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リジーへの想い ケネスへの想い
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*いつも読んで下さりありがとうございます。今日は7時2話、19時2話投稿しますよ。
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シリル視点
あの日、討伐でもないのに熱が溜まり始めた身体は、リジーの俺への無関心な顔を見るたび熱くなった。
番から感じる嫌悪と怒りと悲しみと微かな愛情。
ほんの僅かの愛情しか感じられない事にショックを受けた。
その悪感情を感じる度、熱は溜まり続け自慰では治らないほどになっているのが分かった。
だからケネスを呼ぶか帰して欲しいと願った。
そこからのリジーの憤怒は凄まじかった。
俺のリジーへの配慮が足りなかった事は分かるが、こんな状態でリジーを抱くのは嫌だったから、ケネスを呼んで欲しいと言っただけだが、リジーは泣きながら激怒した。
ただ大事に優しく抱いてあげたかったから今だけは嫌だっただけだった。
なのに泣き叫ぶリジーが“私の番は誰にも渡さない”と叫んだ時に、こんな状況でも心が震えた。
それでも乱暴に抱いてしまうのが嫌で最後までリジーを説得したが、リジーは媚薬を飲んでしまった。
即効性の媚薬は直ぐにリジーの理性を無くし、俺はリジーを貪り続けた。
ケネスとは違い、柔らかで吸い付く様な肌も形の良い綺麗な胸も、丸く小さな尻も、細く長い手足も、何もかもが気持ち良くてどれほど達したのか分からないほど抱き潰した。
ようやく落ち着いた頃にはお互いの体液やら汗やらでぐちゃぐちゃで、爪痕や鬱血痕や噛み跡で俺もリジーも酷い有様だった。
リジーを綺麗にしようとバスタブに湯をはり、身体を綺麗に洗い、浴室の中の長椅子にリジーを寝かせ、急いで自分も洗い、リジーを抱いて湯に浸からせた。
俺の大事な番。
誰よりも愛しているのにこんなに傷付けたのは俺だ。
あんなに泣きながら怒鳴らせたのは俺だ。
大事にしたいと思っている。
結婚して子供を作って両親のように仲の良い夫婦になるはずだった。
こうなってしまっては婚約がなくなる事はないだろうが、リジーの心は以前の様に真っ直ぐ俺への愛を向ける事はないんだろうと思うと胸が苦しくなる。
そんな事を考えている時に、リジーが起きた気配がした。
身体は大丈夫かと聞くと、指一本すら動かせないほど疲れたと最近のような話し方ではなく“シリル”と呼んでくれた頃のような少し砕けた話し方をしているリジーに、俺はリジーと結婚したいと言うと、今は疲れて何も考えたくない、少し眠りたい、ケネスが心配してるから早く帰ってあげろ、“さよなら”とだけ言うとまた眠ってしまった。
さよなら…とはただの挨拶なのか、俺との別れの言葉なのか分からず、その意味を問い糺したかった。
風呂に入ってる間に汚れ物はすべて綺麗になっていた。新しい寝衣も用意されていた。
リジーに着せ、俺も用意されていた新しい下着だけつけ、リジーの隣りに寝転び抱きしめて少し眠った。
人が動き出したのか目を覚ますとリジーはまだ寝ていた。
起こさないようにベッドをおり、洗面所で顔を洗い、洗濯してくれたのか俺の服に着替え、寝室を出るとリジーの専属侍女が待ち構えていた。
「朝食のご用意をさせて頂きます。こちらにお運び致しましょうか、それとも食堂にご案内致しましょうか。
後、朝食後、旦那様が殿下にお話しがあるそうですが、殿下のご都合を確認して欲しいと言伝を預かっております。」
ここに来る時はこの専属侍女のカーラも俺を“シリル様”と呼んでいたのに今は殿下呼びだ。昨日の事もあり、更に嫌われたなと思うと溜息が出そうだ。
「朝食はいらない。今すぐ大丈夫なら侯爵にお会いしたい。
