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二年目 見習い期間
ラエル師の属性クイズ 下
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火の特徴。
特徴っていっても、思いつくのはさっきも口にした通り。
『熱い』と『赤い』の二つだけ。
――そういえば……。
『熱い』と言った時には返答が貰えたけど、『赤い』の時は無言だった。
なんて言われたんだっけ?
確か、「ほんの一面」だったよね。
アレはもしかして、多少なりとも質問に沿った答えを返せていたから引き出せた言葉だったのかな?
そこで、今度は『地』に属するもの似ついて尋ねられて……。
――あれ?
そういえば、土や砂、鉱石までは似たようなモノのような気がするけど、『地』に植物が入るのはなんで?
それはちょっとした違和感。
土や砂、それに鉱石――というか石?
は、地面の構成そのものだって言う見方もできるから、『地に属するもの』だっていうのは納得。
でも、それなら植物は?
『地』に関係あるといえばあるのかもだけど、それなら水だって同じような立ち位置だよね。
とはいえ、水はそれ単体で属性があるから除外されるのかも。
――そうしたら、もしかして……。
植物は、地面を構成するモノじゃないけど、『地に属するもの』。
これって地面に生えるから、……だとか?
だとしたら、『火』の属性にも似たような事が言えるのかも。
例えば、『熱い』の反対の特性を持つとか?
だとしたら、答えは?
「『熱』……?」
答えは、満足げな微笑の形で返ってきた。
「さて、答えが出たところで、コンカッセ君に今日からやってもらう練習法についての説明をしようか。」
「!」
練習、って言う事は、この場合間違いなく『魔法』のだよね。
その言葉を聞いた私の肩が、咄嗟に跳ね上がる。
「――魔法の練習をするのが怖い?」
静かな目でそう問いかけられて、私は俯く。
だってね、ついさっき、私がきちんと説明を聞いていなかったせいでラエル師は酷い火傷をしたばっかり。
私がきちんとお話を聞いていれば、あんな事は起きなかったかもしれないのに。
そんな不真面目な生徒の事をキチンと指導してくれるって、ラエル師は、そう言ってくれてるんだよ?
私に、酷い目にあわされたって言うのに……。
なのに、その|生徒(私)が、「また、あなたを怪我させちゃうのが怖いから、魔法の使い方なんて覚えたくない。」なんてそんな事言えるわけがない。
……ないんだけど……。
でも、やっぱり怖いんだよ……。
そんな風に考えてしまう自分が情けなくって、胸がなんかギュッと苦しくなる。
「僕はこれでも、君のような生徒を百人以上指導してきた事があるからね。
さっきみたいな事故は、そう珍しい事でもないよ。
大概は、ちょっと指先を火傷したり、切り傷をこしらえたり、びしょぬれになったりと言う程度だけど。」
「……。」
やっぱり、さっきみたいに大怪我をするなんて事はそうそうないらしい。
より一層、暗い表情になったらしい私に、彼は苦笑を浮かべる。
「さっきよりもひどい目に遭った事も、あるよ。
確か――そう、二十六年前の事だけど。
王太后が、孤児院の慰問に行った時に同行させられてね。」
「王太后?!」
「そう。
僕の魔法の師匠。」
――王太后って、今の王様のお母さんの事だよね?
ラエル師ってば、ナニモノ???
私が目を丸くすると、ラエル師は片眉を上げる。
「元々はただの孤児だったんだけどね、ラヴィ――王太后に拾われて色々仕込まれたんだよ。
特に特性があったのが魔法でね……。
後進育成の仕事を任されてたんだけど……。
彼女の所に甥っ子――アスラーダが弟子に魔力の扱いを教える人材を融通してほしいって泣きついてきてね。
それで、僕をここに派遣してきたと言う訳。」
色々ツッコミたい。
グラムナード錬金術工房って、国営の工房だったっけ?
とか。
なんで前のとは言え、王妃と血の繋がりのあるような人が探索者っぽい格好で勧誘員なんてやってたのか?
とか。
院長様は、そんな人に疑いの目を向けてたのか。
とか。
特に院長様。
アスラーダさんが色々とうるさい人だったら、ヤバかったんじゃないのかな……?
