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お前が大っ嫌いだった
しおりを挟むミレーヌ視点
いくら待っても兄様は来ない。
必ず来ると思ってたのに、面会にも来ない。
あの人が恋人だったのではないの?
別の人なの?
だから来ないの?
私は間違えたの?
イライラして誰かに当たり散らしたい。
私が大声を出す度、怒鳴られるからまたイライラする。
あんまり騒ぐからお父様が来た。
「お父様!どうして兄様は来ないの⁉︎ねえ、どうして⁉︎」
「ミレーヌ、ジャニス様は・・・離婚の手続きをしている。
そして、命令されない限りここには来ない。」
「離婚⁉︎そんな事より私に聞く事があるでしょ⁉︎どうして私がこんな事やったのか、兄様は知りたくないっていうの⁉︎」
「ミレーヌ、もうジャニス様を解放しよう。
レグリス家とは縁を切るそうだ。」
「何を言ってるの⁉︎ジャックがいるでしょ⁉︎」
「ジャックはジャニス様の子ではない。レグリス家の子だ。」
「兄様がジャックを見捨てるはずないじゃない!」
「もうお前が何をしようが、ジャニス様は・・・ラインハル侯爵はお前に会うことはないし、我が家を助けてくれる事もない。そしてお前はここから出る事もない。」
「嘘よ、兄様はいつも最後は許してくれたわ!」
「ミレーヌ…お前がした事は今までしてきた事の比ではない。
人1人の命を奪おうとしたんだ。
それもラインハル侯爵の友人をだ。
今ではラインハル侯爵は王族にも伝手がある人だ。
我らは数多の重鎮の怒りを買った。
爵位も無くなるだろう。
もう私からお前にかける言葉は何もない。
お前には私の言葉は何も届かなかった。
大恩あるラインハル家にも迷惑をかけた。
幼いお前をラインハル家に連れて行った事をこれほど後悔するとは思わなかった…。
最後まで面倒はみるが、もうお前は娘でもない。
お前は人でもなくなった。
人でないお前を私は理解出来ないし、恐ろしい。」
そう言うとお父様は振り返らず帰って行った。
呆然と背中を見ていた。
そして、
「はあ⁉︎何それ!人じゃないって何よ!
娘じゃないって何よ!
お父様!戻ってきなさいよ!娘なのよ、お父様、私は兄様の側にいたいだけよ!
それだけなのに、何が悪いのよ!
ねえ、答えなさいよ!
早く兄様を呼んできて!誰か、早く呼んできてよ!
私は兄様の大切にしてる人を殺そうとしたのよ!早く、兄様を呼んでよ!兄様!兄様!」
鉄格子を掴んでガンガン揺らし、ずっと叫んでいたら、騎士隊員が来て、お腹を殴られた。
痛くて蹲ったら、
「うるせぇーんだよ!そんなに喋れんならとっと調書とらせろ!」
お腹が痛くて、大きな声が出せなくて、
「いや・・よ…兄…様を呼んで…よ」
毎日そんなやり取りをしてたら、見覚えのある男が来た。
兄様の友達、アントン・レーマンだ。
この男は苦手だ。
なにもかも知ってるみたいな顔で、私を鼻で笑う。
「こんなとこでも元気だな、ミレーヌ。」
「アントン様、私が呼んだのはジャニス兄様なんですけど。」
「ジャンは来ないよ、てか、俺が来させないし。」
コイツはいつもそうだった。
常に私を観察して、少しでも兄様の側に行こうとすると、すかさず間に入ってきた。
「お前さ、考えてる事がバレてるって思いつかないの?」
「何の事よ!」
「お前だってジャンはここに絶対来るって思ってたんだろ?
俺だって思ったもん。
だから、絶対行くなって言ったんだよ。
ミレーヌには絶対会うなってな。」
「あんたっていっつもそう!邪魔ばっかりする!」
「だって邪魔してるから。」
「ハア⁉︎何なの⁉︎なんであんたが邪魔するのよ!あたしは兄様に会いたいのよ!
