42 / 105
テレパシー
しおりを挟む魔法の使えない僕は無力だった…
ティナが辛い時に彼女を連れてここからジュエラ王宮や自宅へ帰る術さえも持っていない…
ああ…こんな時、ラリーさんに連絡が取れたら…
そう思ったと同時に…
「…婿殿…⁉︎ ティナの婿殿ですな?どうしました?」
「ラ、ラリーさん…大変なんです!!
すぐにミラールへ来て頂けませんか⁉︎」
「…分かりました…少々お待ちくだされ!!」
ミラールまで 駆けつけてくださったラリーさんに自宅までの瞬間移動をお願いして、取り敢えずティナを休ませた…
そして明日の朝も迎えに来てもらう事を約束して
ティナを抱きしめたまま…僕もその夜は眠りについた…
次の朝、ラリーさんが自宅まで迎えに来てくれた…
事情を説明するとラリーさんは激しく動揺した…
「それはそれは大変でしたな…
しかし兄上夫婦まで拐われたとなると…
うーむ…これはどうしたものやら…」
「僕はお義父さんとラリーさん以外に魔界に頼れる方は殆どいません…
しかし、お話を聞いて頂けて、お知恵を貸して頂けそうな方を一人だけ知っています…」
「ほう…そのお方とは…」
「ちょっとお待ち下さい…」
僕は自分の頭を指でチョンチョンと突いてラリーさんに合図を送った。
「おお…」
ラリーさんは僕の合図に気づいてくださった。
そして…
「これでいいのですな!婿殿。」
「ご理解頂けて嬉しいです。」
そう…僕達は頭の中…僕達の世界でいうテレパシーで話した。
「婿殿は頭も切れるようですな…」
「いえ…ただ、ミラール王国のアイさんは僕達の事を全て知っていました。口頭で伝えても、例えば筆談のような伝え方も全ての物理的アクセスはビジョンを見ているような相手に筒抜けになる可能性があります。
しかし、これならきっと相手にバレる事も無いでしょう…」
そして僕はラリーさんに僕の考えを説明した…
「うーむ!いや、しかしこれは名案かも知れませんな。早速連絡を入れてみます。ちょっとお待ち下され!」
この時、僕は思い違いをしていた…
僕は少なからず残留した魔法因子を纏っているから魔法使いの方とテレパシーで話せるのか…或いは魔法使いは一方的にテレパシーを送って受け取る事が出来るのだと…
実はこの思い違いこそがミラール王国が僕を狙っている理由そのものであった…
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。

セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

地獄の業火に焚べるのは……
緑谷めい
恋愛
伯爵家令嬢アネットは、17歳の時に2つ年上のボルテール侯爵家の長男ジェルマンに嫁いだ。親の決めた政略結婚ではあったが、小さい頃から婚約者だった二人は仲の良い幼馴染だった。表面上は何の問題もなく穏やかな結婚生活が始まる――けれど、ジェルマンには秘密の愛人がいた。学生時代からの平民の恋人サラとの関係が続いていたのである。
やがてアネットは男女の双子を出産した。「ディオン」と名付けられた男児はジェルマンそっくりで、「マドレーヌ」と名付けられた女児はアネットによく似ていた。
※ 全5話完結予定

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる