私の婚約者の苦手なもの

jun

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愛でる会 大活躍

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次の日から、[守る会]は行動を開始した。

私は代表なので率先して、

と思ったらロイに止められたので、代理に降格した。
ロイは昇格し、代表だ。

ロイが指示を出す。


「先ずは共用箇所の見張りだ。
タニヤの見張りも本来なら必要だが、アイツの行動範囲はネズミ並に豊富だ。
何処からでも出没する。
なので、共用部分の出入口の見張りを強化する。
タニヤが殿下に近づく目的で現れた場合は、即座に邪魔をしろ。
アイツは勉強の為に動く事はない。
ほぼ殿下が目的で現れる。
殿下の護衛は男なので、タニヤに触れない。
そこで会員の出番だ。
防衛線を越えられたら、殿下の周りをさりげなく囲め。
近づき過ぎないように。

見張りは二人一組だ、伝達要員は見張りとは別に編成しろ。
殿下の位置確認の要員も忘れるな。

以上。解散!」


「「「「「「御意」」」」」」


何人いるの?見えないところにもいるの?

そしてここ、中庭なんだけど、
皆んな見てるけど、
見てる人全員返事したけど!


こわ!

でも、これでなんとかなるかも!


それにしても、
「ロイ、ノリノリだったね。」

「なんかたかぶった。」


「後はどれくらい効果があるかだね」

「そうだな」




〈学院別館 淑女科出入口〉

「対象が出てきた。伝達よろしく。」
「了解」
「殿下は今講堂に向かっています。」
「了解」

〈食堂出入口〉
「対象、別館出ました。警戒して下さい」
「了解」
「殿下は講堂」
「了解」

〈講堂までの廊下〉
「対象が別館を出ました」
「了解」
「殿下は只今講堂です。」

「対象、講堂近くまで、接近。」
「了解。それでは行動開始。」





「きゃあ」
「黒いテカテカした虫が出たわーーーーー」
「きゃあーーーーー」
「そっちに行ったわ」
「そこのあなた、そっちに行ったわよ!」

「え?・・キャアーーーーーーーー」


「対象撃退。次は昼休み。伝達は見張り組へ。」



〈淑女科出入口〉
「只今、対象確認しました。帰還します」



こんな感じで妨害行為をしてたそうです。(後日談)



数日後、とうとう防衛線が突破された。
ことごとく、殿下の接触を妨害されたタニヤがキレた為、あらゆる妨害が突破された。


接触は食堂。

それも殿下、ロイ、リリーナ、カトリーヌが揃っている所に。


「はあーーーー何なの、一体!
やっと見つけた!

殿下~~~会いたかったですぅ~~」


「リリー、行くぞ。」
「うん!」


「タニヤ、殿下に近づくな!お前が近づいていいお人ではない!」

「あ!ロナルド、久しぶり~」

「そこから動くな!お前、いい加減にしろ!」

「私は殿下とお友達になりたいだけだもの。別にいいでしょ?」

「良くないから言ってる!お前、淑女科がなんで本館から離れてるか考えた事あるか?
お前みたいな礼儀も知らないヤバい奴が、王族に危害を加えさせないためにだ!」

「はあ?なにそれ。」

「お前のその口の利き方もだ。その口の利き方直してからこい!そもそも、その態度を直す為にこの学院に来たんじゃないのか、お前ホントに何しに来たんだ。
飯食ったら帰れ!」



その時、

「ロイ、淑女科の先生連れて来たよ。」

「何事ですか。・・・またあなたですか、エール子爵令嬢。」

「ゲッ!」

「ハアー、貴方の事で他の先生達や生徒からも苦情が出ています。貴方の事は学院長に報告します。とりあえず食事をしたら教室に戻りなさい!」

「・・・はい」

先生が戻っていった…
タニヤさんは、何も食べずに食堂を出ていった。


「オイオイ、これどういうこと?トリーちゃんは知ってる?」
と殿下。

「わたくしは何も知りません。」

「食事しながら説明しますよ。
皆んな、ご苦労。」

「「「「「「御意」」」」」」


「え、え、ナニ?お前、生徒全員仕切ってんの?」

「違いますよ、今回だけです。」

「怖いんだけど…。」


そして、殿下とトリーちゃんにこれまでの事を説明した。


「そんなお手間をお二人にかけてしまったんですね。それにしてもわたくしには何の連絡もなかったのですが。」


「そりゃそうだよ、殿下とトリーちゃんの為に頑張ったんだから!」


「「⁉︎」」

「あの、それはどうして…」

「オレがトリーちゃんとの時間をアイツに邪魔されるってロイ達に相談したんだ。それでロイ達が何かしたんだろう。」

「な、何を言っているのですか!皆さんが誤解してしまいます。」

「別にいい、オレは。」

「な、な、な、何を「まあまあ、トリーちゃん、ご飯食べよ。」

「殿下、お二人の時に告白して下さい。食事出来ません。」


「だな。トリーちゃん、後でな。」


その後、トリーちゃんは真っ赤になったまま震える手でサンドイッチを少しだけ食べていた。

頑張れ、トリーちゃん!












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