1 / 143
卒業式編
シンシア視点
しおりを挟む今日は卒業式…嬉しいのに悲しい…。
三年間楽しかったけど、この一年は特別楽しかった。
ずっと見守り続けたリリー様とロナルド様。
そのお二人とお近付きになれて友達にもなれた。
春の香水薬物混入事件から、私を含め『愛でる会』が劇的に変わった。
リリー様とロナルド様に存在がバレたからだ。
ま、代表が突っ走ったんですけど。
私もあの時初めてロナルド様のアップを見ましたよ、倒れたけど。
破壊力が半端ないんですよ、あの人の顔。
とにかく、あれから代表が殿下と連むようになって、
私がお二人のお付きになったわけですけど、
あのお二人、見た目ホント派手なのにやる事は普通なんですよね~当たり前なんですけど。
親近感半端なくて、意外と雑な態度取っても怒る訳でもなく、アハハオホホしてるんですから。
それからは楽し過ぎてベッタリでしたね。
そんなこんなで、
卒業式が来ないといいなぁ、なんて思ったりしてたので、既に泣きそうなんですよ…。
いつもはリリー様達を見つけたら駆け寄るんですが、今日はダメです。
泣きますから!
あ~あ、始まっちゃった…。
殿下の挨拶だ。
あの人…ホントはあの人なんて呼べない人なのにお二人を通じて仲良くなれたからあの人って呼んじゃうけど、
あの人も良い人なんだよね~。
最初はちょっとツーンとして、その後チャラチャラしてた時もあったけど、
良い人なんだよ~。
お、始まった!
・・・・・グッ・・・ウグッ・・・ウェ・・・・ググッ・・ウッ・・ウッ…ウッ…
殿下の挨拶・・・ダメだ・・・・
涙が・・・・止まらない・・・
あの人、何なの・・・・
そうなんだよね・・・守る会は笑ったよね・・・
代表と殿下のやりとり、リリー様とニヤニヤして見てたっけ…
楽しかったなぁ・・・
あー終わっちゃう・・・
うんうん、忘れないよー!
「ありがとうーございましたぁーー」
エグエグ泣いてたら、代表が来て、二人で泣いた。
代表もオンオン泣いている。
殿下はこっちに来たいんだろうけど、次から次から人が寄ってきて動けないでいる。
「だい・・代表・・でん・・・殿下が・・こ・・こっちに・・来た・・そうに・・してます・・よ」
泣きながら話してもちっとも伝わらない。
「シン・・・・シンシ・・シンシア「あー…もう…いいです…よ…代表…グス…」」
と言ってまた二人で抱き合って泣いた。
気づけば殿下がやっと一人になったので、
突進した。
殿下の手を取り、
「殿下ーーーーー私、感動しましたーーーー。いつも小馬鹿にしてすみませんでしたーー。とっても良い答辞でしたーー。
今度、代表の姿絵書いて送りますーー!」
と私の想いを伝えた。
「そうだな、お前は小馬鹿にしてた。
でもありがとう、お前がいて楽しかった、シンシア代表代理。」
「⁉︎・・・殿下…ズルイです…こんな…卒業式に…名前…呼んでくれるなんて…うわーーーーーん」
「おま、デカい声で泣くなよ!カトリーヌ、助けて!ってカトリーヌも凄い事になってるな。」
「あんな素晴らしい挨拶を聞いて、泣かないなんて考えられません…ルイさまぁーーーーーーーーー」
「あーあ、ちょっと誰か、あ!リリーちゃん、ロイ、助けて!」
とこんな感じで結局またみんなで泣いて、
帰りに
「どなたですか?」
って顔に代表もリリー様もなってましたね。
いやあ、いっぱい泣いたけど、ホントに楽しい学院生活だった。
ホントにありがとうございましたーー!
応援ありがとうございます!
11
お気に入りに追加
394
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる