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宅地造成
☆PKじゃない!!
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「PK、覚悟ー!!!」
逆切れして、アルに噛み付いて逃走していたら、不意に横の方からそんな声が上がった。
「へ!? PK!?」
驚いて声の方に顔を向けると、ものすごい勢いで大きな斧が振り下ろされてくる。
「にゃ?!」
慌ててその斧から逃れると、その斧の持ち主の犬耳少女はドスの利いた声を上げながらわたしに向かって再度その斧を振り上げた。
「PK、逃げるとは卑怯なりー! おとなしく、まりあの斧にかかりなさーい!」
「えええええええ?!」
PKって、わたしの事?!
慌てて逃げ出しながら、自分の体が灰色に点滅していることに気が付く。
まさか、アルに噛み付いたせい?!
確かに、がっつり噛み付いた!
噛み付いたけど!!!!!!
犯罪行為に結びつくほど~!?
※血が出るほど噛み付いています。。
せめて、町に近づけば犬耳少女も追いかけてこなくなるんじゃないかと思い立ち、ぐるりと回る形で方向転換して、町の方へと向かう。
必死で走っているせいで、息が切れて苦しい。
だって、生産職ですもの!
ちなみに、全速力で走ると『体力』が減っていく仕様だ。
採集で結構がんばってたから、元々残ってる体力は多くはなかったんだけど、それが今はガツガツ削られてる。
やばいやばいやばいやばい!
このままじゃ、バリバリの戦闘職らしい彼女に追いつかれる!!
「おとなしく成敗されろー!」
「PKじゃないもんー!!!!」
思わず、犬耳少女に返事を返したのが悪かった。
森の中だから、当然のごとく飛び出している木の根に足を取られて躓いたところに、犬耳少女が追いついてくる。
上半身を何とか起こしたものの、振り上げられた斧から逃げるのには……間に合わない……!
ああ、初の死に戻りがPKKとか泣けすぎる……。
そもそも、PKじゃないのに。
ぎゅっと目を瞑って、斧が振り下ろされる衝撃に備えたものの、それは、中々やってこない。
不審に思いながら恐る恐る目を開けると、そこにはわたしを背に庇って立つ、アルの姿がある。
いや、ギャグじゃないよ?
「PKの仲間? 庇い立てするなら、容赦しないよー?」
「こちらこそ。私の妻に手出しをするというのなら、死を覚悟したまえ。」
……あれ?
なんだかアルがえらく男前に感じる?!
可愛い系だと信じ込んでたのに!
小柄なボブカットの犬耳少女と対峙するアルの後ろ姿に、さっき逆切れして噛みついた事もすっかり忘れ去って、わたしはポーっと見惚れてた。
逆切れして、アルに噛み付いて逃走していたら、不意に横の方からそんな声が上がった。
「へ!? PK!?」
驚いて声の方に顔を向けると、ものすごい勢いで大きな斧が振り下ろされてくる。
「にゃ?!」
慌ててその斧から逃れると、その斧の持ち主の犬耳少女はドスの利いた声を上げながらわたしに向かって再度その斧を振り上げた。
「PK、逃げるとは卑怯なりー! おとなしく、まりあの斧にかかりなさーい!」
「えええええええ?!」
PKって、わたしの事?!
慌てて逃げ出しながら、自分の体が灰色に点滅していることに気が付く。
まさか、アルに噛み付いたせい?!
確かに、がっつり噛み付いた!
噛み付いたけど!!!!!!
犯罪行為に結びつくほど~!?
※血が出るほど噛み付いています。。
せめて、町に近づけば犬耳少女も追いかけてこなくなるんじゃないかと思い立ち、ぐるりと回る形で方向転換して、町の方へと向かう。
必死で走っているせいで、息が切れて苦しい。
だって、生産職ですもの!
ちなみに、全速力で走ると『体力』が減っていく仕様だ。
採集で結構がんばってたから、元々残ってる体力は多くはなかったんだけど、それが今はガツガツ削られてる。
やばいやばいやばいやばい!
このままじゃ、バリバリの戦闘職らしい彼女に追いつかれる!!
「おとなしく成敗されろー!」
「PKじゃないもんー!!!!」
思わず、犬耳少女に返事を返したのが悪かった。
森の中だから、当然のごとく飛び出している木の根に足を取られて躓いたところに、犬耳少女が追いついてくる。
上半身を何とか起こしたものの、振り上げられた斧から逃げるのには……間に合わない……!
ああ、初の死に戻りがPKKとか泣けすぎる……。
そもそも、PKじゃないのに。
ぎゅっと目を瞑って、斧が振り下ろされる衝撃に備えたものの、それは、中々やってこない。
不審に思いながら恐る恐る目を開けると、そこにはわたしを背に庇って立つ、アルの姿がある。
いや、ギャグじゃないよ?
「PKの仲間? 庇い立てするなら、容赦しないよー?」
「こちらこそ。私の妻に手出しをするというのなら、死を覚悟したまえ。」
……あれ?
なんだかアルがえらく男前に感じる?!
可愛い系だと信じ込んでたのに!
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