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どうでもいい
しおりを挟むロザンナ視点
ハア~こんな所に来たくなかった。
意外と前の旦那の男爵はいい人だった。
歳は離れてたけどのんびりした穏やかな人だった。
血の繋がってないタニヤを孫のように可愛がり、私を娘のように可愛がった。
やる事はやっていたが。
タニヤを甘やかし過ぎて今あんな感じになってしまったけど低位貴族か商人辺りと結婚出来ればいいかと思い、気にはしなかった。
でも旦那が病いで亡くなってからおかしくなった。
最初の結婚も別に結婚なんてしてくれなくても良かった。
皆んなに嫌われ、唯一の味方の若旦那様も呆気なく亡くなってしまった。
周りはさも私が殺したように言っていたが、私は殺してなんかいない。
その後男爵と結婚したが、生活が安定したのでそれなりに幸せだった。
私は見た目が派手で男好きに見えるらしく、こっちにその気がなくても勝手に寄ってくる。迷惑な事だ。
断れば勝手に私の悪口を言いふらす。
男爵が亡くなってから、知り合った平民の男性と付き合い始めた。
娘も大きくなったし、そのままその人と一緒になってもいいかと思ってた。
最後だからと行った夜会で、なにもかも狂った・・・
そこで、以前知り合いに紹介してもらったエール子爵に会って挨拶していた時、急にエール子爵がフラフラし始めて、休憩室に連れて行こうと、近くにいた使用人に水を頼んでから連れて行った。
子爵はほとんど意識が無さそうだったけど、
持ってきてもらった水を飲ませ、ベッドに寝かせて一息ついた。
私も水を飲んでしばらくすると身体が熱くなり、動けないでいると、子爵も熱いのか服を脱ぎ出し、私をベッドに引き倒した。
私も朦朧としていたのでそれからは二人で明け方近くまで交わってしまった…。
それからは私も訳が分からなくて泣きじゃくってしまったため、子爵の屋敷に連れて行かれて、昨日の状況を説明した。
頭がボォーっとしてて、使用人が持ってきた水を飲んでおかしくなった事を言えなかった。
医者に見せると言われたが、怒っている人の所では嫌だったので、嫌だ、怖いと家に帰らせてもらった。
家に帰り、まだ怠いので横になった。
次の日になっても、また次の日になっても体調が良くならない。
子爵から来いと言われても体調が悪くて動けないし、食事も出来なかったので、待ってもらった。
一週間経った時、
ひょっとしてと思い、医者に診てもらったら、妊娠していた。
良かった、これで子爵の子を妊娠する事はないし、彼の子が出来て嬉しかったのですぐ彼に連絡した。
彼は喜んではくれなかった。
それから連絡もつかなくなって、会う事もなかった。
子爵との事があってから三週間経っていた。
途方にくれていた。
もうどうでもいいと思い、屋敷に行って妊娠したと言ったら、子爵の子だと思われたらしく、その時“これで生活していけるかも”と思ってしまい、つい演技をしてしまった。
今思えば馬鹿なことをしたと思うが、もう遅い。
あれよあれよと言う間に入籍となった。
入籍した途端、子供は流れてしまった。
良いのか悪いのか、もう分からない…
子爵のお兄さんも奥さんもワザとだと思っているようだ。
それなら離縁してもらおうとお金を使いまくったら、
この別邸に連れてこられた。
監視するつもりなんだろう。
もうどうでもいい。
何もしなければそのうち離縁してくれるだろう。
どこからやり直せば良かったんだろう…
もう分からない…
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