奥さまは魔王女

奏 隼人

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ふれあい

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彼女の両手からまた緑色の光の渦が起こり、渦はまた光の玉となる…

「はああっ!!」

ナギさんが気合いを込めると光の玉は僕達の頭上で四方八方に飛び散り、キラキラと光り輝きながら降り注いだ。

「安心してください。これは治癒魔法みたいなものですから…」

僕のすぐ横でナギさんは笑顔でそう言った…

僕は一瞬ドキッとした…ティナの幼馴染…清楚で可憐な少女のようなその笑顔に目を奪われた…

「優也さん…?どうかされましたか…?」

「い、いえ…ナギさんって、その…綺麗ですね…」

「ええっ!!

…男の人にそんな事言われたの初めてです…」

ドックン…ドックン…


自分の心臓の鼓動が聞こえる…

「ナギさん…」

「優也さん…」


「あー!!ちょっとぉ!!

キャストがおかしいよ!!

ダーリンの相手は私だよ!!もう!!」


また頭の中にティナの声が響いた!

「ナ、ナギさん…」「は、はい…」

僕達は我に返って降り注ぐ緑色の光を見つめる…

光は周りの木々や草花を包み込んだ…その時、僕達の足元がグラグラと音を立てて動いている。

僕達の二、三メートル先の地面が突然盛り上がったかと思うと大きな木の根っこが小さな小箱を押し上げている…

「こ、これだ!僕達が埋めたタイムカプセルは…」

ナギさんは近くの木に触れて「見つかりました…ありがとう…」と話しかけた。すると盛り上がった根っこは元に戻り、木々や草花の緑の光は消えた…

「私…元々、自然と触れ合うような魔法が得意だったんです。でも…優也さんと出会えて…本当の意味で触れ合う事が出来た様な気がします。感謝の気持ちを伝えられるようになりました…」

優也はナギのその言葉を聞いて…

笑顔でナギの頭をポンポンと叩いた。

「ナギさんは優しい人ですね。

僕、やっぱりナギさんの事…大好きです!」

ナギは驚いて、でもすぐに涙を浮かべて「ありがとう…ございます…」そう言って優也の胸に飛び込んで泣いた…

ソーディア王宮でその様子を魔法で作り出したモニターで見ていたティナは「あーん!ダーリンとナギ、何やってんのよ!やっぱり私も行けば良かった…」と足をバタバタ動かした…

「まあまあ、タイムカプセルも見つかった事やしな!堪忍したりーや!ティナちゃん!」

ムラサメはニヤニヤ笑いながらその様子を眺めている。

「さあ、王宮へ戻りましょうか…」「ええ…」



僕達はソーディア王宮に戻ることにした…
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