私の婚約者の苦手なもの

jun

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ロザンナの告白

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マリア視点


ロイ君から事情を聞き、グランディ家に来ている。

グランディ家の奥様、シェリル様とお茶をしながら別邸の事を聞く。

「シェリル様、別邸の方の事聞きしました。大丈夫?」

「ロイから聞いたのね。
そうなの!娘のタニヤが酷いのなんの。
口の利き方も出来ないのよ。
私、あの子と話していたら具合が悪くなったもの。
あの後妻さん、何も話さないので、何を考えているのか分からなくて怖いわ。」

「そうなの?その娘さんはやっぱりロイ君狙いなのかしら?」

「だと思っていたの。最初はビックリするほどロイに言い寄っていたのに、二日目位からピタッと騒がなくなったの!
それはそれで、何が狙いなのか分からないからちょっと怖いわね。」

「ロイ君の事は諦めたのかしら?」

「どうなのかしら。ひょっとしたら学院に誰かお気に入りが出来たのかもしれないわね。」

「だといいけれど。
ほら、前にロイ君に恋慕してリリーを襲った子がいたでしょう。
だから心配していたけど、大丈夫そうなのかしらね。」

「ロイ以上となると、殿下辺りかも知れないわね。あの子何も考えてなさそうだから。」

「フフフ、あり得る話ね。」

「ところで、別邸の方はこちらに来たりはしないの?」

「来ないわね~娘は最初来ようとしてたけど。」

「へー意外ね。」

「そうなの!絶対来ると思っていたのに、全く来ないのよ!
何してるのかしら?」

「私、ちょっと見てくる?」

「やめなさいよ。絡まれるかもしれないわよ。あなたは相変わらず好奇心旺盛ね、フフ」

「だって気になるじゃない、後で行ってきてもいい?」

「遠くからよ、何があるか分からないから!」

「わかってるわ、大丈夫、任せて!」

「ホントにもう、気をつけてよ。」



そうして帰り際、別邸に行ってみた。




庭を歩いている、色っぽい女性がいた。

あの人かしら?

なんだか暗い感じの方ね…

あ!転んだ!


・・・・・あれ、起き上がらないんだけど。


うーーーーん、行くしかないか!



「あのう、大丈夫ですか?」

「・・・・・・」

「起きてます?え?気絶してる?
ヤダ、誰か、誰か来て~女性が倒れてるわよーーーー!」


その後は使用人の人に運んでもらい、ベッドに寝かせた。


大丈夫かしらこの人。


顔も見たし、帰ろう。


と思ったら、目を覚ました。


「大丈夫ですか?あなた庭で倒れたのよ。」


「そうですか…」

「体調悪かったの?」

「いえ、そういう訳ではありません…」

そう言うと、急に泣き出した!

え?え?どうして?


「えーと、どうかしたのかしら?」

「私・・・どうすれば良かったのでしょう・・・もうどうしていいか分からない・・・・」

「話し…聞きましょうか?」

「私…見た目がこんなんだから良く思われなくて…いつも嫌われて…しまって…」

あら?この方思ってた感じと違うような・・


「それで?」

「最初の結婚もしてくれなくてよかったのに・・・。」

「それで?」

「その後すぐ若旦那様が亡くなって・・・誰も私の味方はいなくて・・・」

「うんうん」

「私が殺したんじゃないかって言われて・・・私何もしてないのに…」

「殺してないのね?」

「私、殺してなんかいません、唯一の味方なのに」

「そう言われてみればそうね~」

「でも誰も信じてくれなくて…」

「その後、男爵の所に嫁いだのね?」

「はい」

「男爵はとても良い方だったので、それなりに幸せでした。タニヤも生まれましたし…」


「ねえねえ、あなた、私の事知らないのに、そんな事話して良いの?」

「もうどうでもいいんです。でも、もう耐えられなくて…誰かに聞いてほしくて…」

「なるほど。では私が聞きましょう。私はマリア・ワソニックです。
貴方のお名前、聞いてもいいかしら?」

「はい、私はロザンナです。」

「よろしくね。じゃあ、続けて。」

「はい、それでは続けます…
男爵家ではそれなりに幸せでした。
ロザンナはあんな風になってしまいましたが、平民に嫁いでもいいかと思っていたので気にしませんでした。

二年前に男爵が亡くなって、一年前平民の人と付き合い始めました。その人と一緒になってもいいかと、思っていました。

最後だからと夜会に行ったら、エール子爵とあんな事になってしまって…。
私は運んだだけなのに…。

あの時の水を飲まなければ、こんなことにはならなかったのに…」

「待って待って!貴方が飲ませたんじゃないの?」

「私は子爵を運んだだけです…途中で使用人に水を頼んで、それを飲んだら…」

「使用人が持ってきた水を飲んだのね?」

「はい…子爵にも飲ませました、具合が悪そうだったので…」

「なるほど…」

「その後は私もよく分からないうちに子爵の屋敷に連れて行かれました…」

「そこでその話はしなかったの?」

「頭がボォーっとしていて…ただ怖くて…」

「その時言えなかったのね。」

「はい。家に帰ってからは具合が悪くて、何度も子爵から呼び出しがありましたが、動けなくて…」

「医者には?」

「その後診てもらいました…妊娠していました。時期的に子爵の子ではありませんので、彼の子だと思い、彼に連絡したら…会えなくなりました…」

「まあ!酷い男ね!」

「何度も連絡して、探しました。でも会えなくて…その時には三週間経っていました…」

「それで、三週間も経ってからだったのね」

「どうでもいいと思って、子爵の家に行きました。妊娠したと言ったら、子爵の子だと思われて、咄嗟に今後の生活の事を考えたら、演技をしてました…」

「どうして、その時正直に言わなかったの!慰謝料ガッポリ貰って終わったのに。」

「今は私も、そう思います…でもあの時は何も考えられなくて…咄嗟に…。」

「そういうことなのね…」

「その後、心労がたたったのか子供は流れてしまって…また疑われてしまって…。
もうどうでも良くなって散財しました、
離縁してくれるかなと思って…。そしたらここに…」

「離縁したかったの?」

「はい、もう貴族はこりごりです…」



「そう…分かったわ、私に任せて!ここまで聞いて何もしないなんて、有り得ないもの!」

「本当ですか?助けてくれるのですか?」

「もう大丈夫だから少し休みなさい。貴方、ろくに食べてないんでしょう?ダメよ、食べなきゃ!」

「ありがとうございます・・・こんなふうに・・・ちゃんと話しを・・・聞いてくれる人は・・誰もいませんでした・・・相談出来る人も・・いなかったので・・・」

「大変だったわね…もう大丈夫だから。」

「ありがとうございます、ありがとうございます…」



そして、私はグランディ家に蜻蛉返りして、
今の話しをシェリル様に話した。

みんな揃った時に、また改めてとなり家路に着いた。









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