奥さまは魔王女

奏 隼人

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ヴァルプルギスの城

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ヴァルケーノ火山の中腹…

岩がゴロゴロしている場所に不釣り合いな様子でヴァルプルギスのゴージャスなお城はそびえ立っていた…

「ヴァルプルギスさん!!」

「お主はカタい男じゃのう…わらわをお主のパートナーにしてやると申しておるのじゃ!!

こんな綺麗な女子おなごと…嬉しいじゃろう…⁉︎

仮にもわらわの伴侶となったのだからお前…とか、呼び捨てとかじゃな…せめてヴァルと呼んだらどうじゃ?」

「じゃあ…ヴァルさん…」

「…まあ良いじゃろう!!…何じゃ⁉︎」

「妻と子供の所へ帰してください…」

「…まだそんな事を言うておるのか…?お主はここでわらわと暮らすのじゃ…たまには解放してやる故、それで我慢するが良いぞ…」

「たまには…ってティナの所へ帰してくれるんですか?」

「ああ、男じゃからの…仕方ない…しかし、またわらわの所へ帰って来るのじゃぞ…」

無茶苦茶なヴァルプルギスさんだけど、この時は何故か少し悲しそうな表情に見えた…







「お父様!!大変です!!ダーリンが…優也さんがヴァルプルギスと名乗る魔女に連れ去られてしまいましたわ!!すぐ助けに行かないと…」

「ヴァルプルギス…?」

「どうされたのですか?そういえば…お父様は師匠と呼んでおられた…あの方を知っておられるのですか?」

「いや、ワシはヴァルプルギスなぞ知らん…あの魔女はワシに魔法のイロハを教えてくれた師匠によく似ていたのじゃ…しかしその師匠はもう…」

「ティナさん!!」

ナギとアイがティナに駆け寄る…

「優也さんを助けに行くの…⁉︎ティナ…私も協力させて!!」

「以前のお詫びじゃないけど私も力を貸すわよ!!」


「ありがとう!とにかく計画を立ててヴァルケーノ火山に向かいましょう!」

ゴルドは浮かない表情を浮かべている…

「貴女なのですか…?…師匠…」







天蓋のついたベッドにヴァルさんと僕は寄り添いながら横になって話をしている…

「えっ!!それじゃあ…ゴルドさんは…」

「そうじゃわらわが魔法を手取り足取り教えてやったのじゃ…懐かしいのう…」

「でも、ヴァルさん…見た目若くて凄く綺麗なのに…本当に僕より年上なんですか?

ゴルドさんの師匠なんですよね…」

「それにはの…色々あるのじゃよ…さて、世界征服の方も進めないとのう…」


「ま、待って下さい…」
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