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ウエディングドレス
しおりを挟む卒業まで後半月…
私は今結婚式で着るドレスを着ている。
最終調整の為だ。
それも三着目だ。
結局、ロイ、お母様、おば様の意見が合わず、三着作って見てから決めようとなった。
「やっぱり最初のが良かったわね。
見た目からは想像出来ない大雑把さが上手く隠せて良いわ~」
「違うわよ、二着目よ!
リリーちゃんの可愛らしさ、且つスタイルの良さを活かし、そしてリリーちゃんの落ち着きの無さを明るさで誤魔化せる、それが活きるのはこれよ!」
「二人とも分かっていませんね、リリーの良さは中身と違った儚さと庇護欲です。
見た目赤子のような可愛らしさを持っていながら、やる事のガサツさ、そのギャップが堪らないんです。
ですので、色はこの淡いピンク以外ありません!」
「・・・・・・なんだろう…褒められてる気がしない…」
「何言ってるの、リリー!みんなこんなにあなたの事を理解して作ったのに気に入らないの?」
「いや、どれも素敵だけど、このドレスの意味を聞いたら、何だかなぁと思って…」
「リリーちゃんはどんなのが良かったの?
リリーちゃん、ちっとも話しに入ってこなかったから興味ないのかと思ってしまったの。ごめんなさいね…」
「おば様、私が選ぶより三人に選んでもらった方が似合うものが出来ると思ったから口出ししなかっただけだからいいの。どれも素敵で選べないだけですよ。」
「そう?リリーちゃんに似合うと思ったのだけど…」
「私もよ、もっとリリーの意見を聞けば良かった…」
「デザインの問題ではないんだけどね…」
その時、
「ちょっといいか?」
とお父様が入ってきた。
そして大きな箱を渡してきた。
「私もな、リリーに似合うだろうなぁ、着て欲しいなぁと思って作ったんだ。
見てもらえるかい?」
開けてみると、真っ白なドレスだった。
ハイネックで胸元から首、袖がレース網になっており、腰からはふんわりと何層にものレースが丈を変えて重なり、小さな真珠が所々に付いている。
シンプルだけど物凄く綺麗で素敵だ。
「・・・綺麗…」
「このドレスを着たリリーと腕を組んでお父様と歩いてくれたら嬉しいなぁ~なんて思ったんだよね、マリアに怒られそうで今まで言えなかったけど。」
「お父様、とっても素敵!こんな素敵なドレス見た事ないよ!」
「そうかい?着てくれるかい?」
「うん、コレがイイ‼︎」
「ありがとうーーリリー!」
「悔しいわ~アランに負けるなんてーーー」
「本当ね~でもとっても素敵ね、リリーちゃんに似合いそうだわ。さすが父親ね~」
「まさかアラン父様に負けるなんて…あのアラン父様に負けたなんて…」
「ちょっと、ロイ君、“あの”って何?“あの”って!」
「リリーのこの性格は、アラン父様から受け継がれてしまったんですよ!
大雑把で落ち着きがなくて雑で適当な所を!
でもそこが可愛いと思わせる絶妙な雰囲気、
“もうこの人ったら憎めないんだから~そこが可愛いのよね”って感じ、そっくりじゃないですかー!」
「あれ?褒められてる?貶されてる?どっち?」
「「「そういうとこよ(ですよ)!」」」
「リリー、リリーは僕にそっくりなんだって。良かったね。」
「うん!」
「「「・・・・・じゃあ、それで決定。」」」
こうしてドレスは決まった。
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