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薬味も欲しい
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毛皮の合成作業が思いの外楽しかった。ついつい、お茶を飲んで体力の回復をしてまで夢中になってしまったのには、うっかりが過ぎた。おかげで、お昼寝の時間が遅れてしまって、起きた頃にはもう夕方。
ちなみにアイラはアイラで、私が毛皮の合成をやっている間に畑の方で何やらやっていたみたい。体力を消耗しすぎたのか、起きてはきたものの大きな欠伸をしながらボーッとしてる。
ご飯を作るのにはちょっと早すぎる時間だから、私はキッチンの整備をやってしまおう。前よりもキッチンに使う面積が増えたし、前に作ったシンクや棚はサイズが小さすぎる。それに、食料貯蔵庫で使うための棚も必要です。
ふふふ~♪
自分の好きに設計出来るのが、めっちゃ楽しい!
一旦、全部の棚を”データストレージ”に突っ込んでから錬金釜に放り込み、足りない分の材料を加えてグールグル♪
レンジ台に調理器具用の棚、シンクに付属の調理台。最後に食器棚を作って設置する。所要時間は三十分足らず!
”錬金術”の”融合”はあっという間に終わるし、設置するための移動も”データストレージ”から取り出すだけ……
模様替えが簡単だから、うっかりやりすぎてしまいそう。
でも、便利なのは素晴らしいことなので、これからも乱用する所存です。
キッチン関連はぜーんぶ材料が青土だから、使い回しがきくというのもまた大きい。
潤沢に材料があると、気持ちに余裕ができるよね。
「アイラはその作業、あとどれくらい掛かりそう?」
私が棚の類を作っている間にアイラも作業を始めていて、キッチン設備を配置し終えたころにはゴザがいくつも横に巻かれていた。今は――多分、予備のワラ靴を作っているみたい。
「んー。一個あたり十分かからないからいつでもやめられるわよ」
「そっか。それじゃあ、御飯作り始めちゃうね」
作業よりもご飯が優先という気配を感じたので、空気を読んで早速ご飯の支度に取り掛かる。
今夜は、スミーゴのもも肉のタタキとお刺身がメインの予定。
まず、花粉米を炊き始めてからお肉の準備に取り掛かる。
スミーゴのもも肉を刺し身の柵のように切り分けたら、半分は生のまま。残りの半分は雪原草のワラで炙ってから刺し身に仕上げる。カツオの藁焼きを食べて感動したことがあって、それ以来実は一度やってみたかったんだよね。フライパンやガスコンロ焼いて作ったタタキと違って、香りが凄くいいから、機会があるなら是非とも一度食べてみるべきだと思う。
焼き上がったら、燃え尽きた灰は”データストレージ”にポイ。残ったお肉を台の上でコロコロして、粗熱を取る。
ちなみに、キッチンの調理台やなんかを全部青土で作ったのは、コレが出来るせい。
流水にさらさなくっても、きっちりと粗熱がとれるのです。調理道具として考えるのなら、とっても有能だと思う。
粗熱をとっている間に、そのまま食べる分をお刺身にしてお皿に可愛く盛り付けたら”データストレージ”にイン。生の方は、バラの花に見えるように盛ってみました。
アイラの方はバラだけど、私の方がボタンみたいになってしまったのはご愛嬌。
量が、量が違いすぎたの!
続いて、藁焼きにした方を普通に盛り付けて”データストレージ”へ。
お昼にも白菜は使っちゃったけど、夜はお味噌汁で再登場。もちろん、ある程度味を整えてから”錬金料理”に変身。……なんか、錬金料理が便利すぎるので、魚介類を手に入れるのは急がなくてもいい気がしてきた今日この頃です。
あとはルッコラのサラダと、ほうれん草とオニオンフラワーのバターソテーを作ったら、調理終了。
アイラは既に準備万端で、サラダとほうれん草のソテーのお皿を持って鼻歌交じりに食卓に向かっている。
「お味噌汁も持ってくわね」
「お願いします」
私はご飯を持って行くだけ。
席についてからスミーゴのお刺身とタタキを取り出すと、アイラの口から歓声が上がった。
「可愛い♪ お花の形に盛り付けたのね」
「ほら、お花ってここに来てからほとんどみないでしょ」
「暖気草くらいだったかしら?」
そういえば、そんなものもあったっけ。
「聞くのを忘れてたんだけどさ……。あれ、なんでトイレに植わってるの?」
ちなみに、『耐寒剤』の材料になるって”検索”にでたから集めてみたものの、どうやって作ればいいのか分からずにお蔵入りした花。だけど、今はなぜかトイレの床に植えられてるんだよね。ちょっと、地味に足の踏み場的に困っていたりするのです。
「暖房代わり」
「暖房……」
出来る限り、行動圏外にも床暖房を入れて歩いてる。それでもまだ足りなかったのかと思っていると、夜中にトイレに行った時に少し暖かいのだと説明された。
「気付かなかったなぁ……」
「レイちゃんは、自分が歩き回る時には暖房を入れて歩いてくれてるもの。気づきづらいんじゃないかしら?」
「そうかも」
言われてみれば、歩いて回る先にチョコチョコ”ヒート”を掛けて歩いてるなと納得するしかない。アイラの指摘に頷きつつ、二人で「いただきます」と、ご飯を食べはじめる。
まずはほうれん草のソテーから。
湯がいてもほんのり残る苦味と、フェットバターの風味がマッチしていい感じ。
藁焼きにしたスミーゴは……あ、ヤバい。箸が止まらないかも!