後、お茶を一杯頂きたい。」
すぐご用意致しますとお茶を出した後、侯爵へ伝えると部屋を出ていった。
久しぶりに来たリジーの部屋。
何回か来た事があるが、何か物足りないような気がする。
何処がおかしいのか分からない。
前に来たのはもう何ヶ月も前だ。
最後に来た時、リジーは宝物なのだと俺に見せてくれたのは、俺がプレゼントした小物入れの中には俺があげたハンカチやお土産のお菓子をラッピングした時のリボンや細々した物が入っていた。
大事そうに抱え、机の上にいつも見える様に置いていた。
それを探すが何処にもない。
そして気が付いた。
香りが変わった。
以前は俺が使っている香水の香りが好きだと言ってクッションやカーテンに振りかけては、俺がいる様だと喜んでいたのに今はリジーが以前使っていた香水の香りしかしない。
愕然とした。
リジーは俺の痕跡をこの部屋から消した。
リジーからのハッキリとした拒絶を確信した俺は頭が真っ白になった。
何処かで時間が経てばリジーは俺の所に戻って来ると漠然と思っていた。
だって俺達は“番”なんだからと。
でもここに番の俺の匂いも、無意識に送っていた沢山の贈り物。
それを喜んで飾っていたリジーの部屋にその贈り物はない。
俺が贈って窓辺に飾ってあったぬいぐるみも、いつでも使える様にと置いてあった俺があげた膝掛けも、俺専用だといったカップも今は来客用のカップになっていた。
グッと唇を噛んだ時、カーラが侯爵の準備が出来たと呼びに来た。
案内された部屋は昨日案内された部屋だった。
黙っていた侯爵が、
「リジーの、ブリジットがどう考えているのかはまだ分かりませんが、どうか娘を思う気持ちがあるなら、これ以上娘を傷付けないで頂きたい…。
食欲もなく、睡眠もろくに取れず、笑う事も少なくなりました。
娘の体調が整い次第、陛下に今後の殿下と娘の事を相談したいと言われています。
もしその時娘が何か望みを申し上げたら、その時はその望みをきいて頂きたいのです。
大事な我が家の宝です。
どうかこれ以上娘を傷付ける事だけはやめて頂きたいのです…」
リジーの為に腑が煮え繰り返ってるだろう俺に頭を下げる侯爵に、
「頭を上げて欲しい、侯爵。俺はリジーを愛している。その言葉に嘘はない。
傷付ける事などしたくはない。
リジーの望みは何でも叶えると約束する。
それが俺にとって辛いものでも、リジーが望むなら俺は受け入れる。
ただもう少しだけリジーの側に居ても良いだろうか。
父や兄やケネスもリジーの事を心配していた、「いや、今すぐ帰った方が宜しいかと。」」
急に空気が変わったのが分かった。
そして自分が失敗した事も分かった。
俺の後ろにいる執事が息を飲んだのが分かった時には既にここでは言ってはいけない名前を出した後だった。
「・・・・済まない。配慮が足りなかった…。
しかしリジーが目を覚めた時、俺がいない事でまた傷付ける事になったら…」
「心配されているのでしょう、殿下の大事な方が。
陛下もお待ちでしょうから一刻も早くのお帰りをお勧め致します。
殿下を玄関までご案内して差し上げろ。
私は少し体調が悪い様なのでお見送り出来ず申し訳ございません。」
有無を言わせず応接室のドアが開けられ、俺は黙って帰るしかなかった。
馬で王宮まで帰ると、俺の部屋のソファでケネスが寝ていた。
毛布をかけてあげようとした手を止めた。
ほんの数時間までリジーを抱いていた俺をケネスはどう思うだろうか。
俺の身体を見てケネスは傷付くのだろうか。
俺はリジーとケネスどっちを愛しているのだろう。
さっきまではリジーしか考えていなかったのに、ケネスの顔を見ればケネスの事しか考えられなくなる。
どうして良いのか分からず立ったまま動かずにいるとケネスが起きた。
「ブリジット様の体調はどう?説得出来た?」
ケネスは夜通し俺を待っていたのだろう、目の下に隈が出来ていた。
