信じないだろうが、愛しているのはお前だけだと貴方は言う

jun

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復讐相手は…

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ノア視点


ベンダーの話しを聞いた後、パトリックに起こされ、エリーの話しを聞いたが、子供の事も俺の事もどうでもいい感じである事しか分からなかったが、初日なのでこれからも継続すると言われ、頷くしかなかった。

パトリックにベンダーの話しをすると、
「その相手に話し聞いてみたいな。直接、あの女に聞いた方が早いんじゃないか?
あの女、多分正直に言うぞ。
多分証拠が見つからない自信があるんだ。」

そして、父がエリーに男と宿屋に行ったかと聞きにいってくれた。
その答えは、

「働き先を探していた時、あの方と知り合いになり、あの店に口利きしていただきました。宿屋に行ったのは、転んでドレスが汚れてしまい、たまたま一緒にいたので二人で宿屋に入っただけです。」

と淡々と話したそうだ。

相手の事も、
「あの方はあの店にお酒を卸している業者の方です。」
と素直に教えたという。
その男に話しを聞きにいっても、
「わ、私は、一緒に、宿屋に入っただけです!な、何もしてません!」
としか言わず、それといって何も打開出来る話しもなかった。

薬の方も、過去の事件を調べてみても、似たような薬の使用はなかった。

ただ、ジョシュア殿が
「王族が管理している薬に似たものはあるが、そんな薬を男爵令嬢が手に入れる事は不可能に近い。他国への伝手があるなら考えられるが、その伝手も下っ端ごときが手に入れるなど絶対ない。」
ということだった。

似た薬はあるらしいが、エリーにそんな薬を手に入れるなんて出来っこないだろう。

確かに一時、怪しげな店に出入りしていたらしいが、何も購入した記録はなかった。

もう…手詰まりだ。

父やパトリック、ベンダー、団長、ジョシュア殿、それぞれが出来る限り手を尽くして何か手がかりはないかと動いてくれた。

でも、何もなかった。

ララに会いに行ったり、ララからの手紙でなんとか毎日を過ごしているが、このままではララではなく、エリーと結婚する事になってしまう…。

そんな時、パトリックが、

「ノア、俺も立ち会うから一度あの女と話してみたらどうだ。
思ってる事全部言ってこい。
あの女がなんて言うか俺が見ておく。
そろそろお腹も目立ってきている。腹を括れ。」

と言われた。

それもそうだ。
逃げてる時間はもうない。

そう思い、今エリーのいる部屋で、久しぶりに顔を合わせている。

「久しぶりだな。体調はどうなんだ?」

「はい、悪阻も落ち着いて、今は日々穏やかに過ごさせて頂いております。」

「今日は聞きたい事があってきた。
猫を被る必要はない。腹を割って話そう。
敬語もいらない、俺も普通に話す。

先ず、お前のした事の確固たる証拠が何も見つけられなかった。
でも薬を使ったのは明白だ。
なのに証明出来ない。
まんまと、俺の子供を身籠ったのに全く喜ばないし、俺にも会おうとしない。
お前は一体何がしたいんだ?」

「私はあなたに襲われたから責任取ってもらいたいだけ。
襲われたのに、子供が出来て喜ぶ女はいないわ。」

「俺は襲ってない!」

「襲ってないって証明出来る?私、処女だったのよ?ちゃんと見たでしょ、私の血を。
そんな女が自分であなたの逸物、挿れられる?」

「お前、店で働いてた時と随分感じが違うんだな。騙された。」

「客商売なのに、こんな姿見せるわけないじゃない。」

「ハア~、お前、本当に処女だったのか?
何か仕込んでたんじゃないのか?」

「何回言わせんの?あんたも見たでしょ、血を!」

「お前のあの時の姿は、娼婦みたいだったからだよ!動けない俺の上で一人ヨガって腰降ってただろうが!さっきまで処女だった女が騎乗位なんてするわけねえだろうが!」

「したかったからしたのよ、気持ち良かったから!」

「クソッ!だから、なんでこんな事したんだって聞いてんだよ!」

「あんたが急に襲ってきたって言ってんでしょ!何回同じ事言わせんの!」

「じゃあ襲われた男に媚薬まで飲ませて自分と関係持たせたのはなんでだ?
それも態々ラミリアに見せつけるように!」

「あんた達有名カップルだったもの、あれくらいやらないと、あんた達別れないでしょ?今でも続いてんのかもしれないけど。」

「見せる必要なんかないだろうが!話し合いで相談するつもりだったんだ!
それをお前は台無しにしてラミリアを傷付けた。俺がお前に無体を働いてたとして、俺に復讐するなら分かるが、ラミリアには関係ないだろうが!」

「関係あるわよ!あんたの大事な婚約者だもの、関係ないわけないじゃない!」

「本当にお前はクズだな。でもそんなクズでも、お前が俺を嫌いでも俺とお前は結婚するしかねえんだよ!」

「いいんじゃない?別に仲良しこよしなんてする気さらさらないし、夜会は大事な時だけ一緒で、食事も寝室も別にして、子供は乳母に任せて、何年かしたら離婚すれば?
その後、大好きな優しい婚約者さんと結婚すれば?私との子供がいるけど。
お優しいから分け隔てなく育ててくれるんじゃないの?」

「てめぇー、その言い方やめろ!それにお前、こうなる前に俺達に会った事ねえよな?なんでラミリアが優しいって知ってる?」

「貴方達有名だからよ!」

「でもお前の言い方は、ラミリアに会って接した事がある言い方だった。
お前、どこで会った!」

「会った事も話した事もないわよ!知り合いがそう言ってたのよ!」

「知り合いって誰だ!」

「忘れたわよ!もういいでしょ!お腹が張ってきたわ!」

「・・・また来る!」

「来なくていいわよ!来ないで!」

「また来る」


部屋を出た後、パトリックも出てきたので、

「思い出した。あいつの元婚約者、ララに助けてもらった事がある。
元婚約者と話してくる。」




そして、婚約解消の理由をしった。

おそらくそれが原因で、復讐相手はララだと分かった。














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