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とにかく五月蝿いおじいちゃん
しおりを挟む馬車の中で、ロイは私を膝に乗せ、
撫でまくり、嗅ぎまくりで、
私はもう茹でダコ状態で馬車を降りた…ら、
お祖父様がいた。
「リリー、ずーーーーーっと待ってたのに遅かったのぅ!
それにこんなに真っ赤になって!
此奴の仕業か、こんなに真っ赤っかになって!お前、何やった!」
うわぁ…お祖父様…いたんだあ…
「お祖父様、な、何もしていないし、されてません!」
「まあ、良い!此奴の事は嫌いではないからな!」
「キース様、先程はご挨拶出来ず申し訳ございませんでした。」
「良い良い、お前はワシの次に、リリーを愛しておるから構わん!」
「有難きお言葉!」
「何?二人は、師弟関係なの?」
「そんなようなもんだ!さあ、屋敷に入るぞ!」
ようやく屋敷に入れば、
「リリー、今日は疲れたであろう。さあ、おじいちゃんがおんぶしてあげよう!」
「おんぶなんて10歳超えてから一回もしてもらった事ないよ!ヤダ!」
「おじいちゃんが嫌いなのかい?」
「おんぶが嫌なの!」
「それならば、肩車をしてあげよう。」
そこへギルバートが、
「大旦那様、旦那様と奥様がお待ちです。後、大旦那様がお好きな苺を用意させていただきました。」
とお祖父様の興味を惹いてくれた。
さすがギルバート!
「ナニ⁉︎苺だと!リリー、先に行って待っておるからな!着替えておいで。」
バタバタバタバタ
「「ハア~~~」」
二人ともグッタリしたまま、お父様達がいる応接室に向かった。
「お義父様の声ってビックリするほど通るわよね、すぐそこで話してるようだわ」
「産まれた時からだぞ。産声で産婆が気絶して母上が危なかったらしい。恐ろしいだろ。」
「産まれた瞬間からなの?0歳からなの?だもの、今あーなるわね。」
「そんなことより、リリー達を連れて来た方がいいんじゃないか、いつまで経っても上がって来れないぞ。」
「嫌よ、あの騒ぎ聞こえるでしょ?十八の娘におんぶとか言ってるのよ、アランが行って来て、息子なんだから!」
「マリアと結婚するまであの人と一緒に住んでいたが、一度として言う事なんか聞いた事がないんだぞ、マリアが行って!お願い!」
「えーー、もう仕方ないわね、ん?
………
ヤダヤダ、来るわよ、苺に釣られて!」
「苺?どこにある?」
「知らないわよ、ギルバートが適当に言ったのよ、あの人優秀なのにお義父様には雑よ!」
バタバタバタバタ、バーーーーン
「父上、そういえば母上から寂しいので帰って来てほしいと連絡がありましたが、帰らなくて大丈夫ですか?母上が泣いてしまいますよ。」
「ナニ⁉︎ローズが泣いている?帰らねば!リリーにはまた来ると伝えてくれ!」
バタバタバタバタバタバタ……
「あの人アレで宰相してたって未だに信じられない…」
「うん…遠くから見てた時はカッコよかったのにな…」
そこへリリーナ達がやってきた。
「お父様、お母様、ただいま戻りました。」
「アラン父様、マリア母様、リリーを無事送り届けました。」
二人ともグッタリしている。
「「「「ハア~~~疲れた…」」」」
四人で食堂に向かい、無言で食べ、ロイは帰り、三人はとっとと眠った。
こうして濃いーー1日が終わった。
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