「リジーにはちゃんと説明した。きちんと俺の体質も俺とお前との関係も理解したと思う。リジーと婚約を解消したくない事も、結婚したい事も伝えた。
でもリジーに俺の言葉は届かなかった…。
俺への愛情はほんの僅かしかないのが分かった…。
それがショックで急に熱が溜まり出した…。
だからケネスを呼んで欲しいと頼んだら…それまで無表情で聞いていたのにリジーが泣き叫んで俺を詰った。
馬鹿にするなと、目の前に婚約者が、番がいるのに他の人をこの屋敷で抱くのかと泣いていた…。
自分の番は誰にも渡さないと言われた時、俺は心が震えた。
あんなに拒絶してた番が俺は自分のものだと心から叫んでる姿に歓喜した。
それでもリジーをこんな状態の時に抱きたくなかった…。
でもリジーが媚薬を飲んでまで俺に付き合う覚悟を拒否出来なかった…。
済まないケネス…俺はリジーを抱いた…」
俺の話しを黙って聞いていたケネスが、
「ブリジット様を置いて帰ってきて大丈夫なの?抱き潰しておいて帰って来るって男としてどうなの?最低だと思うけど!」
とブリジットの心配をした。
「いるつもりだったんだが…その…お前の名前を出した途端侯爵の逆鱗にふれて強制的帰らされた…」
「ハア~何やってんの!俺達のせいでこんな事になってんのに、態々ブリジット様は俺を連れて来ないでってちゃんと言ってくれてたのに!それを…なんて事を…。
多分ブリジット様はお前は俺が気になって帰ったって思うぞ。」
そういえばリジーもケネスが心配してるから早く帰れって言っていた。
横に俺が居なかったらやっぱりと思うだろう。
「やばい…リジーも言ってた…お前が心配してるから早く帰れって…」
「ハア~とにかくシャワーでも浴びて頭冷やしな!俺は朝食の準備してくるから。」
そして俺はシャワーを浴び、ケネスは朝食の準備の為部屋を出た。
シャワーを浴びながら、最近何をやっても上手くいかない自分に嫌気がする。
朝食後、父と母になんと報告すれば良いのか分からない。
そのまま何があったかを報告すれば良いだけだが、母の逆鱗にふれるのが目に視える。
溜息を吐き出し父母への報告に憂鬱になった。
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シリル視点
あの日、討伐でもないのに熱が溜まり始めた身体は、リジーの俺への無関心な顔を見るたび熱くなった。
番から感じる嫌悪と怒りと悲しみと微かな愛情。
ほんの僅かの愛情しか感じられない事にショックを受けた。
その悪感情を感じる度、熱は溜まり続け自慰では治らないほどになっているのが分かった。
だからケネスを呼ぶか帰して欲しいと願った。
そこからのリジーの憤怒は凄まじかった。
俺のリジーへの配慮が足りなかった事は分かるが、こんな状態でリジーを抱くのは嫌だったから、ケネスを呼んで欲しいと言っただけだが、リジーは泣きながら激怒した。
ただ大事に優しく抱いてあげたかったから今だけは嫌だっただけだった。
なのに泣き叫ぶリジーが“私の番は誰にも渡さない”と叫んだ時に、こんな状況でも心が震えた。
それでも乱暴に抱いてしまうのが嫌で最後までリジーを説得したが、リジーは媚薬を飲んでしまった。
即効性の媚薬は直ぐにリジーの理性を無くし、俺はリジーを貪り続けた。
ケネスとは違い、柔らかで吸い付く様な肌も形の良い綺麗な胸も、丸く小さな尻も、細く長い手足も、何もかもが気持ち良くてどれほど達したのか分からないほど抱き潰した。
ようやく落ち着いた頃にはお互いの体液やら汗やらでぐちゃぐちゃで、爪痕や鬱血痕や噛み跡で俺もリジーも酷い有様だった。
リジーを綺麗にしようとバスタブに湯をはり、身体を綺麗に洗い、浴室の中の長椅子にリジーを寝かせ、急いで自分も洗い、リジーを抱いて湯に浸からせた。
俺の大事な番。
誰よりも愛しているのにこんなに傷付けたのは俺だ。
あんなに泣きながら怒鳴らせたのは俺だ。
大事にしたいと思っている。
