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宅地造成
☆スキル検証(宅地造成)
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妖精さんステッキを手に入れたわたし達は、それから宅地造成出来る場所を探す事に専念した。
現時点で行ける町を巡った結果、最初のゲームスタート時に居たヘッセンス島は、全域が造成禁止区域だと言う事が判明。
スタートからゲームに慣れるまでの場所なんだろうから、まぁ、そうだろうなと納得。
PKも出来ないしね。
後、町の近くでいわゆるガード圏内だと思われる町の門兵の視界内も建築禁止区域らしい。
でも、視界の外なら道の脇に建てられる事が分かって、イカ下足君と私は大喜びした。
ちなみに、宅地造成スキルでやれる事・制限はこんな感じだ。
・造成範囲は固定で、10歩×10歩の正方形。
・造成する為には、妖精さんにランクE以上の甘い食べ物3種類が10個づつ必要。
これは、作業する妖精さんのご飯らしい。
10人の妖精さんが寄り集まってもきゅもきゅと食べる姿は、何と言うか破壊力があってハニーちゃんと私は黄色い声を上げ続けた。
素のままだったまりあちゃんは、ちょっと女子としてどうかと思ったのは内緒だけど。
・森と山と水場は造成出来ない。
平原っぽい場所限定らしくて、1本木が生えてるとか、大きな岩がポツンとある位なら造成出来る。
水場も、波打ち際とかを侵食して造成する事は出来なかった。
山に住居を掘り抜くとかは出来ないみたい。アルがなんだかがっかりしてた。
・造成された土地の所有は一人1箇所のみ。
2箇所目を造成した場合、ゲーム内時間3日以内に譲渡しないと先に作ったモノから元の状態に戻って行ってしまう。
・譲渡すると、新たに所有する事が可能。
無料で譲渡する事も出来る。やらないけど。
・土地を所有すると、『帰還の水晶』というアイテムが作れるようになる。
造成された土地の中に居る時だけ作れるアイテムで、所有できるのは1種類1個だけの使い捨て。
材料として@10Gの水晶が必要になる。
必ず作った土地の持ち主かその土地に付けられた名前が入って『リリンの水晶』とかって名前になる。
土地に『リリンのお家』と名付ければ『リリンのお家の水晶』って感じ。
アイテムの説明によると、ダンジョンの中からでも戦闘中でなければ帰還できるらしい。便利そう。
「僕とリリンちゃんは、アップデートで道が開けそうな国境近くの町アスコーナから近いとこで……。」
「私は2つ目の港町のバレストラから近い砂浜の側が良い。」
「まりあは、スカレモナ付近の敵が狩りやすいからその辺が良いなー。」
「僕は急がないので、今は保留で。」
「私も気に入る場所が見つかってからでいいわ。」
6人であちこちを見て回った結果、ハニーちゃんとサイ君の2人は保留。
他の4人は早速希望の場所を抑える事になった。
実は、クエスト消化に時間が掛かっている間に、既に造成済みの土地が出始めてるんだよね。
まだ宅地造成を持っているプレイヤーが多くは無いみたいなんだけど、作った土地を売りに出したりする『不動産屋』も出始めているからどんどんとめぼしい土地が無くなって行く状態だ。
「4人分ゲットしたら、僕等も『不動産屋』やろか?」
「売上山分けー?」
イカ下足君の提案に、即座に答えたのはまりあちゃん。
「うーん。それだと、スキルを頑張って取ったリリンちゃんがかわいそだし、売り上げの半分リリンちゃんで、残りを山分けとかどうだろ?」
「なら、回転率上げないと美味しくないねー。」
「んー……。売上普通に山分けで構わないよ? ただ、貢物の代金は引いて欲しいけど。」
少し考えて、流石に半分は取り過ぎだろうとそう提案すると、まりあちゃんが華やいだ声を上げる。
「お、おねーさん太っ腹! なら、私のは後回しにしておねーさんの家を預かろっかー?」
「hmm。んじゃ、3軒づつ売る感じ?」
「そうそう。装備買うのに結構金欠気味なんだよねー。」
「服なら、素材くれれば作るよー?」
「その内よろしくー!」
「んじゃ、その方向で良い人手を上げてー?」
そうしてその日は、せっせと造成しては売る事を繰り返した。
21箇所も売ると流石に時間切れになったけど、一人頭24万5千Gの収入にまりあちゃんもご満悦。
1箇所10万Gで売ったのに、結構売れるもんだなと感心してしまった。
暫くは建築ラッシュが続きそうだけど、明日以降になると希望する様な場所が無くなりそうだからと言って不動産屋さんは今日でお終いと言う事になった。
アルも何のかんので、色んな人と話せて楽しそうな雰囲気だったのがちょっと印象に残る。
リアルでは、まず知らない人と顔を合わす事は無いと、昔メールで言っていたのを思い出して、ちょっとだけ胸が痛くなった。
せめて、こう言うゲームの中でだけでもそういう孤独感を感じないでくれたらいいなと、そう思う。
でも……。
他に友達が増えたせいで、アルが離れて行っちゃったら寂しいだろうな……。
