私の婚約者の苦手なもの 番外編

jun

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新婚編

サイモン視点

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パーティーの次の日は仕事があったので、翌日カトリーヌに話しを聞こうと思い、カトリーヌの部屋へ行った。

「カトリーヌ、少し話しがある。」

「私も聞いて頂きたい話しがあります。」

「うん、多分カトリーヌが話したい事と俺が話したい事は同じだと思うからカトリーヌが先に話して。」

「分かりました。」

話しは大体俺が思っていた通りだ。

王女と殿下はとても仲が良いし、腕を組んだり、触られても嫌がりはしない。自分が邪魔なのではないかと思っているいう事。

話しも上手く入れなくて、これでは外交も出来ないのではないかと不安だという事。


殿下は本当は王女と婚約したかったのではないかと思っている事。

あれ見てたらそうなるわな。


「カトリーヌはどうしたいの?」

「二人でいる所はもう見たく有りません…」

「あれは見ていて気持ちの良いものではないな」

「・・・・・」

「これだけは言っておく。
カトリーヌが悪い所などないよ。話しに入れないのは、王女が入れないようにしていたからだ。
婚約の話しは子供の頃に少し出ただけだ。
殿下が邪魔だとはおもっていないよ、きっと。でも、カトリーヌが嫌な気持ちになっている事に恐らく気づいてない。
あれが二人の普通なんだろう。
婚約者が側にいながらもおかしいと思っていないのは異常だ。
俺は許さない。」

カトリーヌはポロポロと涙を溢した。


妹は滅多に泣かない子だった。

そんな子が泣いている。
俺の大事な妹がだ。

「カトリーヌ、しばらく登城はしない方がいい。王子妃教育も終わっている。行かなくても問題ないだろう。少しゆっくりしたらいいよ。」

「ありがとう、お兄様…」

カトリーヌを抱きしめてから、部屋を出た。

父の執務室に行く。

「失礼します。カトリーヌの事で話しがあります。」

「入れ。」

部屋に入り、
「カトリーヌが泣いています。俺は許せません。」

「待て、どうして泣いてる?」

「父上も分かるでしょう?王女の事ですよ!俺はもう婚約やめても良いと思う。あれは無い!」

「カトリーヌはなんて言ってる?」

「もう二人でいる所は見たくないそうです。」

「だよな、俺もあれは無いと思った。
確かにあの二人は小さい時からあんな感じだ。
でも今は婚約者のカトリーヌがいる。
それなのにアレだ。王女なんか分かってやってる。なのに殿下は何も分かっていない。」


「どうするんです、父上!」

「どうするかなぁ…カトリーヌは解消したら悲しむぞ?」

「分かってますよ、でも、このままにはしません!」

「どうする気だ。」

「思い知らせたいです。イーガー家を舐めてる!」

「フゥー少し冷静になれ、サイモン。」


そこへ、


バターンと扉が開いた。


「話し、あるんだけど!」
と母。

あーこれ怒ってる。

「何?ジュリア。」

「カトリーヌの事聞いたわ!」

「それで?」

「それで?それで?・・・何言ってるの、ハロルド!何もしないわけじゃ無いわよね!」

「何をする気なの、ジュリア?」

「私は娘が泣いているのに、手をこまねいているなんて出来ないわよ!」

「だからジュリアはどうしたいの?」

「・・・・・」

「婚約を解消させたいの?」

「それはカトリーヌが…悲しむわ…」

「じゃあ、どうするの?」

「殿下にはカトリーヌの大切さを改めて分からせるわ!王女には帰ってもらう!」

「どうやって?」

「どうやってって…。もうハロルドは悔しくないの!」

「娘が虚仮にされて悔しくないわけないよ、ジュリア。腑が煮えくりかえってるよ。
でもね、感情的に動けば何事も上手く行かないのは分かってるでしょ?」

「…はい。」

「じゃあ、少し落ち着こう。サイモンもだ。」

「「はい」」

「カトリーヌはもう二人を見たく無いと言っているからしばらくは登城させない。
その後も殿下は反省する事もなくあの状態を続けるのならば、カトリーヌがなんと言おうが婚約破棄させる。王家有責で。
もし、殿下が反省しなんらかの動きを見せたらその時考えよう。
これでいい?」

「「はい」」

「じゃあ、私はカトリーヌと話してくるから、二人は少し反省しなさい。
今一番辛いのはカトリーヌだよ。」

「「はい…」」


そう言って、父はカトリーヌの所に行った。

「私…ダメね…すぐ熱くなっちゃう…」

「僕もです…まだまだです…」

「「ハアーー」」


それから自分の部屋へ戻り、殿下の事を考える。

殿下は王女に気がないのは分かってる。
でも王女との距離感に気付いていない。
カトリーヌとの距離と同じだ。

悪気が無いのも分かっている。
でも、悪気がないから余計に悪い。
それに気付かなければ、これからずっとカトリーヌは嫌な気持ちになるだろう。


あの人頭良いくせに、そういう事には鈍い。
明白あからさまに王女は気持ちを出してるのに。


「サイモン、入るぞ」
と父が来た。

「カトリーヌに言ってきた…もし殿下が何もしなかったら婚約は破棄にすると伝えたら泣かれた…」

「でしょうね!」

「手紙を陛下に書く。サイモン持っていってくれ。そして殿下を見ていろ。何も気付かないようなら連絡しろ。王女が来て一週間経った。あと三日で気付かなかったら、陛下に進言する。」

「了解、行ってきます。」

「ああ。殿下、気付いてくれるといいんだが…。」



そして、俺は王宮に行った。















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