私の婚約者の苦手なもの

jun

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五人で会議

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グランディ家サロンにて。


「・・・・という事なのよ。」とマリア。

「それは本当のことなんだろうか…」
とレイモンド。

「嘘には聞こえなかったけど、本人から直接聞くのが一番だと思うわ。
もうヤケクソみたいよ。」

「離縁をしたくて散財って…」

「どうでも良くなってしまったんじゃないかしら。考えるのも嫌になってたんじゃない?」

「あの時、ちゃんと話しを聞けば良かったんだな…てっきりやられたと思ったから、そうとしか思えなかった…。」とカイル。

「だってあの時はもう夜会の時から薬を盛られたと思ってたから仕方ないわよ…。でも騒ぎ過ぎて言えなかったのね…。」とシェリル。

「僕もそうとしか思えなかった…見た目で判断してしまった…彼女は助けてくれてたんだな…」とレイモンド。

「まあ、過ぎた事は仕方ない。これから彼女と娘をどうするかだよ。」とアラン。

「一年後に離縁するんでしょ?でも彼女、もう限界みたいよ、食事もろくに食べてないみたい。」

「娘は元気なのにね!」

「籍を抜くのは一年先だとしても、本人が望むなら他に住む所見つけて、ここから出してあげたら?もう貴族はコリゴリって言ってるし。」

「そうだな…元々妊娠してなかったら慰謝料は払うつもりだったんだ。すぐ住める家を探してみるよ。」

「でも娘は騒ぐんじゃない?凄い子何でしょ?会った事ないけど」

「そうよ~凄いんだから!私、初日に扇子一つ、潰したわ!」

「娘かぁー少し学院の様子も聞いてみよう。ロナルドが帰って来たら聞いてみるか。」

「問題起こして、退学とかになったら解決するんだけどね。」

「起こしそうね、あの子。男の子追いかけ回してるんじゃない?」

「あの学院でそんな事したら、ルイジェルド殿下が許さないだろう?」

「意外と殿下が追いかけられて、途方にくれてるのかも。あの子、何言われても、な~んとも思わないから。」

「無知って怖いわよね…」

「でも『愛でる会』がなんとかするんじゃないか?リリーとロイ君が絡んでるから。」

「「「『愛でる会』って何?」」」

「あはは、僕達と全く同じだ。」

「そうね、初めて聞いた時は二人で聞き返したもの。」

「それで、『愛でる会』って何なんだよ。」

「『愛でる会』はね、ロイ君とリリーを見守る会なんですって。それも、その会の代表やってる子、イーガー家よ。」

「「「イーガー家!」」」

「ビックリするでしょう?だから二人が困った時はなんとかしてくれるらしいわ。」

「王族の影の家か…ロナルドとリリーちゃん、凄いの後ろに付いてるなぁ。」

「だから娘の方も何とかなるんじゃないか?」

「そうだな…先ずは帰ってきたら聞いてみよう。ロザンナには直接確認してみる。」

「そうね、本人に聞いてみましょう。何だか悪いことしちゃってたのね…自分も薬の被害者なのに…」



「「「「「・・・あ!」」」」」

「そうよ、薬よ!結局誰が盛ったのよ!」

「そうだ!誰がやったのか分からないままだ!」

「でもなんで僕だったんだろう…」

「そうだな、レイモンドは夜会にほとんど行かないのに。」

「今更調べられるの?」

「難しいな…聞くだけ聞いてみるが…レイモンド、あの時どこの夜会だった?」

「えーと、あの時は…何処だったかな…
あ!思い出した!ロックハート男爵だ!」

「ロックハート…ロックハート…ん?ロックハートって・・・ロザンナの最初の旦那の家だ!」

「「「「あ!」」」」

「今更どうして?タニヤが十七だからもう十八年前よ!」

「調べないと分からないな、でも何故レイモンドなんだ?」

「とりあえず調べてみよう。しかしそんな昔の事が絡んでるなんて気付かないわな。ウチで調べるが、アランの力も貸してもらえると助かる。」

「そこは大丈夫だよ。未来の息子の家の事だからね~!」

「そういや、お前な~ウチの息子に父様なんて呼ばせるな。」

「なんでだよ!可愛かったんだ、『アランとうちゃま』って呼ぶのが!」

「そうよ!『マリアかあちゃま』…可愛かったわ~」

「ねえねえ、ウチの息子なんだけど!私だって、『かあちゃま』って呼ばれてたもの!」

「それ言ったら僕だって『おいちゃま』って呼ばれてたぞ!アイツはホントに可愛かったなぁ~」

「待て待て、『とうちゃま』が一番可愛かったぞ!」







「あのさ、僕の小さい時の話しをいつまでも言わないで欲しいんだけど!そして、
ただいま。」

「カイルおじ様、シェリルおば様、レイおじ様、お久しぶりです。
お父様、お母様、ただいま。」


「あら、二人ともどうしたの?」

「実は、タニヤがやらかしまして…」



「「「「「やっぱりな(ね)」」」」」


「あの子何をやらかしたの?」

「タニヤはルイジェルド殿下を追いかけ回して、とうとう学院から何かしらの処分が下されるかと思われます。」

「ロナルドの次は、殿下を狙ったんだな、やっぱり。」

「そのようです。殿下からどうにかしてくれと要請があったので、皆の協力で接触を避けていましたが、今日はその妨害を突破したところを淑女科の先生に見つかり、学院長に報告するとのことなので、叔父上に連絡があると思います。」

「分かった、対応する。」

「ねえねえ、ロイ君、協力って『愛でる会』のメンバー?」

「そうです。」

「やっぱりね~さすがイーガー家ね!」

「いえ、今回の件にカトリーヌ嬢は関わっていません。」

「え?じゃあ誰がやったの?」

「ほぼ全員です、生徒。」

「えーー『愛でる会』欲しいわね。」

「まあ、学院から連絡来てからだな。」

「そうね、今日は解散しましょうか。」



この日の五人会議は解散となった。















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