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神様のいたずら
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──気付けば外も暗くなり、クリスマスツリーもライトアップされ、より一層綺麗な輝きを放っていた。
僕たちも帰る前に見に行こうと決めていて、クリスマスツリーの綺麗な輝きを二人で目に焼き付けていたんだ。
「ほんっと、綺麗だねっ…」
「ああ、すごく綺麗だ…」
クリスマスツリーの前で綺麗な輝きに見惚れていたその時…大和は徐にマフラーを首から外し、僕の首元へ巻き付けてくれたんだ。
「や、大和…?」
「…お前さ、俺の匂い…好きだろ?」
えっ…ど、どうしてそれが分かったの…!?
Ωの習性で恋をしたαの匂いに包まれたくなることがあるとは聞いていたけれど、僕はβの大和の匂いにずっと包まれていた…
それは、紛れもなく大好きな人の匂いが好きで取っていた行為だ。
で、でもどうして…?
大和は前から匂いの事、気付いていたの…?
もしかして、僕が大和のことを好きだって言うことも大和は知っていたの…?
そんな事よりも恥ずかしい行為をしていた事がバレた方が倍に恥ずかしくて、僕は顔が真っ赤になってしまったんだ。
「大和…ぼ、僕っ…」
「それともう一つ…お前のものは俺のものなら…俺も俺のものをお前にあげたいって思ったんだよ?」
大和のものを僕にあげたい…
その言葉が紡がれた時、僕の鼓動は大きく大きく脈を打ち始めた…
今まで、僕のものは全て大和のものだった…
その大和が今度は僕に自分の大切なものを渡そうとしてくれているんだ…
そして、僕は今…大和の大切なものに包まれている…それを考えるだけで嬉しくて堪らない、それだけで堪らないのに…
「…大和…」
「…裕翔…俺、お前のこと…」
その時だった…
ドクンッ!!ドクンッ!!
僕の鼓動が急に早くなり、身体が急激に熱くなりだしたんだ。
今までに感じたことが無い程、身体中を血が早く巡り、急に息も上がり始めていて、少しずつフェロモンが漏れ出しているのもよく分かる…
嘘だ…こんな時にまた、発情期不順が僕の身体を襲うだなんて…
これはこれはかなりマズイ…
大和にバレないとしても、今日はクリスマスイブ…そして、ここは大型ショッピングモールだ…
どこにαがいるかなんて僕には分からない…
ただ、僕のフェロモンにαが反応してしまうと、せっかくの聖なる夜が台無しになる…
そんなことを考えれば考えるほど、僕は強い恐怖心に駆られてしまったんだ…
怖い……怖い…っ!!
「お、おい…裕翔…大丈夫かっ…」
「大和…ごめん、僕、今日は先に帰る!」
どうしていいのか分からなくなってしまった僕は、咄嗟に大和へそう吐き出し、走り出そうとしたその時…
「おい、待てよ…!」
僕は大和に腕を捕まれ、止められてしまった。
「離して!」と振り切ろうとするけれど、大和は僕の腕を離してくれない。
大和お願い…離して…
このままじゃ全てを失ってしまう…
大和のことも失ってしまう…
お願い…大和、お願いっ…!
そして、大和が僕を引き寄せようとした瞬間…振り返る僕に大和は言葉を失っていた…
僕から溢れる小さな涙の粒が振り返った反動で大和の頬に飛び散り刺激する…
それと共に僕は、とてつもなく悲しく…切ない感情が表情に現れてしまっていたんだ…
言葉を失った大和は、僕の腕からスっと腕を離してくれて…僕はそのまま大和を置いて形振り構わず聖夜を走り抜けてしまった…
どうして…どうして今なんだよ…!!
もう…もう、分かんないよっ!!
