58 / 104
ヒート
しおりを挟む
二人して午後の間ずーっと、かかりきりで作業をしていたものだから精神的に疲れ切ってしまった。正直、おこもり初日から張り切りすぎ。
揃って仮眠はとったものの、気持ち的な疲れが酷いので今日は早々に寝る約束をして、交代でお風呂に入る。
私は、アイラがオフロに入っている間にご飯の用意。今回は予めメニューが決まっているから、少し気楽だ。花粉米を炊いたら、オニオンスープをグールグル。ちょっぴり足りない風味を、錬金料理でごまかす方向。
なにぶん、野菜が足りなくてコンソメスープが作れないので致し方無い。お野菜が増えたらコンソメを作って、きちんと美味しいオニオングラタンスープをアイラに作ってやるんだから……!
脱穀済みの雪原草を少し拝借して、錬金料理でフランスパンぽいものを作ってスライス。耐熱皿にオニオンスープと一緒に入れて、チーズを載せたらオーブンへ。
しばらく放置すれば、オニオングラタンスープの出来上がりだ。
最後にスーフェットの背肉を焼けば、今日の晩御飯は出来上がり♪
スーフェットは子犬くらいの大きさだったから、肉のサイズも小さめ。なので、サイコロステーキ風です。
「レイちゃんも、ご飯の前にお風呂に入ってきたら?」
「お腹は平気?」
「うん。しばらくぼーっとしてるー」
お言葉に甘えて、私もご飯の前にお風呂に入る。なんか、一日の疲れが汗と一緒に流れていくような……(錯覚)
ご飯をあまり待たせるのも申し訳ないので、三十分ほどで上がって居間に戻り、お食事タイム。
「これ、スーフェット? アーフェット?」
「スーフェットの方の背肉。ちょっと小さいからサイコロステーキ風にしてみた」
「アーフェットのこってり感もいいけど、今日はコレくらいがありがたいわ……」
「明日はもうちょっと、休憩挟みながらやろっか」
「そうねー。あ、オニグラスープ! あたし、コレ好きなの」
もちろん知ってましたとも。
お店のメニューにあると、必ず注文してたし。
「あ、雪原草をちょっと貰っちゃった」
「まだ、脱穀しかしてないやつよね? そっちも加工しないとかぁ……」
「脱穀してあれば使えなくもないから、急がないでも大丈夫だよ」
「ううん。明日、午前中にやっちゃう。籾摺りがスキルでやれるようになったんだもの。一度くらいはやってみたいし……」
「そういうことなら、気が向いた時にお願いします」
私に、やってみたいと言うことを、止める権利はないのだ。まあ、倒れない範囲で習っていう限定条件は付くんだけど。
さすがのアイラも、もう変な無茶はしないと思いたい。
「明日は私、ナタの改良に勤しみます」
「今のでも研ぎ直ししてもらえれば十分に使えるから、無理しなくていいわよ?」
「んー……刃物全般がダメだと思うから、きっちり頑張ってみる」
「まあ、ナマクラよりは嬉しいから止めないけど、無理はしないでね」
私、夢中になると遅くまで起きてるから、心配されてしまった。
アイラが寝る前に畑の様子を見に行っている間に、私は青土の処理をして体力消費。
昨日から氷結晶を取り出したあとの土で、レンガを作ってる。たくさん溜めて、壁や床をレンガで覆ったら、少しは寒さが和らぐんじゃないかと思って頑張ってる。
風呂釜やお風呂の床と違って、壁や床が青土のままだから寒いんじゃないかと思うんだよね。お風呂場で壁を触ると、明らかに冷たいんだもの。
他にも、あちこちにドアを作ろうと思っているから、すぐには無理なんだけど……
千里の道も、一歩からって言うじゃない? なので、地道に溜めていくつもりです。
寝る前に、入浴によって満タンになった魔力を使い切るために”ホット”の無駄打ちをしていたら、”火魔法”がレベルアップしたというアナウンス。
どうやら新しく、”ヒート”という魔法を覚えたみたいだ。
どんな効果かと思って検索してみると、レベル×一時間の間、無機物の温度を十度上昇させる魔法らしい。ちなみに、重ねがけも可能。
範囲もレベル㎥で、効果時間もレベル×一時間だって言うから、”ホット”よりも使い勝手が良さそう。というか、私が熟睡できる時間が増える……!
