奥さまは魔王女

奏 隼人

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変化

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ミスとリルは岬から海に向かってガンマータを放った…

半円形に水面を削り取って、まるで二人の前に巨大な道が開けたかのように真っ直ぐ魔法力の跡が伸びていく…

「わーっ!」

「きゃーっ!」

二人は自分達の魔法のあまりの威力にってしまい、途中からガンマータを頭上に向けて放ってしまった…

その魔法は大気圏を超えて宇宙空間にまで飛び出す勢いだった…

「やはり凄い勢いじゃの…」

ヴァルがため息をつきながら呟いた…

「こりゃ、チビっ子達…もう少し弱く撃てんかのう…」


「えーっ!むずかしいよー!」

「でも、やってみるね…おねえちゃん!」

ミスはヴァルのことが気に入ったのか…笑顔で返事をした。

「やっぱり女の子は可愛いのう…よしよし、お主はわらわが責任を持って魔界史上最強魔女にしてやるぞよ…」

おーい!ヴァルさん…史上最強はあなたでしょ…?

それにそれをティナが許すかどうか…?


…こうして優也とヴァルはミスとリルの特訓に励んだ。




イミテはアイとナギが自分の元を離れてから…二人を探し求めるようにベヒモスに乗って人々が避難した後の街を襲っていた…

「チェッ!みんなどこに逃げちゃったんだよ…つまんないから街を破壊するしかないね…

だれかお嫁さんを僕に差し出すまでベヒモスは暴れちゃうよ…」



そして…エクスとパルテが守護霊となった二人の王女の身体にも変化が起きていた…

「ふわぁ~おはよう!姉ちゃん!」

「あら…おはよう!ムラサメ!」

「ん?…姉…ちゃん?」



ミラール王宮ではみんな不思議そうにアイの事を噂していた…

「ねえ…王女様って最近、印象が変わったわよね…」

「ん…なんか綺麗になられたみたい…」

「あ…恋なんかしてるのかな…?」

「お相手は?まさか…キャーッ⁉︎」




ようやくミスとリルのガンマータが形になりかけてきたある朝、イミテのストレスもマックスに達してきた…

「ムギ~!僕ちゃん、頭に来てるんだよ!一体僕のお嫁さんはどこにいるんだい!今日という今日は全ての街や森を焼け野原にしてやる!」

イミテはベヒモスに送られたエクスとパルテの残留魔法因子を利用して全世界の人々に宣戦布告した…

「優也…あの阿呆もそろそろ限界のようじゃぞ…」

「分かった!…ミス、リル…みんなと一緒にベヒモスを退治に行こう!」

「うん、パパ!!」

「やっつけちゃおうね、あたしたちで!!」



二人は両手を高く上げた。


「おーっ!!」

「おーっ!!」
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