勢いのあまり、首にかけられた大和のマフラーは無残にも地面にひらりと落ちていき、大和の頬に慕った僕の冷たい涙と共に、ホワイトクリスマスが聖なる夜を彩っていったんだ。
僕たちも帰る前に見に行こうと決めていて、クリスマスツリーの綺麗な輝きを二人で目に焼き付けていたんだ。
「ほんっと、綺麗だねっ…」
「ああ、すごく綺麗だ…」
クリスマスツリーの前で綺麗な輝きに見惚れていたその時…大和は徐にマフラーを首から外し、僕の首元へ巻き付けてくれたんだ。
「や、大和…?」
「…お前さ、俺の匂い…好きだろ?」
えっ…ど、どうしてそれが分かったの…!?
Ωの習性で恋をしたαの匂いに包まれたくなることがあるとは聞いていたけれど、僕はβの大和の匂いにずっと包まれていた…
それは、紛れもなく大好きな人の匂いが好きで取っていた行為だ。
で、でもどうして…?
大和は前から匂いの事、気付いていたの…?
もしかして、僕が大和のことを好きだって言うことも大和は知っていたの…?
そんな事よりも恥ずかしい行為をしていた事がバレた方が倍に恥ずかしくて、僕は顔が真っ赤になってしまったんだ。
「大和…ぼ、僕っ…」
「それともう一つ…お前のものは俺のものなら…俺も俺のものをお前にあげたいって思ったんだよ?」
大和のものを僕にあげたい…
その言葉が紡がれた時、僕の鼓動は大きく大きく脈を打ち始めた…
今まで、僕のものは全て大和のものだった…
その大和が今度は僕に自分の大切なものを渡そうとしてくれているんだ…
そして、僕は今…大和の大切なものに包まれている…それを考えるだけで嬉しくて堪らない、それだけで堪らないのに…
「…大和…」
「…裕翔…俺、お前のこと…」
その時だった…
ドクンッ!!ドクンッ!!
僕の鼓動が急に早くなり、身体が急激に熱くなりだしたんだ。
今までに感じたことが無い程、身体中を血が早く巡り、急に息も上がり始めていて、少しずつフェロモンが漏れ出しているのもよく分かる…
嘘だ…こんな時にまた、発情期不順が僕の身体を襲うだなんて…
これはこれはかなりマズイ…
大和にバレないとしても、今日はクリスマスイブ…そして、ここは大型ショッピングモールだ…
どこにαがいるかなんて僕には分からない…
ただ、僕のフェロモンにαが反応してしまうと、せっかくの聖なる夜が台無しになる…
そんなことを考えれば考えるほど、僕は強い恐怖心に駆られてしまったんだ…
怖い……怖い…っ!!
「お、おい…裕翔…大丈夫かっ…」
「大和…ごめん、僕、今日は先に帰る!」
どうしていいのか分からなくなってしまった僕は、咄嗟に大和へそう吐き出し、走り出そうとしたその時…
「おい、待てよ…!」
僕は大和に腕を捕まれ、止められてしまった。
「離して!」と振り切ろうとするけれど、大和は僕の腕を離してくれない。
大和お願い…離して…
このままじゃ全てを失ってしまう…
大和のことも失ってしまう…
お願い…大和、お願いっ…!
そして、大和が僕を引き寄せようとした瞬間…振り返る僕に大和は言葉を失っていた…
僕から溢れる小さな涙の粒が振り返った反動で大和の頬に飛び散り刺激する…
それと共に僕は、とてつもなく悲しく…切ない感情が表情に現れてしまっていたんだ…
言葉を失った大和は、僕の腕からスっと腕を離してくれて…僕はそのまま大和を置いて形振り構わず聖夜を走り抜けてしまった…
どうして…どうして今なんだよ…!!
もう…もう、分かんないよっ!!
勢いのあまり、首にかけられた大和のマフラーは無残にも地面にひらりと落ちていき、大和の頬に慕った僕の冷たい涙と共に、ホワイトクリスマスが聖なる夜を彩っていったんだ。
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