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女子会
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リリーナ視点
教室でカトリーヌさんとお喋りしている。
カトリーヌさんとの会話は楽しくて時間が過ぎるのが早い。
ちなみに『愛でる会』とは私とロイを遠くから見守る会だとか。
遠くではなく近くで見ればいいのにと言ったら、近くではなく遠くで見るから良いらしい。それに私とロイの邪魔はしてはならないという決まりがあるのだとか。
日々私達をいろんなものから守ってくれているらしい。
よく分からないが、有難い。
でも一体なにから守っているのだろう…
ハッ!!
ビカビカ虫が見えなかったのは『愛でる会』の方々が駆除してくれていたからなのでは!
そうか、そうだったのか~だから私は見た事がなかったのか~納得できた!
「カトリーヌさん、いつもビカビカ虫の駆除、ご苦労様です。ありがとう!」
「へ?」
「ビカビカ虫に噛まれた事はないの?あれ?カトリーヌさんも香水つけてないのにどうやって見つけてるの?」
「ビカビカ虫?」
「ビカビカ虫は私が勝手につけた名前なの。なんだかキラキラでもピカピカでもないでしょ?」
「申し訳ございません、わたくし、そのビカビカ虫なるものを存じ上げません。その虫は一体なんなのですか?」
「あれ?カトリーヌさん達が駆除してくれてたんじゃないの?」
「いえ、全く知りません。それはリリー様に害なすものですか?」
「私というかロイが小さい時から嫌いなの。見た事はなかったんだけど、最近よく見かけるようになって、ビカビカ虫と命名したの。」
「見かけるようになったのは最近なんですね?特徴はありますか?」
「身体は黄色で、赤、橙、青、緑、金色のまだらな模様があって、とにかくビカビカしてるんだよ。あ、後キバが鋭い。」
「…気持ち悪い虫ですね、しかし私は見た事がないですね…調べてみますね。リリー様は近づかないように気をつけて下さい。」
「でもね、ビカビカ虫からロイを守らないといけないからなあ。」
「あ!それでいつも殺虫剤をお持ちだったのですね!なるほど、ロナルド様を守っていらっしゃったのですね!素晴らしいです。会報誌に載せなければ。」
「会報誌?」
「いえ、なんでもございません。それにしてもロナルド様は遅いですね。」
「そうだね、もう少し待ってみて戻って来なかったら帰ろうか。」
「そうですね、あまり遅くなると危ないですから。」
話し終えた瞬間、カトリーヌさんが吹き出した。
「ビカビカ虫…ビカビカ虫って…。殺虫剤…虫と戦うリリー様…。」
クールでキリっとした感じのカトリーヌさんが涙を浮かべてゲラゲラ笑っている…
楽しそうだ。
なんだかつられて笑ってしまう。
「そういえば、カトリーヌさんは隠密なの?」
「ブホッ!!」
カトリーヌさんが咽せた。
「いえ、ロナルド様が勝手にわたくしをそう呼んでいるだけです。」
「そうなんだね、あだ名みたいなものかな。てっきりロイの部下なのかと思ったよ。」
「『愛でる会』はリリー様とロナルド様の部下みたいなものではありますから、強ち間違ってはございませんが。」
「いやいや、友達だから!」
「リリー様、わたくしはロナルド様に先に帰ると伝言を伝えてまいります。すぐ戻りますので、少々お待ち下さい。」
「うん、私、お手洗いに行ってくるから。」
カトリーヌさんが出て行った後、私も廊下に出た。
******************
カトリーヌ視点(別室でイレーネと対峙している時)
リリー様とロナルド様が別室から出て行ってから、イレーネ嬢の側に行きました。
「目覚めましたか?倒れた状況を覚えていますか?」
「あんた誰?さっきロナルド様が来ようした時どうして止めたの?もう少しでロナルド様とお話しできたのに!」
「お元気なようで安心しました。鼻の骨は折れていなかったのですね。残念です。」
「あんたが殴ったのね!訴えてやる!」
「正当防衛です。大勢の皆さんが目撃されていますので、訴えたかったらどうぞ。」
「フン!あの女はどうしたのよ、思いっきり噛んだのに平気そうだったわ。」
この方…殺ってしまっていいでしょうか。
「あの時の事は覚えているんですね?」
「・・・ハッキリは覚えてないわ!」
「誰を噛んだかは覚えていると?」
「さっき顔見たら少し思い出したのよ!」
「なるほど。思いっきり噛んだ事は覚えているのですね?」
「なんとなくね!」
「さっきはハッキリ、『思いっきり噛んだのに』と仰っていましたが?」
「覚えてないわ!」
「それでは、「あんた、なんなの?何の権限で私に質問してるのよ!」」
「わたくしが止めなければ、下手をしたらリリーナ様の首を噛みちぎっていたかもしれないのです。そうなれば、傷の深さでは出血多量で失血死していた可能性もあります。そうなればあなたは加害者、それも殺人の。それを真正面で目撃していたわたしくしは目撃者。バリバリの関係者のわたくしが気になった事を質問して何の問題があるのでしょうか?」
さあ、どんどん反論して下さい、そしてどんどんボロを出して下さい。
わたくし、この方を決して許しません!
この方おそらく故意にリリーナ様を噛んだのでしょう。
血を流して倒れられたリリーナ様…
真っ青な顔のロナルド様…
許せません!
