奥さまは魔王女

あんな事やこんな事

「何じゃ…優也よ…⁉︎」

「その…本気で…魔界を征服するつもりですか？」

「当たり前じゃよ…！！わらわはそのために生まれたのじゃからの…

わらわのパートナーじゃからお主のモノにもなる…嬉しいじゃろ…

ハッハッハッ…」

…そのために生まれた…？
ヴァルさんには何か秘密がありそうだな…






その頃…ジュエラ王宮ではプラティナ、ゴルド、ソーディア王、ナギ、ムラサメ、アイが
集まって優也の奪還計画を立てていた…


重い空気の中…ソーディア王が口を開いた。


「すると…婿殿を拐っていった魔女はテレパシーでヴァルプルギスと名乗っておったあやつなのじゃな」

「はい！…一刻も早くダーリンを取り返さないとあのチビっ子魔女にあんな事やこんな事をされてしまいます…

ああっ！！私のダーリン！！」



「あんな事や…」「こんな事…」


ポワワワワーン…！！


ナギとアイの頭の中でイケない妄想が膨らんでいく…

我慢できずに二人はソーディア王の元に駆け寄る…



「お、お父様！！絶対ダメ！！早く優也さんを取り返さないと…」

「ミラール王国としても全力を尽くしますのでここは迅速な対応が求められますわ！」


「う、うむ…分かっておる…」

流石のソーディア王も二人の圧に押され気味である…


「マサムネよ…」

「どうした？ゴルド…」

「お主は見ておらぬだろうが、ヴァルプルギスという魔女…昔の先生によく似ておった…」

「な、何…？先生にじゃと…！！

確かによく似た名じゃが…しかしもう、師匠は…」

「お話の最中にすみません…その先生という方は亡くなっておられると…」

アイがゴルドの顔を覗き込んで訊く…

「ああ、魔法学校でワシやマサムネのような悪ガキをビシバシしごいてくれた先生だったのじゃが、ある時、急に教師を辞められて人間界の修道院に入られたらしいのじゃ…

そしてそのまま人間界で一生を終えられたらしいと風の噂でな…ワシらが偉そうに王族だと踏ん反り返っていてもあの方には頭が上がらなかったわい…

もう一度お目にかかれたらあの魔女の事の手ががりも分かるかもしれんが…」



アイはゴルドの顔を見つめて…

「じゃあ…お会いしてみます…？」