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悲しそうな顔が
しおりを挟むカトリーヌ視点
今日から学院が始まります。
休みの間、暇さえあれば訓練に励み、時々お父様にも相手をしてもらい、
お兄様は時々、
「お前、ルイジェルド殿下と知り合いなの?」
「仲良いの?」
「お前、ヤバいかも…」
などと言って邪魔をしていましたが、ガン無視しておりました。
リリー様はあれから大丈夫だったのでしょうか…
お手紙を送らせていただきましたが、お忙しいようで返事がなかなか来ませんでしたが、昨日お手紙が届き、安堵致しました。
今日は久しぶりにお会い出来るので、楽しみです!
少し早めに登校し、リリー様をお待ちします。そうです、わたくしはおともだちなのですから!
待っておりますと、ロナルド様が登校されました。
馬車から降りて来たのは・・・
リリー様ではありませんでした・・・
ポカンとしてしまいました、わたくし。
あのリリー様第一のロナルド様が別の女性と馬車から降りて来たのですから。
しばらく放心していると、なんとリリー様がロナルド様を後ろから見つめておりました。
ヤバいと思い、リリー様の視界を遮るように目の前に立ち、ご挨拶致しました。
少しばかり慌てていましたから、早口で一気に話しかけてしまいました。
リリー様は驚いておりましたが、
そのうち楽しそうにお話しになり、
なんと、わたくしを愛称で呼びたいと仰ってくださいましたーーーー!
ですが、トリー・・・・彼の方も同じく呼んでいましたね…
でも構いません!
リリー様が愛称で呼んでくださるのならなんでもいいのです!
楽しそうに笑ってくださって良かった…
先程は、泣いてしまいそうなお顔でしたから…
至急、会員達に調査を、依頼しなければ!
何が起こっているのか把握せねばなりません!
教室に着いたリリー様はロナルド様がいない事にホッとしたようで、今までこんな事一度も無かった事です。
これは一大事です!
直様、会員を捕まえロナルド様の調査を開始させました。
授業開始直前、ロナルド様が教室に参りましたが、先生が来られたのでリリー様のところには行けませんでした。
授業中、ロナルド様はチラチラ、リリー様を見ていましたが、リリー様は顔をあげる事はありませんでした…
休み時間になり、ロナルド様がリリー様の所に来ようとした時、リリー様が教室から飛び出して行きました。
ロナルド様が追いかけて行ったので、わたくしも後を追いかけ、ロナルド様に、
「わたくしが追いかけます。後でお連れしますのでお待ちを」と言い、足を止めさせました。
「分かった、頼む。」
とロナルド様が追走をやめたのを確認した後リリー様を追いました。
『愛でる会』の代表として何人もお二人の邪魔はさせないと誓いましたのに、初めて邪魔をしてしまいました…
リリー様があまりに悲しそうだったので…
リリー様は木の陰に隠れておいででした。
お声をかけたら驚いておりましたが、膝を抱いて小さくなっているお姿が痛々しくて、帰りたいなら帰って頂こうと医務室にお連れし、迎えの手配を頼みました。
ひょっとしてロナルド様がいるかもと思い、様子を伺いましたが、大丈夫なようなので、リリー様を横抱きし、正門まで走りました。
リリー様は羽根のように軽く、いい匂いがして、思わずスンスンするところでした。
馬車に乗せ、リリー様を送ると、
ロナルド様がいました・・・
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