そう思っちゃうのは、やっぱり性格が悪いのかなぁ。
アルに友達が出来るのは喜ばしいと思いながらも、私だけのアルで居て欲しいとも思っちゃうんだ。
現時点で行ける町を巡った結果、最初のゲームスタート時に居たヘッセンス島は、全域が造成禁止区域だと言う事が判明。
スタートからゲームに慣れるまでの場所なんだろうから、まぁ、そうだろうなと納得。
PKも出来ないしね。
後、町の近くでいわゆるガード圏内だと思われる町の門兵の視界内も建築禁止区域らしい。
でも、視界の外なら道の脇に建てられる事が分かって、イカ下足君と私は大喜びした。
ちなみに、宅地造成スキルでやれる事・制限はこんな感じだ。
・造成範囲は固定で、10歩×10歩の正方形。
・造成する為には、妖精さんにランクE以上の甘い食べ物3種類が10個づつ必要。
これは、作業する妖精さんのご飯らしい。
10人の妖精さんが寄り集まってもきゅもきゅと食べる姿は、何と言うか破壊力があってハニーちゃんと私は黄色い声を上げ続けた。
素のままだったまりあちゃんは、ちょっと女子としてどうかと思ったのは内緒だけど。
・森と山と水場は造成出来ない。
平原っぽい場所限定らしくて、1本木が生えてるとか、大きな岩がポツンとある位なら造成出来る。
水場も、波打ち際とかを侵食して造成する事は出来なかった。
山に住居を掘り抜くとかは出来ないみたい。アルがなんだかがっかりしてた。
・造成された土地の所有は一人1箇所のみ。
2箇所目を造成した場合、ゲーム内時間3日以内に譲渡しないと先に作ったモノから元の状態に戻って行ってしまう。
・譲渡すると、新たに所有する事が可能。
無料で譲渡する事も出来る。やらないけど。
・土地を所有すると、『帰還の水晶』というアイテムが作れるようになる。
造成された土地の中に居る時だけ作れるアイテムで、所有できるのは1種類1個だけの使い捨て。
材料として@10Gの水晶が必要になる。
必ず作った土地の持ち主かその土地に付けられた名前が入って『リリンの水晶』とかって名前になる。
土地に『リリンのお家』と名付ければ『リリンのお家の水晶』って感じ。
アイテムの説明によると、ダンジョンの中からでも戦闘中でなければ帰還できるらしい。便利そう。
「僕とリリンちゃんは、アップデートで道が開けそうな国境近くの町アスコーナから近いとこで……。」
「私は2つ目の港町のバレストラから近い砂浜の側が良い。」
「まりあは、スカレモナ付近の敵が狩りやすいからその辺が良いなー。」
「僕は急がないので、今は保留で。」
「私も気に入る場所が見つかってからでいいわ。」
6人であちこちを見て回った結果、ハニーちゃんとサイ君の2人は保留。
他の4人は早速希望の場所を抑える事になった。
実は、クエスト消化に時間が掛かっている間に、既に造成済みの土地が出始めてるんだよね。
まだ宅地造成を持っているプレイヤーが多くは無いみたいなんだけど、作った土地を売りに出したりする『不動産屋』も出始めているからどんどんとめぼしい土地が無くなって行く状態だ。
「4人分ゲットしたら、僕等も『不動産屋』やろか?」
「売上山分けー?」
イカ下足君の提案に、即座に答えたのはまりあちゃん。
「うーん。それだと、スキルを頑張って取ったリリンちゃんがかわいそだし、売り上げの半分リリンちゃんで、残りを山分けとかどうだろ?」
「なら、回転率上げないと美味しくないねー。」
「んー……。売上普通に山分けで構わないよ? ただ、貢物の代金は引いて欲しいけど。」
少し考えて、流石に半分は取り過ぎだろうとそう提案すると、まりあちゃんが華やいだ声を上げる。
「お、おねーさん太っ腹! なら、私のは後回しにしておねーさんの家を預かろっかー?」
「hmm。んじゃ、3軒づつ売る感じ?」
「そうそう。装備買うのに結構金欠気味なんだよねー。」
「服なら、素材くれれば作るよー?」
「その内よろしくー!」
「んじゃ、その方向で良い人手を上げてー?」
そうしてその日は、せっせと造成しては売る事を繰り返した。
21箇所も売ると流石に時間切れになったけど、一人頭24万5千Gの収入にまりあちゃんもご満悦。
1箇所10万Gで売ったのに、結構売れるもんだなと感心してしまった。
暫くは建築ラッシュが続きそうだけど、明日以降になると希望する様な場所が無くなりそうだからと言って不動産屋さんは今日でお終いと言う事になった。
アルも何のかんので、色んな人と話せて楽しそうな雰囲気だったのがちょっと印象に残る。
リアルでは、まず知らない人と顔を合わす事は無いと、昔メールで言っていたのを思い出して、ちょっとだけ胸が痛くなった。
せめて、こう言うゲームの中でだけでもそういう孤独感を感じないでくれたらいいなと、そう思う。
でも……。
他に友達が増えたせいで、アルが離れて行っちゃったら寂しいだろうな……。
そう思っちゃうのは、やっぱり性格が悪いのかなぁ。
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