話したい事があるのよ!
あんたには言う事なんて一言もないわよ!」
「その割にめちゃめちゃ喋ってるけど。
それで話したい事って何?」
「だからあんたじゃなくて兄様に話しがあるのよ、早く連れてきなさいよ!」
「俺がちゃんと伝えるよ、一言一句間違えずに伝えるから安心してよ。」
「だーかーらーあんたじゃなくて兄様に話したいって言ってんの!聞こえないの?」
「お前ってさ、昔からそうだよな、誰の話しも聞かない、誰にも話さない、ジャンだけ。
気持ち悪い。」
「気持ち悪いって何よ!だって他はいらないもの、良いじゃない!」
「ジャンはそうじゃねぇだろが!お前の相手ばっかしてらんねえんだよ!
子供じゃねえんだから、やる事いっぱいあんだよ!こんな牢屋に入ってる女の相手なんかしてる暇ねえよ!
さっさと取調べ終わらせて、うるせぇその口縫い付けろ、クソが!」
「な、な、何言ってるのよ、そんな汚い話し方で話しかけてこないでよ!」
「やってる事が汚ねえ奴に敬語も丁寧語も使わねえよ!
それで、何言いたいの?
俺が代わりに言ってやるよ。
お前が大人しくなったのは、ジャンに反省したと思わせる為、そしたらジャンはそのうち絆されてまた昔のように可愛がってくれると思った。
そのきっかけはジャンの評判が良くなったから。
そして、病院の待合室で雑誌を見て、ジャンの秘密の恋人を知って、一緒に載っていた姿絵の女性をたまたま見つけたから刺した。
これを伝えればいいんだろ?
あ、まだ伝えたい事があるな。
ジャンの評判をまた落としたら女は自分だけになる、恋人なんて許さない、だから殺そうと思った。“あの人を殺したのは兄様よ”
これもか?
これを言いたいんだろ?
間違ってる?」
「・・・・・・・・」
「ほらな、大当たりだ。ほら、行くぞ、俺からの攻撃はまだまだ続くぞ。
俺の言ってる事が間違ってたら訂正してくれ、
ジャンに会って最初にお前は何て言うかなあ~“兄様、ごめんなさい、私、あんな事するつもりなんかなかったの!”かな。」
「・・・・・・・・・・」
「あれ?まだ俺の番?
次は、“私、兄様が騙されてると思ったの。だって兄様は既婚者よ、兄様が間違った事なんかするわけないもの、あの女が唆したと思ったの、だから兄様の為にやったのよーーー”ってか?」
「違う」
「え?聞こえないよ。じゃあまた俺の番ね。
“兄様、私にはあんな小さなジャックがいるの、兄様助けて、ジャックを助けてーーー”とか。」
「違う、そんな事言わない。」
「じゃあ、“あの女はどうなったの?死んだの?私、ちゃんと心臓を狙ったのに死ななかったのね、残念だわ。ねえ、兄様、悲しい?好きな人が死んで悲しい?その人を殺した私が憎い?憎いでしょ?これで兄様は私を忘れないわ、兄様は一生私を憎んで忘れられなくなった。アハハハ、これでずっとよ兄様ーーー”
ラストはこれだな。」
「違うって言ってるでしょ!」
「じゃあ言えよ。何をジャンに言うつもりだった?」
「それは・・・」
「じゃあ正解って事で。このセリフを一言一句、ジャンに伝える。
ミレーヌからの伝言だってな。
じゃあな、もう会う事もないけど。」
「待ちなさいよ、勝手に決めないでよ!
そんな事言いたいんじゃないわよ!」
「だから、何だって言ってんだよ!
間違った事一つも言ってねえから言い返せねえんだろうが!
