帰らなければ良かった

jun

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番外編 奪還と返還〜エドワードの純愛

怖過ぎる団長達

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ミッシェル視点


団長からシシリーとブライアンのベルに対する本当の気持ちを聞いた。

シシリーの辛さもブライアンの痛みも分かった気でいたが、全然分かっていなかった。

ブライアンが夜悪夢に悩まされていたのも、女性に触られると怯えて吐いてしまう事も、ブライアンがそれを必死に隠そうとしていた事も、シシリーがあの時の供述記録を聞いてベルに落とし前をつけようとしている事も、全然知らなかった。

それほどベルは、二人を深く傷付けたと言う事だ。
そしてベルは怒らせたらヤバい二人を怒らせた。
特に団長は二人を大事にしている。
そして個人的にはシシリーの為に。

少し胸が痛む。

でももう十代のような恋に恋する歳ではないから、団長に対しての気持ちは、苦しくなるものではなくなった。
だから私は迷いなく団長に手を貸すし、シシリーを助ける。

「どうした、ミッシェル、具合が悪いのか?」

ボォーっとそんな事を考えていたら団長に心配された。

「いえ、何も気付いてやれず、情けないなと…」

「それは俺もだ。一番大事なケアが出来ていなかった。」

「あの時はバタバタしてましたしね。次は失敗しないよう気をつけます。」

「そうだな。それにしてもラルス遅いな。」

「さっきはすぐ行くと言っていたのですが…」

と話していた時、

「ごめんごめん、お菓子調達してた!」

「お菓子って・・・」

「だって頭使うんだろ?甘いもの食べないと!」

「小腹が空いてました、ありがとうございます、ラルス団長。」

「ミッシェルは素直でよろしい!エドにはあげない。」

「なんでだ!俺も食べる。」

こんな感じでお菓子を食べながら、ラルス団長が入れてくれた紅茶を飲みつつ、作戦会議が始まった。


「ふう~ん、ようやく自分がどんな場所にいるのか分かったんだ~遅いね。」

「だな。少し反省しただろうか?」

「どうかなぁ~多分、バレたら大変としか考えてないんじゃない。」

「私もそうだと思います。あの子、結局自分の事しか考えてなさそうだったから。」

「じゃあ第一試験は不合格って事かな。」

「第一試験…ですか?」

「そう、第一試験。自分の罪に向き合い、罪を自覚し反省する。この試験は不合格って事。」

「次の試験はなんだ?」

「第二試験はね~、どうする?」

「あの女を北の修道院に決めたのは、俺とラルスだった。あの時、シシリーもブライアンもあの女には関わりたくないと思っていたからな。
でも、今の二人はベルに返したいものと取り返したいものがある。だからシシリーとブライアンの意見も聞きたいと思う。」

「それもそうだね、今呼ぶ?」

「今、幹部ばかりを集めていては何事かとなる。勤務が終わったらだな。」

「じゃあ、シシリーには声かけとくからブライアン、よろしくね、エド。」


確かにこの二人だけで決めるのは、なんだかヤバそうなのでシシリー達の意見を聞くのは大事だと思う。


この後、一旦解散し、就業時間を過ぎてから、団長の執務室に集まった。


「シシリー!久しぶり!やっぱイーグル行っちゃうとなかなか会えないね。」

「ミッシェル!そうなんだよね~でも、ランチくらいでしか会えないの寂しいーーー」

「はいはい、それは後でね。大事な事決めちゃうよ。」

「「はい、すみません…」」

「シシリー、変わりはないか?」

「エドワード団長、ありがとうございます。元気でやってます。」

「だから、そういうの後ね!」

「すまん。」

「シシリーもブライアンも聞いたと思うけど、第二試験の内容どうする?」

「あそこにいる女性達の事が分かって怯えているなら、次やる事は一つしかないと思います。
ベルがした事をバラします。」

「だよね~バレてからどうするかで大きく変わるからね。」

「ああ、俺もそうしようと思っていた。」

「私もそれが良いと思います。バレた時、逃げ出すか耐えるか、それでこの俺達の奪還計画が最短か最長かの分かれ目だと思います。」

「最短になった時は、直接対決させて欲しいです。」

「あまりおススメは出来ないけど、それも考えておかないとね。じゃあ第二試験はそれで行こう。エド、いける?」

「いつでもいける。すぐに連絡する。」

「さすが、仕事が早いよね~エドはある意味ねちっこいよね。」

「お前はどれだけ長く甚振れるかしか考えてないだろう?」

「まあね~だって俺、あの女許せないから。」

「俺もだ。あの女の存在してる事自体許せない。」

「だよね、本当はすぐにでも消したいよね、でも病気になんかでは死なせたくないから健康管理だけはちゃんとしてね、そんな楽になんか死なせないから。」

「その辺は抜かりない。」



怖・・・この二人、こわ…。


第三試験の内容の事を考えると怖い…。















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