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先ずは息子から

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ノア視点


エリーが我が家から居なくなってから、急激に事が動き出した。

王太子が陣頭指揮をとり、ジャニス様が回収した薬を足掛かりに先ずはアルバス伯爵の嫡男、ゲルトを拘束し、薬の事を追求した。
ビビったゲルトは、
薬の作用を確認する為に娼館で薬を使えと父親に命令された。
バレないように使い過ぎるなと言われていたのに、調子に乗ってばら撒いてしまった。
面白い薬がたくさんあって使ってみたかった。・・・・だそうだ。

今俺は、団長に付き合って尋問を見ているが迫力が半端ない。

「お前が薬を取り寄せて勝手にやったんじゃねえって証明出来ねえだろ?
親父に命令されたって、なんか証明出来るのかぁ、おい!」

「俺は薬なんか取り寄せてないし、勝手にもやってない!
親父はちょこちょこ知らねえ男と会って、薬貰ったり、なんか書類渡したりしてるの見た事あるだけだよ!
その薬を俺に渡して一回試してこいって渡されたんだ!
娼館に親父の金で行けるから、適当に言って何回か薬貰っただけだ!
親父の部屋になんかあるかもしれねえけど、俺はなんも知らねえよ、本当だ!」

「どんな男に会ってたんだよ、適当言ってんじゃねえぞ!」

「適当じゃねえよ!茶髪の青い目の男だよ!
名前は知らねー!
それに一回だけだ、会ったのは!
親父は何回か会ってたかも知んねえけど!」

「嘘付いてたらただじゃ済まねえぞ!」

「嘘じゃねえって!あ、妹も会ってた!
妹の方が知ってる!
アイツと妹が部屋に入っていくの見てたから本当だ!
妹、フィリアに聞けよ!」

フィリアって…

「親父さんから何かしらの証拠が出ないとお前がこの事件の黒幕だ。
“この事件”ってどの事件か分かってる?
知らない事件もお前の仕業って事になるの。
だから必死に考えろ!
親父が仕組んだ証拠だって事をちっちぇ~事まで思い出せ!」

そして団長は俺を尋問室から出し、

「急いでフィリアって令嬢連れてこい。成人してるから親の許可はいらない。任意で聞きたい事があるって連れてこい。
屋敷にいるなら外で捕まえろ。
親父に、伯爵に見つかるなよ。
おそらく伯爵は、息子の事は捨てる。
だから娘は極力協力してもらう体で連れてこい。」


俺とベンダー、あとは同僚2人の4人体制で向かった。

アルバス伯爵邸に着いた後、2人は離れていてもらって、俺とベンダーが屋敷の門番に声をかけた。

「済まない、巡回中なんだが、最近若い令嬢を狙った拐かし事件があったんだ。
年頃の令嬢がいる家には声をかけるようにしている。
こちらの令嬢がもし出かけるているなら気をつけるように伝えてほしい。
今は在宅か?」

「今お嬢様は外出しています。護衛はついておりますから大丈夫だと思いますが、お伝え致します。態々ありがとうございます。」

「ちなみにどちらに?」

「買い物に出かけると聞いておりますから街へ行かれたと思います。」

「ありがとう。では失礼する。」


離れていた2人と合流し、街に向かった。
令嬢が行きそうな場所の馬車停めに行き、アルバス伯爵家の家紋の付いた馬車を探した。
御者がいたので、フィリア嬢が誰と何処に向かったのか聞けば、護衛は付けず男と出かけたと言った。

何やってんだかと思うが、丁度いい。

1組は馬車に残り、俺とベンダーが街を探すと、人気のカフェに男とイチャイチャしながらお茶を飲んでいた。
顔は騎士団に精巧な姿絵があったので、借りてきていたので間違いない。

店の外で出てくるのを待った。

1時間程して店を出てきた所を捕まえた。
相手の男は俺達の制服を見て、逃げて行った。
「あんた達何なのよ!私が誰か分かっているの!」

「ええ分かっていますよ、アルバス伯爵令嬢。
兄君の事でお聞きしたい事があります。

兄君は、貴方のある事ない事を言っているのですが、このままでは恥ずかしい記録が騎士団に残ってしまいますので、訂正して頂きたいのです。一緒に来て頂けますね。」

「ハア⁉︎何それ⁉︎お兄様が何を言っているっていうの⁉︎」

「ここではちょっと・・」

「分かったわよ!行くわ、アイツ絶対許さないから!」

「ありがとうございます、では参りましょう。」


なんとかフィリア嬢を騎士団に連れて行く事に成功した。















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