思わず太腿に括り付けているナイフに手がいきます。
殺気を抑えられない時に、殿下を筆頭にお二人が戻って来られました…。
教室でカトリーヌさんとお喋りしている。
カトリーヌさんとの会話は楽しくて時間が過ぎるのが早い。
ちなみに『愛でる会』とは私とロイを遠くから見守る会だとか。
遠くではなく近くで見ればいいのにと言ったら、近くではなく遠くで見るから良いらしい。それに私とロイの邪魔はしてはならないという決まりがあるのだとか。
日々私達をいろんなものから守ってくれているらしい。
よく分からないが、有難い。
でも一体なにから守っているのだろう…
ハッ!!
ビカビカ虫が見えなかったのは『愛でる会』の方々が駆除してくれていたからなのでは!
そうか、そうだったのか~だから私は見た事がなかったのか~納得できた!
「カトリーヌさん、いつもビカビカ虫の駆除、ご苦労様です。ありがとう!」
「へ?」
「ビカビカ虫に噛まれた事はないの?あれ?カトリーヌさんも香水つけてないのにどうやって見つけてるの?」
「ビカビカ虫?」
「ビカビカ虫は私が勝手につけた名前なの。なんだかキラキラでもピカピカでもないでしょ?」
「申し訳ございません、わたくし、そのビカビカ虫なるものを存じ上げません。その虫は一体なんなのですか?」
「あれ?カトリーヌさん達が駆除してくれてたんじゃないの?」
「いえ、全く知りません。それはリリー様に害なすものですか?」
「私というかロイが小さい時から嫌いなの。見た事はなかったんだけど、最近よく見かけるようになって、ビカビカ虫と命名したの。」
「見かけるようになったのは最近なんですね?特徴はありますか?」
「身体は黄色で、赤、橙、青、緑、金色のまだらな模様があって、とにかくビカビカしてるんだよ。あ、後キバが鋭い。」
「…気持ち悪い虫ですね、しかし私は見た事がないですね…調べてみますね。リリー様は近づかないように気をつけて下さい。」
「でもね、ビカビカ虫からロイを守らないといけないからなあ。」
「あ!それでいつも殺虫剤をお持ちだったのですね!なるほど、ロナルド様を守っていらっしゃったのですね!素晴らしいです。会報誌に載せなければ。」
「会報誌?」
「いえ、なんでもございません。それにしてもロナルド様は遅いですね。」
「そうだね、もう少し待ってみて戻って来なかったら帰ろうか。」
「そうですね、あまり遅くなると危ないですから。」
話し終えた瞬間、カトリーヌさんが吹き出した。
「ビカビカ虫…ビカビカ虫って…。殺虫剤…虫と戦うリリー様…。」
クールでキリっとした感じのカトリーヌさんが涙を浮かべてゲラゲラ笑っている…
楽しそうだ。
なんだかつられて笑ってしまう。
「そういえば、カトリーヌさんは隠密なの?」
「ブホッ!!」
カトリーヌさんが咽せた。
「いえ、ロナルド様が勝手にわたくしをそう呼んでいるだけです。」
「そうなんだね、あだ名みたいなものかな。てっきりロイの部下なのかと思ったよ。」
「『愛でる会』はリリー様とロナルド様の部下みたいなものではありますから、強ち間違ってはございませんが。」
「いやいや、友達だから!」
「リリー様、わたくしはロナルド様に先に帰ると伝言を伝えてまいります。すぐ戻りますので、少々お待ち下さい。」
「うん、私、お手洗いに行ってくるから。」
カトリーヌさんが出て行った後、私も廊下に出た。
******************
カトリーヌ視点(別室でイレーネと対峙している時)
リリー様とロナルド様が別室から出て行ってから、イレーネ嬢の側に行きました。
「目覚めましたか?倒れた状況を覚えていますか?」
「あんた誰?さっきロナルド様が来ようした時どうして止めたの?もう少しでロナルド様とお話しできたのに!」
「お元気なようで安心しました。鼻の骨は折れていなかったのですね。残念です。」
「あんたが殴ったのね!訴えてやる!」
「正当防衛です。大勢の皆さんが目撃されていますので、訴えたかったらどうぞ。」
「フン!あの女はどうしたのよ、思いっきり噛んだのに平気そうだったわ。」
この方…殺ってしまっていいでしょうか。
「あの時の事は覚えているんですね?」
「・・・ハッキリは覚えてないわ!」
「誰を噛んだかは覚えていると?」
「さっき顔見たら少し思い出したのよ!」
「なるほど。思いっきり噛んだ事は覚えているのですね?」
「なんとなくね!」
「さっきはハッキリ、『思いっきり噛んだのに』と仰っていましたが?」
「覚えてないわ!」
「それでは、「あんた、なんなの?何の権限で私に質問してるのよ!」」
「わたくしが止めなければ、下手をしたらリリーナ様の首を噛みちぎっていたかもしれないのです。そうなれば、傷の深さでは出血多量で失血死していた可能性もあります。そうなればあなたは加害者、それも殺人の。それを真正面で目撃していたわたしくしは目撃者。バリバリの関係者のわたくしが気になった事を質問して何の問題があるのでしょうか?」
さあ、どんどん反論して下さい、そしてどんどんボロを出して下さい。
わたくし、この方を決して許しません!
この方おそらく故意にリリーナ様を噛んだのでしょう。
血を流して倒れられたリリーナ様…
真っ青な顔のロナルド様…
許せません!
思わず太腿に括り付けているナイフに手がいきます。
殺気を抑えられない時に、殿下を筆頭にお二人が戻って来られました…。
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