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第一夜
★初フィールド ~魔力弾とレベル~
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10羽目のウサギを枝で撲殺し終える頃には、この作業にも大分慣れて来た。
クエスト終了を知らせる小竜が現れ、報酬を私達の手元に置いて飛び去っていくのを見送る。
☆クエストクリア☆
魔物を狩ってみよう! 報酬 200ゴールド / 経験値10
「リリン。」
「なーにー?」
「同じ基礎クエストなのに、報酬の経験値が先程のものより少ないのは何故かね?」
「ああ、それはメイン職じゃないからだと思う。今のクエストは武芸者のだから……。」
そう言われてはじめて、先程のクエストは、私がメイン職に選択した探索者のものだと言う事に思い当たった。と言う事は、メイン職でクエストを受けないと経験値が半減してしまうと言う事か。
「ただ、3回こなせばレベルが1になるから、ちょっと損に感じるけどやった方が良さそうなんだよね。」
「ふむ? 理由を聞いても?」
「戦闘もだけど、採集するのにも体力使うのは体験して貰った通りなんだけど、この体力とか精神力って各職のレベルを上げると増えていくみたいなの。」
「成程。取り敢えずは、1レベルまで上げておくと行動できる量が増えると言う事か。」
「そそ。2レベルまでは結構楽かも。」
「了解した。」
私は、レベルを上げる必要性について納得すると、次なる教えに気持ちを切り替える事にした。
次のクエストは、名前こそ先程クリアしたばかりのクエと同じものだが、内容はわずかに違っている。先程のは、『攻撃』して倒すだったものが、こちらは『魔力弾』で倒す事になっている。
「次は、『魔力弾』でウサギを倒すね。実は、こっちの方があんまりコツは要らない☆」
「そうなのかね?」
「だってねぇ……」
リリンはそう言いながら、丁度リポップしたウサギに手を向けると「魔力弾!」と小さく叫んだ。
たったそれだけで、不可視の力を叩きつけられたウサギは小さくバウンドして地に伏した。
あんまりにもあっさりした魔法(?)に思わず、口をポカンと開けてしまう。
「手を、相手の攻撃を当てたい場所に向けて『魔力弾』っていうだけなの。」
「簡単でしょ?」と笑う彼女に、頷きながら私も同じようにその魔法を使ってみる。
魔力が体を巡る感覚も、抜けだしていく時特有の微かな虚脱感も何もない。
ただ、呪文と言うのも躊躇われるほど簡単な言葉一つで、ウサギはあっさりと地に伏した。
拍子抜けするほど簡単だ。
私の世界では魔力の操作が出来ないと、魔法を発動する事も魔法薬を作る事も出来ないのだが……。
ただ、そうは言っても、魔法の無い地球世界では魔力の循環などを感じる機会はないだろう。
ソレを考えるならば、どうしてもこんなものになるのかもしれない。
それにしても、手を向け声を出すだけだとは拍子抜けにも程がある。
これならば、2歳になる私の妹にも容易に使えそうでその事に少し怖さを感じた。
とはいえ、これは仮想世界での物であり実際の話ではない。
その事に少し安堵した。
こんなに簡単に他者を攻撃する手段が手に入るべきではないだろう。
「拍子抜けするほど簡単だな。」
「キーワードが必要なのはちょっと照れ臭いけどねー!」
「言えてる。」
「精神力が1になったら、少し休も。回復アイテムは持ってないんだけど、少し座ってると回復するからさ。」
「了解。」
私の選んだ探索者の精神力は10しかない。
9羽をあっさりと狩り終わると、精神力が回復するのを待つ間2人揃って草むらに腰掛けて、スキルのリストを開いて見る事にした。
スキルを見たいと思うとメニューが眼前に現れるのではなく、脳裏に思い浮かべる様な形で認識できる。
メニューが眼前に現れるタイプだと、一緒に見ながら相談が出来るのだがそうでない物は仕方ないと諦めて、互いにこの後どういったスキルを取るか相談をはじめた。
「実は、商売人のスキルは取っちゃった。」
「料理かね?」
「うん。消費が激しそうだから、自分で作れる方がいいかと思って。」
「私は君の料理が疑似的とはいえ、食せるのはとても嬉しい。」
「喜んで貰えてなにより♪ レベルが上がる毎に、スキルのレベルを上げるか新しいスキルを取るか選べるんだよ。ただ、後になる程レベルが上がり辛くなるから欲しいスキルは早めに取った方が良さそう。」
「ふむ。それも込みで、レベルを上げる事を君は薦めている訳か。」
「ソレモアル。」
どうやら、体力や精神力が上がると言う理由のほかにあったソレを、すっかり言い忘れていたらしい。
視線を逸らしつつニシシと笑う彼女に、思わず頬が緩むのを感じた。
誤魔化し笑いすらも可愛らしいと言うのはもう、反則なのではないだろうか?
