴方に嫌な思いをたくさんさせてしまって…。
貴方達の邪魔ばかりしてすみませんでした…私自分の事ばかりしか考えてなくて…。
どう謝っていいのかも分からなかった…。
もう会ってはもらえないだろうと思っていたの。
お会い出来て良かった…。
会いに来てくれてありがとうございます。」

「いえ、私の方こそマルガリータ様のお気持ちも考えずに申し訳ございませんでした。」

「貴方は悪くはないわ、謝らないで。
私が全部悪いの…本当にごめんなさい…」

「いえ、「ほらほら、いつまでもそんなじゃ終わらないから、お茶でも飲もう、ね!」」

とリリー様が座らせてくれました。


「いやあ、仲直り出来て良かったですね!
これでホントに一件落着です!」

「そうね、これで皆スッキリしたんじゃない?」

「そうですね、さっきルイも隠密がいないからスッキリしないって言ってましたし。
良かったですね、ル・イ。」

「…まあな。俺もカトリーヌとマルガリータが仲直り出来て良かったと思ってる。」

「あれ?待ってください!何故ローリーがここに?」

「話せば長いんだよ、トリー。後で説明するから今は気にしないで。」

「カトリーヌ様はローリーをご存知なのですか?」

「学生の時に一度見ました。大好評だったんですよ、私、姿絵持っていますから。」

「え?姿絵を持っているの?まあ、私も欲しいわ、ローリーの姿絵!」

「私は何個かありますから、一つマルガリータ様に差し上げますよ。」

「本当に!わあ~ありがとう、カトリーヌ様!」

「待て、隠密。お前は何でそんなに持ってる!」

「シンシアさんが何パターンか描いて下さったので。」

「マジかよ、俺見た事ないぞ!」

「あ、俺も欲しいからな!エリスに見せたいから!」

「ちょっと、嫌ですから、どうせなら男の姿にして下さいよ!」

「「何でお前の男の姿絵持ってなきゃならないんだ!」」

「オオー仲良し兄弟ですね~」

「フフ、いつも皆さんはこんな感じなんですか?楽しそうですね。」

「五月蝿いだろ、でもいつもこんなだ。」

「そうですね、リリー様とロナルド様がいるといつもこんな感じです。」

「羨ましいわ、私はこんなお友達いないから…」

「何言ってるんですか、マルガリータ様!
マルガリータ様も、もうお友達ですからね!」

「私も入れてくれるの?」

「そうです!お友達の輪をオーランドにも広げましょう!」

「止めろ、リリーナ夫人!お前は何をするか分からんから!」

「ヘンリー様は堅いなぁ~リリーナでいいですよ、一人しか“リリーナ夫人”って呼んでないですよ!」

「そう言われてみれば…
じゃあリリーナ、お前は少し落ち着きなさい!」

「はいはい」

「クゥーー、ロナルド!お前の嫁は躾がなってないぞ!」

「なるべく気をつけます。」

「兄上、リリーちゃんが大人しくなったら逆に怖いです…」

「それもそうかも…」

「失礼な!」


そんないつもの会話を聞けて、
ルイ様にも会えて、
マルガリータ様とも普通に話せて、
皆さんがいて、
本当に嬉しい。
ここに戻ってこれて本当に嬉しい…。


楽しいお茶会はまだまだ続いていますが、
これで『カトリーヌ奪還作戦』は完遂出来ましたでしょう。



本当に皆さん、ありがとうございました。












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