寒くなってきたら、一回起きて掛け直すだけで朝まで寝られそうだよね。”火魔法”のレベルを上げてたのって、ほぼほぼ”ホット”の効果時間を伸ばすためだったし、狙っていたわけじゃないけど、かなり嬉しい。
”ホット”の効果時間が増えても一時間半にしかならないのに、”ヒート”の効果時間は三時間。比べ物にならない効果だ。
やだ、ほんとに嬉しい!
まだ残っている魔力は、”土魔法”のレベル上げに費やすことにして、あちこちに”ハードニング”を重ねがけして歩いた。
あと一回魔法を使ったら意識を失ってしまうというところまで使い切ってから、お布団に潜り込んで床に向かって”ヒート”。
いい感じに暖かくなっていくのを感じながら、眠りに落ちる。
きっと、今日もいい夢が見れるに違いない。
揃って仮眠はとったものの、気持ち的な疲れが酷いので今日は早々に寝る約束をして、交代でお風呂に入る。
私は、アイラがオフロに入っている間にご飯の用意。今回は予めメニューが決まっているから、少し気楽だ。花粉米を炊いたら、オニオンスープをグールグル。ちょっぴり足りない風味を、錬金料理でごまかす方向。
なにぶん、野菜が足りなくてコンソメスープが作れないので致し方無い。お野菜が増えたらコンソメを作って、きちんと美味しいオニオングラタンスープをアイラに作ってやるんだから……!
脱穀済みの雪原草を少し拝借して、錬金料理でフランスパンぽいものを作ってスライス。耐熱皿にオニオンスープと一緒に入れて、チーズを載せたらオーブンへ。
しばらく放置すれば、オニオングラタンスープの出来上がりだ。
最後にスーフェットの背肉を焼けば、今日の晩御飯は出来上がり♪
スーフェットは子犬くらいの大きさだったから、肉のサイズも小さめ。なので、サイコロステーキ風です。
「レイちゃんも、ご飯の前にお風呂に入ってきたら?」
「お腹は平気?」
「うん。しばらくぼーっとしてるー」
お言葉に甘えて、私もご飯の前にお風呂に入る。なんか、一日の疲れが汗と一緒に流れていくような……(錯覚)
ご飯をあまり待たせるのも申し訳ないので、三十分ほどで上がって居間に戻り、お食事タイム。
「これ、スーフェット? アーフェット?」
「スーフェットの方の背肉。ちょっと小さいからサイコロステーキ風にしてみた」
「アーフェットのこってり感もいいけど、今日はコレくらいがありがたいわ……」
「明日はもうちょっと、休憩挟みながらやろっか」
「そうねー。あ、オニグラスープ! あたし、コレ好きなの」
もちろん知ってましたとも。
お店のメニューにあると、必ず注文してたし。
「あ、雪原草をちょっと貰っちゃった」
「まだ、脱穀しかしてないやつよね? そっちも加工しないとかぁ……」
「脱穀してあれば使えなくもないから、急がないでも大丈夫だよ」
「ううん。明日、午前中にやっちゃう。籾摺りがスキルでやれるようになったんだもの。一度くらいはやってみたいし……」
「そういうことなら、気が向いた時にお願いします」
私に、やってみたいと言うことを、止める権利はないのだ。まあ、倒れない範囲で習っていう限定条件は付くんだけど。
さすがのアイラも、もう変な無茶はしないと思いたい。
「明日は私、ナタの改良に勤しみます」
「今のでも研ぎ直ししてもらえれば十分に使えるから、無理しなくていいわよ?」
「んー……刃物全般がダメだと思うから、きっちり頑張ってみる」
「まあ、ナマクラよりは嬉しいから止めないけど、無理はしないでね」
私、夢中になると遅くまで起きてるから、心配されてしまった。
アイラが寝る前に畑の様子を見に行っている間に、私は青土の処理をして体力消費。
昨日から氷結晶を取り出したあとの土で、レンガを作ってる。たくさん溜めて、壁や床をレンガで覆ったら、少しは寒さが和らぐんじゃないかと思って頑張ってる。
風呂釜やお風呂の床と違って、壁や床が青土のままだから寒いんじゃないかと思うんだよね。お風呂場で壁を触ると、明らかに冷たいんだもの。
他にも、あちこちにドアを作ろうと思っているから、すぐには無理なんだけど……
千里の道も、一歩からって言うじゃない? なので、地道に溜めていくつもりです。
寝る前に、入浴によって満タンになった魔力を使い切るために”ホット”の無駄打ちをしていたら、”火魔法”がレベルアップしたというアナウンス。
どうやら新しく、”ヒート”という魔法を覚えたみたいだ。
どんな効果かと思って検索してみると、レベル×一時間の間、無機物の温度を十度上昇させる魔法らしい。ちなみに、重ねがけも可能。
範囲もレベル㎥で、効果時間もレベル×一時間だって言うから、”ホット”よりも使い勝手が良さそう。というか、私が熟睡できる時間が増える……!