クエスト終了を知らせる小竜が現れ、報酬を私達の手元に置いて飛び去っていくのを見送る。
☆クエストクリア☆
魔物を狩ってみよう! 報酬 200ゴールド / 経験値10
「リリン。」
「なーにー?」
「同じ基礎クエストなのに、報酬の経験値が先程のものより少ないのは何故かね?」
「ああ、それはメイン職じゃないからだと思う。今のクエストは武芸者のだから……。」
そう言われてはじめて、先程のクエストは、私がメイン職に選択した探索者のものだと言う事に思い当たった。と言う事は、メイン職でクエストを受けないと経験値が半減してしまうと言う事か。
「ただ、3回こなせばレベルが1になるから、ちょっと損に感じるけどやった方が良さそうなんだよね。」
「ふむ? 理由を聞いても?」
「戦闘もだけど、採集するのにも体力使うのは体験して貰った通りなんだけど、この体力とか精神力って各職のレベルを上げると増えていくみたいなの。」
「成程。取り敢えずは、1レベルまで上げておくと行動できる量が増えると言う事か。」
「そそ。2レベルまでは結構楽かも。」
「了解した。」
私は、レベルを上げる必要性について納得すると、次なる教えに気持ちを切り替える事にした。
次のクエストは、名前こそ先程クリアしたばかりのクエと同じものだが、内容はわずかに違っている。先程のは、『攻撃』して倒すだったものが、こちらは『魔力弾』で倒す事になっている。
「次は、『魔力弾』でウサギを倒すね。実は、こっちの方があんまりコツは要らない☆」
「そうなのかね?」
「だってねぇ……」
リリンはそう言いながら、丁度リポップしたウサギに手を向けると「魔力弾!」と小さく叫んだ。
たったそれだけで、不可視の力を叩きつけられたウサギは小さくバウンドして地に伏した。
あんまりにもあっさりした魔法(?)に思わず、口をポカンと開けてしまう。
「手を、相手の攻撃を当てたい場所に向けて『魔力弾』っていうだけなの。」
「簡単でしょ?」と笑う彼女に、頷きながら私も同じようにその魔法を使ってみる。
魔力が体を巡る感覚も、抜けだしていく時特有の微かな虚脱感も何もない。
ただ、呪文と言うのも躊躇われるほど簡単な言葉一つで、ウサギはあっさりと地に伏した。
拍子抜けするほど簡単だ。
私の世界では魔力の操作が出来ないと、魔法を発動する事も魔法薬を作る事も出来ないのだが……。
ただ、そうは言っても、魔法の無い地球世界では魔力の循環などを感じる機会はないだろう。
ソレを考えるならば、どうしてもこんなものになるのかもしれない。
それにしても、手を向け声を出すだけだとは拍子抜けにも程がある。
これならば、2歳になる私の妹にも容易に使えそうでその事に少し怖さを感じた。
とはいえ、これは仮想世界での物であり実際の話ではない。
その事に少し安堵した。
こんなに簡単に他者を攻撃する手段が手に入るべきではないだろう。
「拍子抜けするほど簡単だな。」
「キーワードが必要なのはちょっと照れ臭いけどねー!」
「言えてる。」
「精神力が1になったら、少し休も。回復アイテムは持ってないんだけど、少し座ってると回復するからさ。」
「了解。」
私の選んだ探索者の精神力は10しかない。
9羽をあっさりと狩り終わると、精神力が回復するのを待つ間2人揃って草むらに腰掛けて、スキルのリストを開いて見る事にした。
スキルを見たいと思うとメニューが眼前に現れるのではなく、脳裏に思い浮かべる様な形で認識できる。
メニューが眼前に現れるタイプだと、一緒に見ながら相談が出来るのだがそうでない物は仕方ないと諦めて、互いにこの後どういったスキルを取るか相談をはじめた。
「実は、商売人のスキルは取っちゃった。」
「料理かね?」
「うん。消費が激しそうだから、自分で作れる方がいいかと思って。」
「私は君の料理が疑似的とはいえ、食せるのはとても嬉しい。」
「喜んで貰えてなにより♪ レベルが上がる毎に、スキルのレベルを上げるか新しいスキルを取るか選べるんだよ。ただ、後になる程レベルが上がり辛くなるから欲しいスキルは早めに取った方が良さそう。」
「ふむ。それも込みで、レベルを上げる事を君は薦めている訳か。」
「ソレモアル。」
どうやら、体力や精神力が上がると言う理由のほかにあったソレを、すっかり言い忘れていたらしい。
視線を逸らしつつニシシと笑う彼女に、思わず頬が緩むのを感じた。
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