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宅地造成
☆出鼻をくじかれた
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今日は、やっと『宅地造成のお手伝い』クエがやれる事になっているので、ちょっぴりウキウキしながらログインする。
パーティで共有できないクエストっぽいので、アルが来る前に終るといいなーと思って、彼が来るよりも早い時間から入ってみた。
南国の港町と言った雰囲気の街中を歩きまわって、やっと見つけた商売人ギルドの窓口に行くと、受付のNPCにこう訊ねられる。
「今、お請けになっている特殊クエストの詳細をお話しますか? それとも、新規のクエストの受付を致しますか?」
「特殊クエストの詳細をお願いします。」
「それでは、リリン様にお願いしたいお仕事の内容ですが、実は宅地造成を行う為には『造成の小人さん』の好物を用意しなくてはいけないのです。」
小人さん!
ソレはあれか。
ホニャララの工房的な?!
思わず、鼻息が荒くなる。
そりゃもう、小人さんを見る為にもやるしかない。
私は早速、小人さんの好物を聞くとフィールドへと繰り出した。
小人さんの好物は3つ
その1 フルーツソースのオムレツ
その2 スターナッツのクッキー
その3 フワ豆スープ
材料はこの町の近辺で採集できるらしい。
商売人ギルドを探す途中で見つけておいた生産施設に、採集に向かう途中でよってレシピの確認。
スターナッツのクッキーのレシピはLV1からのモノだったのであっさり購入。
スープとフルーツソースのレシピはLV4からしか買えなかったので、可及的速やかに調理のレベルもあげなきゃいけないんだけど……材料を集めてからって事にしよう。
そう思って、町を出ようとしたところで門番NPC男性が話しかけてくる。
「失礼、この町に初めていらした旅人とお見受けしますが……」
「はい……?」
NPCから話しかけてくるなんて、珍しい事もあるなと思いながら答えると、始めてこの町を出る旅人への注意事項を伝えるのが仕事だと前置きをしてから、説明を始めた。
「この門から先は無法地帯となっております。」
「無法地帯……。」
「はい。害意のある他者からの攻撃を受ける事もありますので十分ご注意の上旅を続けて下さい。」
「他者って事は、同じプレイヤーに襲われる事もあるって言う事?」
「その通りです。」
「えーっと……その中でも安全な範囲とかは……」
「私どもの視界の範囲内で助けを求められましたら、不届き者は退治させて頂きます。」
ダメ元で訊ねると、彼は自分の胸をドンと叩いてニカっと笑う。
そうか。
あれだ、ガード圏内ってヤツね。
他のゲームと照らし合わせて納得しながら、私は予定変更を心に決めた。
アルが来るまでの間、商売人レベルを上げる事にしよう……!
PKが出る様なところで、のんびり採集なんてしてたら、狩られて泣きを見る未来しか見えない。
ちなみに、2時間で商売人レベルが上げられる程の生産が出来る訳もなく、ログインしてきたアルに事情を話すと『一人で進めようとするなんて』といじけられた。
サプライズ失敗。
がっくりしょんぼり。
パーティで共有できないクエストっぽいので、アルが来る前に終るといいなーと思って、彼が来るよりも早い時間から入ってみた。
南国の港町と言った雰囲気の街中を歩きまわって、やっと見つけた商売人ギルドの窓口に行くと、受付のNPCにこう訊ねられる。
「今、お請けになっている特殊クエストの詳細をお話しますか? それとも、新規のクエストの受付を致しますか?」
「特殊クエストの詳細をお願いします。」
「それでは、リリン様にお願いしたいお仕事の内容ですが、実は宅地造成を行う為には『造成の小人さん』の好物を用意しなくてはいけないのです。」
小人さん!
ソレはあれか。
ホニャララの工房的な?!
思わず、鼻息が荒くなる。
そりゃもう、小人さんを見る為にもやるしかない。
私は早速、小人さんの好物を聞くとフィールドへと繰り出した。
小人さんの好物は3つ
その1 フルーツソースのオムレツ
その2 スターナッツのクッキー
その3 フワ豆スープ
材料はこの町の近辺で採集できるらしい。
商売人ギルドを探す途中で見つけておいた生産施設に、採集に向かう途中でよってレシピの確認。
スターナッツのクッキーのレシピはLV1からのモノだったのであっさり購入。
スープとフルーツソースのレシピはLV4からしか買えなかったので、可及的速やかに調理のレベルもあげなきゃいけないんだけど……材料を集めてからって事にしよう。
そう思って、町を出ようとしたところで門番NPC男性が話しかけてくる。
「失礼、この町に初めていらした旅人とお見受けしますが……」
「はい……?」
NPCから話しかけてくるなんて、珍しい事もあるなと思いながら答えると、始めてこの町を出る旅人への注意事項を伝えるのが仕事だと前置きをしてから、説明を始めた。
「この門から先は無法地帯となっております。」
「無法地帯……。」
「はい。害意のある他者からの攻撃を受ける事もありますので十分ご注意の上旅を続けて下さい。」
「他者って事は、同じプレイヤーに襲われる事もあるって言う事?」
「その通りです。」
「えーっと……その中でも安全な範囲とかは……」
「私どもの視界の範囲内で助けを求められましたら、不届き者は退治させて頂きます。」
ダメ元で訊ねると、彼は自分の胸をドンと叩いてニカっと笑う。
そうか。
あれだ、ガード圏内ってヤツね。
他のゲームと照らし合わせて納得しながら、私は予定変更を心に決めた。
アルが来るまでの間、商売人レベルを上げる事にしよう……!
PKが出る様なところで、のんびり採集なんてしてたら、狩られて泣きを見る未来しか見えない。
ちなみに、2時間で商売人レベルが上げられる程の生産が出来る訳もなく、ログインしてきたアルに事情を話すと『一人で進めようとするなんて』といじけられた。
サプライズ失敗。
がっくりしょんぼり。
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