結婚して子供を作って両親のように仲の良い夫婦になるはずだった。
こうなってしまっては婚約がなくなる事はないだろうが、リジーの心は以前の様に真っ直ぐ俺への愛を向ける事はないんだろうと思うと胸が苦しくなる。
そんな事を考えている時に、リジーが起きた気配がした。
身体は大丈夫かと聞くと、指一本すら動かせないほど疲れたと最近のような話し方ではなく“シリル”と呼んでくれた頃のような少し砕けた話し方をしているリジーに、俺はリジーと結婚したいと言うと、今は疲れて何も考えたくない、少し眠りたい、ケネスが心配してるから早く帰ってあげろ、“さよなら”とだけ言うとまた眠ってしまった。
さよなら…とはただの挨拶なのか、俺との別れの言葉なのか分からず、その意味を問い糺したかった。
風呂に入ってる間に汚れ物はすべて綺麗になっていた。新しい寝衣も用意されていた。
リジーに着せ、俺も用意されていた新しい下着だけつけ、リジーの隣りに寝転び抱きしめて少し眠った。
人が動き出したのか目を覚ますとリジーはまだ寝ていた。
起こさないようにベッドをおり、洗面所で顔を洗い、洗濯してくれたのか俺の服に着替え、寝室を出るとリジーの専属侍女が待ち構えていた。
「朝食のご用意をさせて頂きます。こちらにお運び致しましょうか、それとも食堂にご案内致しましょうか。
後、朝食後、旦那様が殿下にお話しがあるそうですが、殿下のご都合を確認して欲しいと言伝を預かっております。」
ここに来る時はこの専属侍女のカーラも俺を“シリル様”と呼んでいたのに今は殿下呼びだ。昨日の事もあり、更に嫌われたなと思うと溜息が出そうだ。
「朝食はいらない。今すぐ大丈夫なら侯爵にお会いしたい。
後、お茶を一杯頂きたい。」
すぐご用意致しますとお茶を出した後、侯爵へ伝えると部屋を出ていった。
久しぶりに来たリジーの部屋。
何回か来た事があるが、何か物足りないような気がする。
何処がおかしいのか分からない。
前に来たのはもう何ヶ月も前だ。
最後に来た時、リジーは宝物なのだと俺に見せてくれたのは、俺がプレゼントした小物入れの中には俺があげたハンカチやお土産のお菓子をラッピングした時のリボンや細々した物が入っていた。
大事そうに抱え、机の上にいつも見える様に置いていた。
それを探すが何処にもない。
そして気が付いた。
香りが変わった。
以前は俺が使っている香水の香りが好きだと言ってクッションやカーテンに振りかけては、俺がいる様だと喜んでいたのに今はリジーが以前使っていた香水の香りしかしない。
愕然とした。
リジーは俺の痕跡をこの部屋から消した。
リジーからのハッキリとした拒絶を確信した俺は頭が真っ白になった。
何処かで時間が経てばリジーは俺の所に戻って来ると漠然と思っていた。
だって俺達は“番”なんだからと。
でもここに番の俺の匂いも、無意識に送っていた沢山の贈り物。
それを喜んで飾っていたリジーの部屋にその贈り物はない。
俺が贈って窓辺に飾ってあったぬいぐるみも、いつでも使える様にと置いてあった俺があげた膝掛けも、俺専用だといったカップも今は来客用のカップになっていた。
グッと唇を噛んだ時、カーラが侯爵の準備が出来たと呼びに来た。
案内された部屋は昨日案内された部屋だった。
黙っていた侯爵が、
「リジーの、ブリジットがどう考えているのかはまだ分かりませんが、どうか娘を思う気持ちがあるなら、これ以上娘を傷付けないで頂きたい…。
食欲もなく、睡眠もろくに取れず、笑う事も少なくなりました。
娘の体調が整い次第、陛下に今後の殿下と娘の事を相談したいと言われています。
もしその時娘が何か望みを申し上げたら、その時はその望みをきいて頂きたいのです。
大事な我が家の宝です。
どうかこれ以上娘を傷付ける事だけはやめて頂きたいのです…」
リジーの為に腑が煮え繰り返ってるだろう俺に頭を下げる侯爵に、
「頭を上げて欲しい、侯爵。俺はリジーを愛している。その言葉に嘘はない。
