私の婚約者の苦手なもの 番外編

jun

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新婚編

マルガリータ視点

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ルイがイアン様に呼ばれてから全く戻って来ないし、連絡もない。
折角ルイと二人きりでいられたのに。
ここに来てからいつもルイの隣りにはあの子がいて邪魔だった。

突然、ルイが婚約したと聞いて、私はお父様にルイの所に行きたいと言ったのに駄目だと言われて中々ルイの所に行けなかった。
ルイはルイが選んだ人と結婚するんだから私が行っても仕方ないと言われた。

ルイは私と結婚するんだと思っていた。
私は子供の頃からずっとルイが好きだった。
ルイは私を妹扱いしてたけど、何をしても怒らなくて、笑って許してくれた。
だから私がお願いしたら結婚してくれると思っていた。

なのにルイは私ではなくあの子を選んだ。
華やかさもなく左程可愛いわけでもないあの子を選んだ。

良い子なんだとは思う。
私が意地悪しても少し困った顔をするだけで文句を言ってくる事もなかった。
ルイを独り占めしても困った顔をしただけで睨んでくる事もなかった。
段々私の方が罪悪感で居た堪れなくなった。
ルイはそんな顔を彼女がしている事も気付いてなくて…。
だからもう少し、もう少しルイと、と思った。
城のみんなも私達がお似合いだた言っている。態とあの子より仲が良く見せていたから。

ひょっとしたら私を選んでくれるかもしれないと思った。

だからルイの部屋で待つと言った時、イアン様は明らかに怒っていた。
それからルイは戻って来ない…。

何か言われたんだろうか…。
ルイはなんて答えたんだろう…。

気になってルイの執務室に行った。

普段は護衛の人が扉の前にいるのに今日はいない。

入ろうと思ってノックをしようとしたら中から大きな声が聞こえた。


私の事でルイが責められていた。
イアン様もヘンリー様も呆れていると、
婚約者がいる態度ではないと、
あの子とはこのままでは婚約破棄になると、
あの子が泣いていると、
私と婚約すればいいとルイに怒鳴っている。

ルイの声は小さくて微かにしか聞こえない。

すぐその場を離れた。


部屋に戻って今の話しを考えた。

悪い事をした、とは思った。
でも、このまま上手くいったらルイは婚約破棄になる、その事の方が私には大事だった。

婚約破棄になったら私が慰めてあげよう。
そうしたらルイも私をちゃんとみてくれるかもしれない。
まだ諦めない。
まだ帰らない。
あの子がルイの側から居なくなるなら、
私がルイの側にいる。


だから私はまだ帰れない。











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