奥さまは魔王女

奏 隼人

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未来を掴み取れ

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優也は身を乗り出す…

「大丈夫なのですか…?お身体は…」

「おお…婿殿…みんな…この通り…元気だ…」

「でもどうして…何故こんなに急にお加減が良くなられたのですか?」

「うむ…ナギが…」

「ナギさんが?」

「…正確に言うとナギがご先祖…エクス様のお力を得て、ワシにそれは凄いレベルの治癒魔法をかけてくれたのじゃ…」

「なるほど…それで…」

ナギはみんなの前に出て頭を下げた。

「皆様、本当にご心配をおかけしました…」

「でも本当に良かったね!!ナギさん!!」

優也は笑顔でナギの顔を覗きこんだ…

ナギは一瞬、赤面したが優也の目を見て言った…

「ありがとう…優也さん…」



優也はハッと思い出した…

「そうだ…!!」

僕は頭の中のヴァルプルギスに向かって語りかけた…

「ヴァル…そう言えばさっき黒いオーラのことでいい考えが浮かんだようだったけど…」

「その通りじゃ…優也…

おそらくあの黒いオーラだけなら…不完全なガンマータでも十分に取り除けるぞよ…」

「ガンマータ?…ま、まさか…」

「そのまさかじゃ…あのチビっ子達に黒いオーラを吹き飛ばしてもらうのよ…」


「うふふふ…」

「わーい!!」



優也は無邪気に遊んでいる二人を眺めた…

「ミスとリルが…」

僕はティナを見つめた…ティナは僕の視線に気づいて側に歩み寄ってきた…

彼女はニコッと笑って

「あの子達なら大丈夫…貴方とヴァルさんに任せるわ…私達の未来はみんなで勝ち取りましょう…!」

僕はティナを抱きしめて深く頷いた…

「うん。また家族四人で笑い合えるように…」

「…コホン…優也よ…わらわも、そして…ここにいる全員が心を一つにするチーム…ファミリーのようなものじゃぞ!」

「分かってるよ…ヴァル…」

僕はみんな一人一人の顔を見回した…

「ようし、ミス、リル…魔法の練習をしよう!パパと一緒にな!」

「うん!!」

「わーい!パパと一緒だぁ!」

その時、アイが重々しく口を開いた…

「でも…魔法が通ったとはいえ、あの怪物を倒せるかな?」



すると…ソーディア王はアイを…いや、アイの瞳の中のパルテを見つめる…

「大丈夫じゃ…ワシに腹案がある…そのためにパルテ様はこの老いぼれを蘇らせたのじゃよ…」
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