こうやって何年も何年もジャンを縛って苦しめてきた。
俺はお前が大っ嫌いだった。
依存して執着して、自分はジャンに癒してもらうのに、ジャンの事を癒そうとはしない。
奪うだけ奪って、何も返さない、それは盗賊と同じだ。
俺が言ってる事が間違ってんなら、訂正してみろ、何ら間違ってねえだろ、なあ、ほら、言ってみろ。」
「うるさいうるさいうるさい!そうよ、その通りよ、これで前と同じになったと思ったわよ!
これで私だけが兄様の近くにいられるって思ったわよ!
なのに兄様が他の人を好きになるなんて思ってもいなかった!
反省してるフリして大人しくしてたら、また可愛がってくれると思った!
ジャックさえ可愛がっていたら絶対私から離れないって思ったのよ!
だから邪魔な奴はいなくなれば良いと思って何が悪いのよ!
昔から兄様は私のものなの!
私だけのものなの!
ずっと邪魔なものは消してきたもの。
だからあの女を刺したのよ!いつでも殺せるようにナイフを持ち歩いてね!」
「俺んとこにお前の父ちゃんが来たんだわ。
前に俺がちょっと説教したから。
で、頭を下げるんだよ、自分の話しは何も聞いてはくれないから、俺ならお前が話すかもしれないから、話してくれって。
早くジャンをこんな事から解放してやって欲しいってさ。
いつまでもレグリス子爵家と関わらせてはいけないからってね。
ねえ、これ聞いてなんとも思わないの、お前。
ずっとお前を諭し続けた、たった1人の親父がお前を見放した。
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その親父に見捨てられた事も分かんねえの?」
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誰の話しも聞かないのも一種の病気だ。
親父さんには治せない。
親父さんはもっと早く治療させるべきだった。」
「・・・・・最初は褒めてもらえるのが嬉しかった。
お父様やお母様に褒めてもらうのとは違う、
いつまでも忘れない嬉しさだった。
それを手放したくないと思った。
誰にも渡したくないと思った。
私だけを褒めて欲しいと思った。
頭を撫でて欲しかった。
他の女の子を褒めるのが許せなくなった。
他の女の子に笑いかけるのが嫌だった。
私以外の女の子と一緒にいるのが嫌でたまらなかった。
でもそれを言うと兄様は私を注意した。
初めて褒められなかった。
兄様には叱られたくなかった。
だから隠した。
バレないように、見つからないように。
他の子に嫌がらせを沢山して兄様の側にいられないようにした。
嘘もたくさんついた。
それが普通になった。
お父様はいつも私を怒った。
何度も何度も怒った。
そのうち慣れてなんとも思わなくなった。
ほんの少し反省すれば何日かで終わるから。
そんな事をずっとしてたから、それが普通になった。
ジャックに手を上げた時、初めてお父様が本気で私を捨てようとした。
その時、やっとお父様の言ってる事が分かった。
ちゃんと反省もしたし、自分が兄様に酷い事をしたのを自覚した。
ジャックがちゃんと私の子で、人間なんだと分かった。
でも、兄様の社交界での噂を病院の女の職員が話しているのを聞いて、渡さないと思った。
でも兄様の顔を見たらまた同じ事をすると思ったから、顔を見ないように、喋ったらバレるから黙った。
ジャックだけ見てようと思った。
でも、雑誌で兄様の姿絵を見たらダメだった。前と同じになった。
その後はあんたが言った通り。
黙ってたら兄様に会えると思った。
私の病気は治らない。
兄様が生きてる限り治すつもりはない。」
「隊員さん、記録は取れた?」
「はい。」
「ミレーヌ、最後に、なんてジャンに伝えてほしい?」
「悪い事をしたとは思ってない。それだけ。」
「分かった。じゃあな。」
そう言ってアントンは帰って行った。
涙も出ない。
悲しくもない。
ただジャックに会いたいなぁと思った。
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