寒くなってきたら、一回起きて掛け直すだけで朝まで寝られそうだよね。”火魔法”のレベルを上げてたのって、ほぼほぼ”ホット”の効果時間を伸ばすためだったし、狙っていたわけじゃないけど、かなり嬉しい。
”ホット”の効果時間が増えても一時間半にしかならないのに、”ヒート”の効果時間は三時間。比べ物にならない効果だ。
やだ、ほんとに嬉しい!
まだ残っている魔力は、”土魔法”のレベル上げに費やすことにして、あちこちに”ハードニング”を重ねがけして歩いた。
あと一回魔法を使ったら意識を失ってしまうというところまで使い切ってから、お布団に潜り込んで床に向かって”ヒート”。
いい感じに暖かくなっていくのを感じながら、眠りに落ちる。
きっと、今日もいい夢が見れるに違いない。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
転生して捨てられたけど日々是好日だね。【二章・完】
ぼん@ぼおやっじ
ファンタジー
おなじみ異世界に転生した主人公の物語。
転生はデフォです。
でもなぜか神様に見込まれて魔法とか魔力とか失ってしまったリウ君の物語。
リウ君は幼児ですが魔力がないので馬鹿にされます。でも周りの大人たちにもいい人はいて、愛されて成長していきます。
しかしリウ君の暮らす村の近くには『タタリ』という恐ろしいものを封じた祠があたのです。
この話は第一部ということでそこまでは完結しています。
第一部ではリウ君は自力で成長し、戦う力を得ます。
そして…
リウ君のかっこいい活躍を見てください。
前世の忠国の騎士を探す元姫、その前にまずは今世の夫に離縁を申し出る~今世の夫がかつての忠国の騎士? そんな訳ないでしょう~
夜霞
ファンタジー
ソウェル王国の王女であるヘンリエッタは、小国であるクィルズ帝国の王子との結婚式の最中に反乱によって殺害される。
犯人は国を乗っ取ろうとした王子と王子が指揮する騎士団だった。
そんなヘンリエッタを救いに、幼い頃からヘンリエッタと国に仕えていた忠国の騎士であるグラナック卿が式場にやって来るが、グラナック卿はソウェル王国の王立騎士団の中に潜んでいた王子の騎士によって殺されてしまう。
互いに密かに愛し合っていたグラナック卿と共に死に、来世こそはグラナック卿と結ばれると決意するが、転生してエレンとなったヘンリエッタが前世の記憶を取り戻した時、既にエレンは別の騎士の妻となっていた。
エレンの夫となったのは、ヘンリエッタ殺害後に大国となったクィルズ帝国に仕える騎士のヘニングであった。
エレンは前世の無念を晴らす為に、ヘニングと離縁してグラナック卿を探そうとするが、ヘニングはそれを許してくれなかった。
「ようやく貴女を抱ける。これまでは出来なかったから――」
ヘニングとの時間を過ごす内に、次第にヘニングの姿がグラナック卿と重なってくる。
エレンはヘニングと離縁して、今世に転生したグラナック卿と再会出来るのか。そしてヘニングの正体とは――。
※エブリスタ、ベリーズカフェ、カクヨム他にも掲載しています。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。
克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
異世界転生!ハイハイからの倍人生
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は死んでしまった。
まさか野球観戦で死ぬとは思わなかった。
ホームランボールによって頭を打ち死んでしまった僕は異世界に転生する事になった。
転生する時に女神様がいくら何でも可哀そうという事で特殊な能力を与えてくれた。
それはレベルを減らすことでステータスを無制限に倍にしていける能力だった...
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる