私の婚約者の苦手なもの 番外編

jun

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新婚編

アラン視点

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カイルが突然執務室に飛び込んできた。


「おい、イアンのとこに行くぞ!」

「なんで?」

「リリーちゃんが動き出した。シェリルが仲間になった!」

「嘘でしょ⁉︎」

「いいから、早く!
なんだか知らんがドレスと化粧道具持って急いでロナルドの所に行った!」

「ドレス?アイリス様じゃなくて?」

「ロナルドにだよ!早く行くぞ、何やらされるかイアンに確認しないと!」



と急いでイアンの所に向かった。


「何?どうしたの、急いで。」

「お前ら何企んでる!シェリルをどうする気だ!」

「へ?シェリル?来てんの?」

「ロナルドに呼ばれたって事は奪還作戦の事だろ!」

「え?何か始まったの?」

「シェリルがドレスと化粧道具持ってロナルドに呼ばれた。」

「ドレス?知らないけど、ルイに確認してみる!」


イアンがハロルドに何か話してハロルドが出て行った。


「ねえ、イアン、リリー達は大丈夫なの?」

「アラン、お前が考えている以上にリリーナは凄いぞ。」

「そうかなぁ…」

「お前、この前リリーナとロナルドが円卓会議場で話した事聞いたか?」

「「え?」」

「二人とも知らないのかぁ…。
あの二人はな、ルイジェルドとカトリーヌの為にあそこで俺とハロルドを説得したんだ。あの子は凄いな、アラン。」

「何言ったのか分からないけど、あの子は人を貶める事も、人を傷付ける事もしないのは分かってるから、きっと殿下達の為に泣いて、怒って、自分の意見を言ったんだと思うよ。」

「まあ、そんな感じだな。ルイジェルドが言えなかった事を的確に俺達に教えてくれたよ。俺達が間違ってるって怒ってた。
ロナルドも静かに怒ってた。
ルイジェルドの未来を明るいものにする為に冷静に説明してくれた。今すべき事の為に此処に来たと、だから協力してくれとさ。
お前達の子供達は、本当に立派だったよ。」

「ロナルドが…そうか。」

「だからあの子達は大丈夫だ…と思う。」

「なんで、そこで不安になるんだよ!」

「ほら、リリーナって奇想天外っていうかなんていうか、予想がつかないから…」

「そうだよ!だから来たんだよ!」

「待て待て、今ハロルドに行かせたから!」





「・・・・陛下…見て来ました…」

「何だよ、何なんだよ、不安になるだろ!」

「ローリーがいました…」

「「「は?」」」

「ロナルドはローリーでした…」

「待て!今ロナルドって言ったな!息子がどうした?」

「ロナルドが・・・ドレス着てました…」

「「「⁉︎ハァー?」」」

「ちょっと、行くぞ!」


四人でリリー達がいる所に急いだ。


部屋に飛び込むと・・・


絶世の美女がいた。


「シェリル、もしかしてあれはロナルド?」

「あら、貴方来たの?そうよ、綺麗でしょ?」

「ちゃんと説明して!」

一緒にいた殿下が説明してくれた。

もちろん発案者はリリーだった…。


「なので、ローリーには王女の目下の悩みを聞き出してもらいます。」

「・・・そうなんだ…」

「リリー、それでその後どうするの?
お父様達、よく分からないから。」

「王女の悩みが解決出来たら帰ると思って。どうせ殿下の事だけど、今どう思って、どうしたいのか分からないから聞き出そうって事。」

「「「「なるほど…」」」」

「で、その格好でどこ行くの?」

「今の王女は殿下に会えなくて暇なんです、きっと。なので綺麗な物好きな王女は必ずローリーに喰いつきます。
これから王女の部屋から見える庭園でシェリル母様とローリーにウロチョロしてもらいます。
喰いついてきたら何気に話してもらおうかと。
一回では無理だと思いますけど、やらなきゃ分からないので。」

「作戦局長、流石です。」

「ありがとうございます、後方参謀。」

「「え?」」

「リリー、ハロルドは後方参謀なの?
リリーは作戦局長?」

「そう。陛下は行政参謀でジュリア様は伝達参謀。」

「うわぁ…凄いね…」

「じゃあ、参謀総長、行って参ります!」

「あ、はい…お願いします…」

と言って、サイモンを先頭にシェリル殿と“ローリー”とリリーは行ってしまった…。



「イアン、お前行政参謀なの?ハロルドは後方?」

「アラン、俺は作戦局長を尊敬している。」

「やめて、ハロルド!ウチの娘を長官のお前が局長なんて言わないで!それに尊敬してるって何?」

「アラン、私はお前の事も尊敬している。
カイルもだ。
お前達の子供は尊敬に値する。」

「ええー影の長官に尊敬されるってどうなの?良い事?ヤバい事?」

「でも息子が褒められるのは素直に嬉しい…」

「リリーナが我等には考え付かない方法でこのややこしい問題を解決しようとしてるんだ、信じよう。」

「…そうだな。そういう事にしよう…」

「しかし、ロナルド凄いな!あんな美女いないぞ!」

「学院の時に一度やってますからね、殿下は二度目でしょ?」

「あの時は面白かった!」

「ホントにお前らの学年は楽しそうだったな、ま、リリーナがいるからな。
あ!ヘンリーに見せてやれば良かったー。
円卓会議の時、拗ねてたから今度は仲間に入れてやらないと!」

「え?兄上、拗ねてたんですか?」

「そうだぞ、お前が心配で会議に出たいって騒いでたんだ。でもハンスに事細かく報告させてるから全部知ってると思うけど。」

「兄上、心配してくれてたんだ…」

「陛下、部屋に戻りますか?」

「そうだな、良い物見れたし。
ルイ、後で報告しろ、執務室にいる。」

「はい」




四人で執務室に行き、

「しかし、よく思いつくなぁ~若いからか?」

「いや、リリーちゃんだからだ。」

「ホントに局長はアランにそっくりだ。」

「俺に似てるかなぁ~マリアの方が似てると思うけど。」

「とにかく、報告を待とう。あ、作戦名とかあるのかな?リリーナ付けそうだけど。」

「聞きました。『王女のお悩み相談作戦』だそうです。」


「お悩み相談作戦…笑っていい?アラン、笑っていい?」

「許可取らなくても笑っていいよ、リリーの命名のセンスは独特だから。」

「「「ブハッ」」」

「相変わらず素晴らしいな、リリーナ。」

「マルボウズに次いで素晴らしい!」

「待って、マルボウズって誰のこと?まさか王女じゃないよね?」

「「正解」」

「やっぱり…イアンもハロルドも気をつけろよ、油断してるとポロっと出るからな!」






リリー、お父様は心配だよ、お前が一番マルボウズって言いそうだから…

早く帰って来て…。












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