でも、なんだか、深く考えない方が良いかも。
そう結論づけるのに、さほど時間はかからなかった。
だってね、どうしようもないじゃない。
もう、『見習い』だとは言えここに弟子入りしちゃってるんだし。
すでに手遅れってやつなんじゃないかと思う。
特徴っていっても、思いつくのはさっきも口にした通り。
『熱い』と『赤い』の二つだけ。
――そういえば……。
『熱い』と言った時には返答が貰えたけど、『赤い』の時は無言だった。
なんて言われたんだっけ?
確か、「ほんの一面」だったよね。
アレはもしかして、多少なりとも質問に沿った答えを返せていたから引き出せた言葉だったのかな?
そこで、今度は『地』に属するもの似ついて尋ねられて……。
――あれ?
そういえば、土や砂、鉱石までは似たようなモノのような気がするけど、『地』に植物が入るのはなんで?
それはちょっとした違和感。
土や砂、それに鉱石――というか石?
は、地面の構成そのものだって言う見方もできるから、『地に属するもの』だっていうのは納得。
でも、それなら植物は?
『地』に関係あるといえばあるのかもだけど、それなら水だって同じような立ち位置だよね。
とはいえ、水はそれ単体で属性があるから除外されるのかも。
――そうしたら、もしかして……。
植物は、地面を構成するモノじゃないけど、『地に属するもの』。
これって地面に生えるから、……だとか?
だとしたら、『火』の属性にも似たような事が言えるのかも。
例えば、『熱い』の反対の特性を持つとか?
だとしたら、答えは?
「『熱』……?」
答えは、満足げな微笑の形で返ってきた。
「さて、答えが出たところで、コンカッセ君に今日からやってもらう練習法についての説明をしようか。」
「!」
練習、って言う事は、この場合間違いなく『魔法』のだよね。
その言葉を聞いた私の肩が、咄嗟に跳ね上がる。
「――魔法の練習をするのが怖い?」
静かな目でそう問いかけられて、私は俯く。
だってね、ついさっき、私がきちんと説明を聞いていなかったせいでラエル師は酷い火傷をしたばっかり。
私がきちんとお話を聞いていれば、あんな事は起きなかったかもしれないのに。
そんな不真面目な生徒の事をキチンと指導してくれるって、ラエル師は、そう言ってくれてるんだよ?
私に、酷い目にあわされたって言うのに……。
なのに、その|生徒(私)が、「また、あなたを怪我させちゃうのが怖いから、魔法の使い方なんて覚えたくない。」なんてそんな事言えるわけがない。
……ないんだけど……。
でも、やっぱり怖いんだよ……。
そんな風に考えてしまう自分が情けなくって、胸がなんかギュッと苦しくなる。
「僕はこれでも、君のような生徒を百人以上指導してきた事があるからね。
さっきみたいな事故は、そう珍しい事でもないよ。
大概は、ちょっと指先を火傷したり、切り傷をこしらえたり、びしょぬれになったりと言う程度だけど。」
「……。」
やっぱり、さっきみたいに大怪我をするなんて事はそうそうないらしい。
より一層、暗い表情になったらしい私に、彼は苦笑を浮かべる。
「さっきよりもひどい目に遭った事も、あるよ。
確か――そう、二十六年前の事だけど。
王太后が、孤児院の慰問に行った時に同行させられてね。」
「王太后?!」
「そう。
僕の魔法の師匠。」
――王太后って、今の王様のお母さんの事だよね?
ラエル師ってば、ナニモノ???
私が目を丸くすると、ラエル師は片眉を上げる。
「元々はただの孤児だったんだけどね、ラヴィ――王太后に拾われて色々仕込まれたんだよ。
特に特性があったのが魔法でね……。
後進育成の仕事を任されてたんだけど……。
彼女の所に甥っ子――アスラーダが弟子に魔力の扱いを教える人材を融通してほしいって泣きついてきてね。
それで、僕をここに派遣してきたと言う訳。」
色々ツッコミたい。
グラムナード錬金術工房って、国営の工房だったっけ?
とか。
なんで前のとは言え、王妃と血の繋がりのあるような人が探索者っぽい格好で勧誘員なんてやってたのか?
とか。
院長様は、そんな人に疑いの目を向けてたのか。
とか。
特に院長様。
アスラーダさんが色々とうるさい人だったら、ヤバかったんじゃないのかな……?
でも、なんだか、深く考えない方が良いかも。
そう結論づけるのに、さほど時間はかからなかった。
だってね、どうしようもないじゃない。
もう、『見習い』だとは言えここに弟子入りしちゃってるんだし。
すでに手遅れってやつなんじゃないかと思う。
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