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不安
しおりを挟む二人で、お父様とお母様がいるリビングに向かった。
「「お父様、お母様、無事に仲直りできました。心配かけてすみませんでした。」」
と二人揃って謝った。
「仲直り出来て良かったな!」
「良かったわ、昨日カフェで見かけた時はどうなるかと思ったけど。」
「その事で話しがあります。お時間よろしいでしょうか?」
「ん?リリー以外のこと?」
「はい。少し長くなりますが、今後の事を考えて説明しておきたいです。」
ロイは、叔父様の再婚のきっかけ、お相手の事、その娘さんの事、後の離婚の事を説明した。
「何それ!信じられないんだけど!酷い話しだわ!」
「レイモンド殿が再婚したとは聞いていた。まさか、そんな裏があったとは…。」
「僕も昨日聞きました。
今後、別邸にその親子は隔離されます。
本人達は気付いてないだろうけど、遠くはない距離です。
何かする事はないとは思いますが、報告しておこうかと。」
「そうね、知らないで知り合いにでもなったら面倒だものね。
ちなみにその再婚された方って、お綺麗なの?」
「僕は全く興味がなかったのでよく見てませんでしたが、男性好きしそうな感じではありました。」
「そう、危険ね!アラン、気をつけてよ!」
「何を?」
「喰われるなって言ってるの!」
「リリーがいるのになんて事言うの!」
「あら、失礼。
でも、奥方もだけど、その娘さんも気をつけないと。
この前の事もあるから。」
「そうだな、その子がロイ君に言い寄るのは目に見えてる。」
「その子は可愛いの?ロイの事好きなの?」
「全く、興味がないから可愛いかどうか分からないな…。
すぐ絡んではくるから、嫌いではないんだろう。
けど、僕はリリーだけだし、リリーだけが好きだし、
触るのも触られるのもリリーだけだから!」
「ロイ君、結婚するまではあっちこっち触っちゃダメよ。少しならいいけど。」
「え、触っちゃダメだと思うぞ、父様は!」
「あら?アランはロイ君くらいの時は、触りまくってたわ。」
「マリア!リリーの前でそんな事言うもんじゃありません!」
お父様とお母様の掛け合いはまだ、続いてるけど、
私はロイの隣りにいた女の子の事を思い出していた。
今朝、ロイと歩いていた女の子は、ロイだけを見つめてた。
初めての学校を見ずに、ロイしか見てなかった。
イレーネさんを思い出して、怖くなった。
「リリー?
顔色が悪いよ、どうしたの?
もうそんな顔させないって言ったよ、隠さないで言って。」
とロイが言う。
「イレーネさんを思い出した。またあんな事があったらどうしようって。」
「そんな事は絶対させない!」
「絶対そんな事させないわ!」
「僕が絶対守るよ。側にいて守るから大丈夫だよ。」
三人が一斉に言った。
「それに隠密達が学院にはいる。だから安心して!」とロイ。
「「・・・隠密って何?」」
「それはね、カトリーヌ・イーガーさん率いる『愛でる会』の会員の人達だよ。」
「「『愛でる会』って何?」」
「私とロイを見守る会?って言ってたかな。」
「イーガー家か…じゃあ安心かもな。」
「あ!イーガー家ね、なら安心だわ。」
「え?トリーちゃんの家ってそんなに有名なの?」
「まあな。いろんな意味で優秀って事だよ。」
とお父様。
知らなかった、そんな優秀な家の人だったんだ、トリーちゃん。
とにかく、ロイと仲直り出来て良かった!
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