傷付ける事などしたくはない。
リジーの望みは何でも叶えると約束する。
それが俺にとって辛いものでも、リジーが望むなら俺は受け入れる。
ただもう少しだけリジーの側に居ても良いだろうか。
父や兄やケネスもリジーの事を心配していた、「いや、今すぐ帰った方が宜しいかと。」」
急に空気が変わったのが分かった。
そして自分が失敗した事も分かった。
俺の後ろにいる執事が息を飲んだのが分かった時には既にここでは言ってはいけない名前を出した後だった。
「・・・・済まない。配慮が足りなかった…。
しかしリジーが目を覚めた時、俺がいない事でまた傷付ける事になったら…」
「心配されているのでしょう、殿下の大事な方が。
陛下もお待ちでしょうから一刻も早くのお帰りをお勧め致します。
殿下を玄関までご案内して差し上げろ。
私は少し体調が悪い様なのでお見送り出来ず申し訳ございません。」
有無を言わせず応接室のドアが開けられ、俺は黙って帰るしかなかった。
馬で王宮まで帰ると、俺の部屋のソファでケネスが寝ていた。
毛布をかけてあげようとした手を止めた。
ほんの数時間までリジーを抱いていた俺をケネスはどう思うだろうか。
俺の身体を見てケネスは傷付くのだろうか。
俺はリジーとケネスどっちを愛しているのだろう。
さっきまではリジーしか考えていなかったのに、ケネスの顔を見ればケネスの事しか考えられなくなる。
どうして良いのか分からず立ったまま動かずにいるとケネスが起きた。
「ブリジット様の体調はどう?説得出来た?」
ケネスは夜通し俺を待っていたのだろう、目の下に隈が出来ていた。
「リジーにはちゃんと説明した。きちんと俺の体質も俺とお前との関係も理解したと思う。リジーと婚約を解消したくない事も、結婚したい事も伝えた。
でもリジーに俺の言葉は届かなかった…。
俺への愛情はほんの僅かしかないのが分かった…。
それがショックで急に熱が溜まり出した…。
だからケネスを呼んで欲しいと頼んだら…それまで無表情で聞いていたのにリジーが泣き叫んで俺を詰った。
馬鹿にするなと、目の前に婚約者が、番がいるのに他の人をこの屋敷で抱くのかと泣いていた…。
自分の番は誰にも渡さないと言われた時、俺は心が震えた。
あんなに拒絶してた番が俺は自分のものだと心から叫んでる姿に歓喜した。
それでもリジーをこんな状態の時に抱きたくなかった…。
でもリジーが媚薬を飲んでまで俺に付き合う覚悟を拒否出来なかった…。
済まないケネス…俺はリジーを抱いた…」
俺の話しを黙って聞いていたケネスが、
「ブリジット様を置いて帰ってきて大丈夫なの?抱き潰しておいて帰って来るって男としてどうなの?最低だと思うけど!」
とブリジットの心配をした。
「いるつもりだったんだが…その…お前の名前を出した途端侯爵の逆鱗にふれて強制的帰らされた…」
「ハア~何やってんの!俺達のせいでこんな事になってんのに、態々ブリジット様は俺を連れて来ないでってちゃんと言ってくれてたのに!それを…なんて事を…。
多分ブリジット様はお前は俺が気になって帰ったって思うぞ。」
そういえばリジーもケネスが心配してるから早く帰れって言っていた。
横に俺が居なかったらやっぱりと思うだろう。
「やばい…リジーも言ってた…お前が心配してるから早く帰れって…」
「ハア~とにかくシャワーでも浴びて頭冷やしな!俺は朝食の準備してくるから。」
そして俺はシャワーを浴び、ケネスは朝食の準備の為部屋を出た。
シャワーを浴びながら、最近何をやっても上手くいかない自分に嫌気がする。
朝食後、父と母になんと報告すれば良いのか分からない。
そのまま何があったかを報告すれば良いだけだが、母の逆鱗にふれるのが目に視える。
溜息を吐き出し父母への報告に憂鬱になった。
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