あー! 次にやる時は、是非ともショウガとかニンニクとかの薬味も欲しい!!
アイラの今後の活躍に期待します!
ちなみにアイラはアイラで、私が毛皮の合成をやっている間に畑の方で何やらやっていたみたい。体力を消耗しすぎたのか、起きてはきたものの大きな欠伸をしながらボーッとしてる。
ご飯を作るのにはちょっと早すぎる時間だから、私はキッチンの整備をやってしまおう。前よりもキッチンに使う面積が増えたし、前に作ったシンクや棚はサイズが小さすぎる。それに、食料貯蔵庫で使うための棚も必要です。
ふふふ~♪
自分の好きに設計出来るのが、めっちゃ楽しい!
一旦、全部の棚を”データストレージ”に突っ込んでから錬金釜に放り込み、足りない分の材料を加えてグールグル♪
レンジ台に調理器具用の棚、シンクに付属の調理台。最後に食器棚を作って設置する。所要時間は三十分足らず!
”錬金術”の”融合”はあっという間に終わるし、設置するための移動も”データストレージ”から取り出すだけ……
模様替えが簡単だから、うっかりやりすぎてしまいそう。
でも、便利なのは素晴らしいことなので、これからも乱用する所存です。
キッチン関連はぜーんぶ材料が青土だから、使い回しがきくというのもまた大きい。
潤沢に材料があると、気持ちに余裕ができるよね。
「アイラはその作業、あとどれくらい掛かりそう?」
私が棚の類を作っている間にアイラも作業を始めていて、キッチン設備を配置し終えたころにはゴザがいくつも横に巻かれていた。今は――多分、予備のワラ靴を作っているみたい。
「んー。一個あたり十分かからないからいつでもやめられるわよ」
「そっか。それじゃあ、御飯作り始めちゃうね」
作業よりもご飯が優先という気配を感じたので、空気を読んで早速ご飯の支度に取り掛かる。
今夜は、スミーゴのもも肉のタタキとお刺身がメインの予定。
まず、花粉米を炊き始めてからお肉の準備に取り掛かる。
スミーゴのもも肉を刺し身の柵のように切り分けたら、半分は生のまま。残りの半分は雪原草のワラで炙ってから刺し身に仕上げる。カツオの藁焼きを食べて感動したことがあって、それ以来実は一度やってみたかったんだよね。フライパンやガスコンロ焼いて作ったタタキと違って、香りが凄くいいから、機会があるなら是非とも一度食べてみるべきだと思う。
焼き上がったら、燃え尽きた灰は”データストレージ”にポイ。残ったお肉を台の上でコロコロして、粗熱を取る。
ちなみに、キッチンの調理台やなんかを全部青土で作ったのは、コレが出来るせい。
流水にさらさなくっても、きっちりと粗熱がとれるのです。調理道具として考えるのなら、とっても有能だと思う。
粗熱をとっている間に、そのまま食べる分をお刺身にしてお皿に可愛く盛り付けたら”データストレージ”にイン。生の方は、バラの花に見えるように盛ってみました。
アイラの方はバラだけど、私の方がボタンみたいになってしまったのはご愛嬌。
量が、量が違いすぎたの!
続いて、藁焼きにした方を普通に盛り付けて”データストレージ”へ。
お昼にも白菜は使っちゃったけど、夜はお味噌汁で再登場。もちろん、ある程度味を整えてから”錬金料理”に変身。……なんか、錬金料理が便利すぎるので、魚介類を手に入れるのは急がなくてもいい気がしてきた今日この頃です。
あとはルッコラのサラダと、ほうれん草とオニオンフラワーのバターソテーを作ったら、調理終了。
アイラは既に準備万端で、サラダとほうれん草のソテーのお皿を持って鼻歌交じりに食卓に向かっている。
「お味噌汁も持ってくわね」
「お願いします」
私はご飯を持って行くだけ。
席についてからスミーゴのお刺身とタタキを取り出すと、アイラの口から歓声が上がった。
「可愛い♪ お花の形に盛り付けたのね」
「ほら、お花ってここに来てからほとんどみないでしょ」
「暖気草くらいだったかしら?」
そういえば、そんなものもあったっけ。
「聞くのを忘れてたんだけどさ……。あれ、なんでトイレに植わってるの?」
ちなみに、『耐寒剤』の材料になるって”検索”にでたから集めてみたものの、どうやって作ればいいのか分からずにお蔵入りした花。だけど、今はなぜかトイレの床に植えられてるんだよね。ちょっと、地味に足の踏み場的に困っていたりするのです。
「暖房代わり」
「暖房……」
出来る限り、行動圏外にも床暖房を入れて歩いてる。それでもまだ足りなかったのかと思っていると、夜中にトイレに行った時に少し暖かいのだと説明された。
「気付かなかったなぁ……」
「レイちゃんは、自分が歩き回る時には暖房を入れて歩いてくれてるもの。気づきづらいんじゃないかしら?」
「そうかも」
言われてみれば、歩いて回る先にチョコチョコ”ヒート”を掛けて歩いてるなと納得するしかない。アイラの指摘に頷きつつ、二人で「いただきます」と、ご飯を食べはじめる。
まずはほうれん草のソテーから。
湯がいてもほんのり残る苦味と、フェットバターの風味がマッチしていい感じ。
藁焼きにしたスミーゴは……あ、ヤバい。箸が止まらないかも!
あー! 次にやる時は、是非ともショウガとかニンニクとかの薬味も欲しい!!
アイラの今後の活躍に期待します!
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