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新婚編
カトリーヌ視点
しおりを挟む本日はリリー様とロナルド様の結婚式でした。
今は結婚披露パーティーの真っ最中でございます。
リリー様とロナルド様は続々押し寄せる招待客の方々の挨拶をしていますね。
今日のリリー様は輝いているように見えます。とても綺麗で見惚れてしまいます。
ロナルド様もそれはそれは美しくて眼福でございます。
今日はとても喜ばしい日です。
シンシアさんもお兄様と楽しげです。
こんな晴れの日に、
少し、少しだけなのですが、
私、落ち込んでいるのです…。
先程、ルイ様は次は私達だと言っていたのですが、本当に結婚出来るのでしょうか…。
今、隣国の王女様がお越しになっています。
隣りの国のオーランド国王とマクドリア国王は仲が良く、王太子の頃から時折お越しになっていたそうです。
国王になってからはあまりお会い出来ないようですが、お子様がお生まれになってからはお子様達が来るようになったのだそうです。
ですから、ヘンリー様とルイ様にとっては幼馴染みのような関係とでも言うのでしょうか。歳も近く大変仲がよろしいようです。
今回は王女様、マルガリータ様お一人で来られています。
ヘンリー様は大変お忙しいのでルイ様がお相手になっております。
仲が良くてよろしいのですが、気軽に話されるお二人の様子がとてもお似合いで、私はなるべく邪魔をしないよう気をつけています。
リリー様とロナルド様との会話には自然と入れるのに、ルイ様とマルガリータ様の会話には入れないのです。
私がまだマルガリータ様のことを何も知りませんからなのでしょうが、私には分からない幼い頃の話しやご家族の事を話されますと黙って聞く事しか出来ません…。
こんな調子で私は王子妃など出来るのでしょうか…。
諸外国の方々のお相手を出来るのでしょうかと思ってしまいました。
ルイ様とマルガリータ様に気を使わせてしまい申し訳ない限りです…。
それにチラホラ聞こえてくる噂も私には辛いものなのです…。
マルガリータ様の初恋はルイ様で婚約する予定だったと。
「カトリーヌ、どうした?」
とルイ様がこちらに来ました。
「いえ、リリー様が綺麗過ぎてボォーっとしてしまいました。」
「そうか、少し休むか?」
「大丈夫です。ルイ様はまだ戻らなく大丈夫ですか?マルガリータ様がお待ちでは?」
「あ~マリーは大丈夫だ。ロナルド達を祝う方が大事だからな。それより、本当に大丈夫か?顔色悪いぞ。」
「少し飲み物を飲めば大丈夫です。取ってきますね。」
「…そうか?なら俺が取ってくるから待ってろ。」
フウーなんだか気不味いです…。
「代表?大丈夫ですか?」
「シンシアさん!良かった…大丈夫ですよ。」
「何か殿下とあったんですか?様子が変ですよ。」
「何でもないですよ、気のせいです。」
「この感じ知ってますよ、あの時と同じです!」
「何の事ですか?シンシアさん。」
「いえ、こっちの話しです。いいですか、代表、一人で考え込むより回りを頼って下さいね。」
「カトリーヌ持ってきた。お、代理いたのか。」
「いますよ!それより、殿下はそんな呑気にしてたら酷い目にあいますよ!じゃあ。」
「おい、酷い目にってなんだよ!」
「カトリーヌ、あいつに何か言ったの?」
「いえ、顔色が悪いと心配して来てくださったんです。」
そう言うとルイ様は壁際に連れて行き椅子に座らせて下さいました。
「カトリーヌ、本当になんでもないのか?」
「はい。」
「・・・少し休んでいよう。」
リリー様に話してみましょうか…
そんな事を考えていますと視線を感じ、そちらを見てみますと、
お兄様がこちらを見ていました。
こちらを見た後、シンシアさんを見たので私も見ると、シンシアさんは親指を立て、大きく頷いています。
あ!何かお兄様に言ったんですね…
帰ったら尋問が始まりそうです…。
お兄様は殿下をじっと見ていました。
ルイ様もお兄様を見ています。
「カトリーヌ、今度ちゃんと話そう。話したい事があるんだろ?」
「・・・・よく…分かりません…。
ですが、気持ちの整理がついたらお話ししますので、今はご容赦下さい。」
「分かった。一人で悩むなよ。俺はいつでもカトリーヌの側にいる。」
泣いてしまいそうです…ですがここはお祝いの席です。泣いてなどいられません。
「はい、分かっています。ルイ様。」
と笑顔で答えます。
「なら、良かった。」
ルイ様に話す前にお兄様に聞いてもらいましょう。
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